「リソースを確保してほしい」「リソースが不足している」など、業務中に聞いたことがある人は少なくないでしょう。リソースはIT業界だけでなく、幅広いシーンで使われています。

しかし聞いたことはあっても、リソースの意味と使い方をきちんと理解できていなければ意味がありません。自分が知らなかった言葉を周りが使っているからといって、適当に使うと恥モノをかいてしまう可能性があります。

リソースの意味や使い方を知って、ビジネスシーンで活用しましょう。

  • 教科書を見て頭を抱えてる女子学生

    リソースの意味と使い方を知りましょう

リソースの意味とは

一般的なリソースとは、資源や資産という意味です。ただし、使用するシチュエーションによって少し意味合いが異なります。

例えば、ビジネス面においては、経営するうえで必要になる資源や資産である「人・金・モノ」などのことを指し、俗に「経営リソース」とも呼びます。IT業界においては、パソコンやサーバーそのものや、CPU・メモリといった構成要素の性能、容量などを意味します。

英語におけるリソースの意味

英語におけるリソース(resource)は資源や資金、(頼りになる)援助などのことを指します。また、石油やガスなどの天然の資源も「resource」や「natural resource」と言います。

ビジネス用語のリソースと同じく会社の資金や資源を指す場合も使うため、言葉の意味としては幅広いでしょう。

リソースの言い換え・類語

リソースの類語として「アセット」があります。アセットは消費して価値が生まれるリソースとは異なり、保有しているだけで価値を持つ資産や資源を表す際に使われます。資産としての価値があるデータをデジタルアセットとも言い、仮想通貨なども含まれます。

リソースの言い換えとしては「資源」「資産」「源泉」などがあります。

  • 人差し指を立てている男性

    消費する資源はリソース、保有する資産はアセットのように使い分けましょう

リソースの使い方

リソースという言葉は幅広い意味を持つため、シーンごとに適したリソースの意味を把握できていないと別の業界でリソースという言葉を聞いても何のことを指すのか理解できない可能性があります。IT、プログラミング、ゲーム業界など、それぞれのシーンにおいて適切な使い方を知っておきましょう。

IT用語としてのリソース

IT用語としてのリソースは、ハードディスクの容量やメモリの領域、CPUの処理速度など、コンピュータを動作するうえで必要な能力などのことを指します。そのほか、ネットワークを通じて利用できるソフトウェアやファイル、ストレージなどの便利な機能を総称的にリソースと呼ぶこともあります。

使用するコンピュータのメモリが不足している場合には、「リソース不足で、これ以上アプリケーションを開けない」のように使います。

また、ホームページのアドレスに使われるURLはUniform Resource Locatorの略で、日本語で言えば統一資源位置指定子です。インターネット上のリソース(データやサービス)の所在を特定するための記号という意味があります。

プログラミング用語としてのリソース

プログラミング用語としてのリソースは、プログラムから呼び出して使用するデータやファイルのことを指します。具体的にはテキスト、画像などのメディアファイルやメニュー、ダイアログなどのことです。

また、アプリケーションソフトウェアが使用するメモリ領域のことをシステムリソースと言い、単にリソースとして呼ぶこともあります。

例文としては、「多くのリソースを抱えるパソコンは負荷がかかる」などがあります。

ゲーム関連用語としてのリソース

ゲーム内で出てくるリソースという言葉は、ゲームを進行するうえで必要とされるゲーム内の資源や資産のことを指します。「リソースが尽きた」のような使い方があります。

また、ゲーム開発で使われるリソースという言葉の意味は、IT業界での用語と同じくコンピュータ上でゲームのプログラムを動作させるために必要な処理能力や容量のことを指します。

  • 新聞を読んで渋い顔をしている男性

    シーンによって意味の変わるリソースを正しく使い分けましょう

リソース管理とは

リソース管理とは、組織を経営するうえで必要になる経営リソース、いわゆる「人・金・モノ」をきちんと管理・コントロールすることを意味します。

リソース管理の重要性

経営リソースは有限である以上、「目的達成のために誰(何)をどのくらい使うのか」ということをしっかり管理し、コストパフォーマンスや作業効率が最大限になるように考える必要があります。

例えば新商品開発のプロジェクトを立ち上げたとしましょう。新商品を発売するには、プロジェクトの推進役や商品を実際に開発する実行役などの人的リソースのほか、「資材」「情報」などのさまざまなリソースが必要となります。

もしもリソース管理が不十分だと、人手不足に陥ったり、資金不足による資材調達の困難といった事態に直面したりする可能性が出てきます。それらのリスクを避けるためにも、リソースの確保段階からしっかりと管理を行う必要があります。

リソース管理の方法

ここからは具体的にどのようにリソース、特に人的リソースを管理すればよいのかをご紹介します。

【人事面における適材適所の実施】

仕事における適性は、従業員のモチベーションに大きく関与します。

コミュニケーションスキルに長け、営業能力に優れる人材に、経理などの事務作業をやらせてみても、その能力を存分に発揮できていると言えるでしょうか? 人には向き・不向きがあるため、仕事における適性も各々によって異なります。

適材適所に人材を置けていない企業では、従業員のモチベーションが低下するだけでなく、生産性にも悪影響を及ぼしかねません。最悪の場合、退職にもつながってしまうため、管理する側は常に適材適所を心がけるようにしましょう。

【コミュニケーションの活性化】

上司と部下のコミュニケーションが疎遠だと、部下が何を考えているかを上司が把握しにくいため、リソース管理が難しくなってしまいます。

また、「こうしたらもっと仕事の効率化につながるのに」と部下が考えていても、上司が気軽に話しかけられるような雰囲気でなければ、せっかくのアイディアの芽もつぶれてしまいます。

人的リソースを最大限に活用できるように、職場での意思疎通を徹底しましょう

リソースを用いた例文

最後にリソースを用いた例文を紹介します。ビジネスシーンにおいても頻出するフレーズですから、しっかりと使いこなせるようにしておきましょう。

リソース不足

  • わが社はIT分野におけるリソースが不足している
  • リソース不足で生産性の低下が著しい

リソースを割く

  • このプロジェクトには相当のリソースを割く必要がある
  • セクションAのリソースを割くことで当座をしのごう

リソースの意味や使い方を理解しよう

同じリソースという言葉でも、使用するシーンや業界によって意味や使い方は異なります。ビジネス用語やゲーム用語としてのリソースには資金や資源、人材などの意味があります。IT用語やプログラミング用語では能力や領域、データを指すように、消費して価値を生むものに使われています。

また、時間や情報源など無形の資産にも使われるように、使われ方はさまざまです。ゲーム内でも使用される場合があり、ゲームが好きな人はプライベートでも見かける機会は多いでしょう。

幅広い使われ方をするリソースが何のことを指しているのかに注意して、会話を理解しましょう。