帝国データバンクは6月15日、「企業の今後1年の値上げに関する動向アンケート(2022年6月)」の結果を発表した。調査は6月10日~13日、1,701社を対象にインターネットで行われた。なお、同調査は2022年4月に続き2回目。

  • 企業の値上げ動向

    企業の値上げ動向

新型コロナウイルスやロシア・ウクライナ情勢、原油・原材料価格の高止まりに加え、円が約24年ぶりの安値を付けるなど、さまざまな要因を背景に仕入れコストが上昇している。

こうした状況の下、企業の今後1年の値上げ動向について聴取したところ、自社の主な商品・サービスについて、4割超(42.3%)の企業が「2022年4月~5月の間にすでに値上げした」と回答。

また、2022年6月以降に「値上げした/する予定」の企業は合計で37.0%。「2022年4月~5月の間にすでに値上げした」企業と合わせると、「値上げ実施済・予定」企業は68.5%と7割近くに達し、企業からは、原材料費の値上がりや原油価格の高騰にともなう物流費上昇、急激に進む円安などが重なったことでおきた急激なコストアップが、企業努力で吸収できる限界を超え、値上げに踏み切ったとの声が多く聞かれた。

  • 2022年7月~9月ごろに値上げ予定企業

    2022年7月~9月ごろに値上げ予定企業

4月に実施した同様の調査と比較すると、「2022年7月~9月ごろに値上げ予定」の企業は11.3ポイント上昇(4月調査8.6%→6月調査19.9%)、「2022年10月~12月ごろ値上げ予定」の企業は6.7ポイント上昇(同2.6%→同9.3%)しており、この2カ月の間に値上げを考える企業の勢いが増していることが明らかに。

業界別でみると、「卸売」(87.6%)や「製造」(79.9%)での割合が高く、全体平均(68.5%)を10ポイント超上回った。さらに業種別では、「飲食料品・飼料製造」(91.3%)、「建材・家具、窯業・土石製品卸売」(89.1%)、「飲食料品卸売」(88.5%)で値上げが進む一方、「情報サービス」(12.0%)、「不動産」(29.6%)、「運輸・倉庫」(51.2%)の業種では、値上げを実施している企業の割合が低かった。