いよいよ日本でも受注が始まったテスラの新型SUV「モデルY」(Model Y)。テスラ車としてはセダンの「モデル3」をかなり見かけるようになったが、かのイーロン・マスク氏はモデルYこそ世界で最も売れるテスラ車になると予言している。気になる実車をさっそく見てきた。
「モデル3」との違いは?
モデル3に乗ってみて個人的にはかなりいいクルマだなと思ったので、正直にいうと、同じプラットフォームを使うSUVのモデルYをあえて選ぶ意味はどのくらいあるのだろうと思っていたのだが、実車を見比べてみるとけっこうキャラが違うことが確認できた。並べてみると、まず、車高がだいぶ違う。
クルマの高さが違うから、当然ながら乗ってみた印象も違う。モデルYはモデル3に比べ、シートに座った際の頭上の空間が広いし、シートの座面も上がっているため膝の角度が付き、座り心地もよくなっている。足元のレッグスペースにも余裕あり。リアシートに座るならリクライニングを倒し、フロントシートの下につま先を入れればかなり楽な姿勢で移動できるはずだ。
モデルYで特筆すべきは荷室容量の大きさだろう。とにかくモノが積めるのだ。実際に荷室を確認すると、リアゲートを開ければたっぷりとした空間が広がっており、下のボードをめくればポケットと呼ぶには深すぎて大きすぎるスペースが出現。サブ的な位置づけであるはずのフロントトランクもモデル3に比べて深さがあるので、そちらにもちょっとしたキャリーケースくらいなら積めそうな雰囲気だった。
対生物兵器モード、起動!
モデル3にはない装備として、モデルYは医療グレードのHEPA(High Efficiency Particulate Air)フィルターを搭載している。モニター操作で「対生物兵器モード」(仰々しいがオフィシャルな呼び方)を起動すれば、HEPAフィルターを通して外気を車内に吹き入れてくれる。花粉の時期などに役立つ機能なのではないだろうか。それと、モデル3はリアのガラスがクリアだが、モデルYはプライバシーガラス(スモークガラス)になる。
写真の個体は「RWD」というグレード。モニターを見ると、バッテリー残量が90%で走行可能距離が385kmと表示されていた。フル充電なら400kmくらいは走れそうだ。
モデルYのグレードは「RWD」と「パフォーマンス」の2種類。違いとしてはパフォーマンスがモーター2つの4輪駆動(AWD)であるのに対し、RWDは後輪駆動でフロントにモーターが付かない。速いクルマが好みならパフォーマンスを選ぶべきだと思うが、航続距離などを考慮しても、ほとんどの場合はRWDで十分なのではないだろうか。
ちなみにモデル3は「RWD」(579万円、航続距離565km)、「ロングレンジ」(669万円、689km)、「パフォーマンス」(749万円、605km)の3グレードだが、日本での売れ行きは「RWD」と「ロングレンジ」が半々くらい。世界的に見るとRWDの比率が圧倒的に高いそうだ。
- テスラ「モデルY」の概要
グレード | RWD | パフォーマンス |
価格(補助金適用前) | 619万円~ | 809万円~ |
バッテリー | スタンダードレンジ | ロングレンジ |
航続距離(WLTCモード) | 507km | 595km |
車両重量 | 1,930kg | 2,000kg |
モーター | 最高出力220kW、最大トルク350Nm | フロント158kW、240Nm、リア235kW、450Nm |
最高速度 | 217km/h | 250km/h |
0-100km/h加速 | 6.9秒 | 3.7秒 |
ホイール | 19インチor20インチ | 21インチ |
乗車定員 | 5人 | 5人 |
荷室容量 | 2,158L | 2,158L |