ダイソンから、髪を気流で巻き付けカールしてくれる「Dyson Airwrap」(ダイソン エアラップ)の新モデルが登場しました。本体は現行モデルと同じながら、髪にあてるアタッチメントが使いやすく進化。6月15日の発売に先立って行われた発表会で、さっそく新モデルを体験してきました。
そもそも「ダイソン エアラップ」ってどんな美容家電?
髪をセットする際、ストレートアイロンやカールアイロンを使っている人も多いのではないでしょうか。かくいう筆者自身、20年近く使っており、もはや手放せない存在となっています。
当然代償はあり、高温によって髪は傷みやすく、カラーも退色しがち。美容院に行くたびに、「毛先が傷んでいる」と数センチ切られ、毛先の色の明るさを指摘されます。過度な熱は髪を傷める……わかってはいるけれどやめられない。
そんな、筆者のような髪悩みを解決すべく、ダイソンから2018年11月に発売されたのが、Dyson Airwrap(ダイソン エアラップ)です。
いわゆる“くるくるドライヤー”のブラシ部分にカーラーを取り付けたものですが、ほかとは違うのは、カーラーを髪に近づけると、髪が吸い寄せられて自動で巻き付いてくれるところ。初めて見た時は、予想外の動きで度肝を抜かれました。
このエアラップは、ダイソンが得意とする「コアンダ効果」を利用しています。コアンダ効果とは、適切な速度と圧力で送り出された空気が、隣接するモノの表面に自然に沿い、周囲の空気を巻き込んでいく原理で、ダイソンの空気清浄機やドライヤーにも採用されているもの。
一般的なヘアアイロンは200℃前後と高温ですが、エアラップは150℃以下に抑えつつ、高速の温風でしっかり髪を巻きつけ、カールを作ります。
自動で髪は巻き付いてくれるし、髪は傷めにくいし、まさに画期的なスタイリングツールでしたが、少々使いにくいところもありました。それは、カーラーによって気流の向きが決まっているため、内巻き、外巻き、といちいちカーラーを付け替えないといけないところ。内巻きにしたい場合は、どっちのカーラーだっけ? ミックス巻きにしたい場合は? と考えながら使う必要があり、使いこなしには慣れが必要でした。
しかし問題は1つずつ解決するのがダイソンの信条。今回、使いやすくパワーアップしたアタッチメントを搭載した新モデル「Dyson Airwrap(ダイソン エアラップ)マルチスタイラー」(以下、新エアラップ)が6月15日から発売します。直販価格は付属品・ツール8点付きで63,250円(編集部調べ)。製品発表会で、便利になった新エアラップのアタッチメントを体験してきました。
付け替え不要! 先端を回すと内巻き/外巻きが切り替わる
そもそもエアラップは、複数のアタッチメントを使い分けることで、ドライからカール、ウェーブ、ブローとヘアスタイリングに関するあらゆる工程が1台で行える斬新なスタイリングツール。
従来モデルには、髪を乾かす「プレスタイリングドライヤー」のほか、カールを作る「エアラップカーラー」が2種類の太さで左右2本ずつ、さらに「スムージングブラシ」、円形の「ラウンドボリュームブラシ」などが付属しています(モデルによって付属のツール数が異なります)。
新エアラップは、これらのアタッチメントを一新。コアンダ効果の可能性をより引き出すことで、さらに手軽に、効果的にスタイリングできるようになりました。
まず大きく進化したのが、ドライに使える「スムージングドライヤー」。従来モデルは、羽のない扇風機のような楕円形をしていましたが、今回は3カ所のすき間からコアンダ気流を吹き出す構造に再設計し、よりパワフルな風で髪を乾かすことができます。
さらに便利なのが、ダイソンドライヤーで人気のアタッチメント「浮き毛抑制ツール」機能が集約されたこと。髪からピョンピョン飛び出る浮き毛、通称“アホ毛”ををコアンダ効果で一気に抑え、ブローしたようなツヤ髪に整えてくれるのです。
同じようにエアラップカーラーも、従来は内巻きと外巻きでカーラーを付け替える必要がありましたが、こちらも1つのカーラーの先端を回転させるだけで、内巻き、外巻きの切り替えが可能になりました。
スムージングブラシに関しても、気流の吹き出し口が従来の2箇所から3箇所になったほか、ブラシを左右に動かすことで、コアンダ気流が一方向に集中し、正確なスタイリングができるようになった、としています。
「ダイソンでは、CFD(Computational Fluid Dynamics /数値流体シミュレーション)を用いて気流を研究しています。気流の最適化を図り、理想的なパターンを突き詰めていくことで、より早く簡単に髪をスタイリングする方法をツールが実現しました。このエアラップは、1人1人の髪に合わせてカスタマイズできる史上初のスタイリングツールと言っていいでしょう」(フェリシア テー氏)
10年以上にわたる毛髪研究に裏打ちされた髪への優しさ
ダイソンのシニアプリンシパルサイエンティストのロブ スミス氏によると、ダイソンは10年以上にわたり、1億ポンド(約151億円)を投資してヘアサイエンス研究を行ってきました。「世界中のあらゆる髪質の髪を、最先端技術によってダメージから守るお手伝いをしたいと思っている」とスミス氏。
髪は表面がキューティクル層に覆われており、このキューティクルがきれいに整列していると、手触りがなめらかで輝きを放ちますが、乱れると光が乱反射し、美しい輝きが生まれません。さらにその内側にあるコルテックス層は繊維質となっており、ここがバネのような弾力を生み出しています。
しかし、この構造はドライヤーやヘアアイロンなどの「過度な熱によって変性を起こす」とスミス氏。「まず150℃を超えると、たんぱく質の一種であるケラチンが縮み、バネのような弾力が失われます。さらに230℃を超えると硫黄のような焦げた臭いがして、ジスリフィド結合が切断され、もはや元には戻りません。切れ毛になったり、髪のカラーが退色しやすくなったりします」。
ダイソンのドライヤー温度が150℃以下にこだわるのは、そのため。しかもセンサーが毎秒40回、温度を測定し、150℃を上回らないよう調整しています。
「一口に髪と言っても、髪質は一人一人異なります。例えば日本人は断面が真円に近くて太く、キューティクル層も厚いですが、欧米人は断面が潰れており、巻き毛になる人も多い。つまり1つの方法で万人のニーズに応えることができません。その問題に対して私たちダイソンは、科学的根拠に基づく最新テクノロジーによって臨みたいと思っています」(ロブ スミス氏)
新エアラップを体験! 「浮き毛」が収まりツヤツヤな髪に
さっそく、その進化を体験してみました! 1本で内巻きも外巻きもできるカーラーを使って、カールヘアを作ってもらいました。
理想としては髪を洗い、8割程度乾いたところから使い始めるか、あらかじめ髪を濡らしておくこと。髪は濡れた状態から乾く過程で形が固定されるので、カールがつきやすくなります。ある程度毛束を取り、カーラーを近づけたら、髪がひゅっと巻き付くので、このまま数秒間キープ。髪が乾いた頃合いを見計らったら、クールボタンに切り替え、冷やして固めます。
ヘアアイロンのように高温で一気にスタイリングするわけでないので、全体にカールを作るには少々時間がかかりますが、髪が熱くなりすぎない安心感はあります。
そして完成したのがこちら!なかなかゴージャス(笑)。最後にスプレーなどでしっかり固めるといいですね。
また今のような梅雨時期は、まさに浮き毛に悩んでいた私ですが、こちらもスムージングドライヤーであっという間にきれいに収まりました。おかげでツヤッツヤの仕上がりに。
基本的な機能は大きく変わっていないにもかかわらず、アタッチメントによってここまで使いやすさ、仕上がりが変わるとは。これもダイソンのヘアサイエンスとコアンダ効果のあくなき追求によるものなのでしょう。魅力的なツールなだけに、大歓迎な進化でした。
ちなみに、従来モデルを持っている人は「こっちのほうがよかった!」と思うと思いますが、今回はアタッチメントのみの進化のため、新アタッチメントのみの「アップグレードキット」を購入することで最新機能が体験できます(順次販売。6月15日時点では直販サイトになし・編集部調べ)。
2022年6月17日から26日までの10日間、下記にてポップアップスペース「Dyson Hair Beauty Station」が開催されます。無料で新エアラップを体験できるほか、上記のBefore /After写真を撮ってもらえるので、気になる方は足を運んでみてはいかがでしょうか。
ポップアップスペース「Dyson Hair Beauty Station」概要 | |
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期間 | 2022年6月17日(金)- 26日(日) |
時間 | 各日11:00 - 20:00 |
会場 | THE CORNER 東京都渋谷区神宮前5-29-1 |
その他 | 入場無料/要予約 詳細は特設サイトにて |