ソニーは、動画の撮影シーンに合わせて3つの指向性に切り替えられる小型のカメラ用ショットガンマイク「ECM-B10」を7月29日に発売する。価格は29,590円。

  • ECM-B10(付属のウインドスクリーンを装着したところ)

  • ECM-B10

ソニーのαシリーズのデジタルカメラと組み合わせて使え、人気を集めた同社のショットガンマイク「ECM-B1M」の機能を継承。ビームフォーミング技術を採用しており、全長79.3mmと小型ながら鋭指向性と高音質な収音を実現する製品として、ビデオグラファーやVlogger(Vlog撮影者)に訴求する。

  • ウインドスクリーンを付けて「α7S III」に装着したところ

  • ウインドスクリーンを付けて「ZV-E10」に装着したところ

従来のECM-B1Mと同様に、ビームフォーミング技術を使ったデジタルシグナルプロセッサーの信号処理システムにより、コンパクトサイズながら鋭い指向性を実現。4個のマイクユニットを内蔵し、鋭指向性、単一指向性、全指向性の3つを本体背面のスイッチで切り替えられる。バックエレクトレットコンデンサー型で、周波数特性は40Hz~20kHz。

  • ECM-B10の上面。4個のマイクユニットを内蔵している

  • ECM-B10を使った収録イメージ

一般的な鋭指向性のショットガンマイクロホンは、指向性の鋭さに応じて全長を長くする必要があり、小型化は難しかった。ECM-B10では上記の技術とデジタル信号処理を採用することで、全長79.3mm、重さ72gと小型軽量ながら鋭指向性を実現している(ECM-B1Mは99.3mm、77.3g)。

  • 本体背面の各種スイッチ

  • 3つの指向性と収録可能範囲のイメージ。左から鋭指向性、単一指向性、全指向性

  • 鋭指向性
    周囲の音を抑え、カメラ正面の音を強調して収録可能
    想定撮影シーン:インタビュー、自撮り撮影(主要被写体の声を収音)
  • 単一指向性
    背後の音は抑えつつ、前方の音を幅広く収録可能
    想定撮影シーン:対談(複数人の声を収音)
  • 全指向性
    すべての方向に等しく感度を保って収録可能
    想定撮影シーン:環境音を積極的に収録したい場合、撮影者の声も合わせて収録したい場合

デジタル信号処理によるノイズカットフィルター、ローカットフィルター、付属のファータイプのウインドスクリーンなどにより、不要なノイズを抑えた高音質録音を追求。

ノイズカットフィルターでは、耳障りな定常的雑音をデジタル信号処理で効果的に除去する。低域の振動ノイズを効果的に抑制する防振構造も採用したほか、ケーブルレス仕様のため、ケーブル由来の振動ノイズも発生しないとする。ほかにも、過大音量による歪みを防ぐATT(アッテネータ)スイッチや、手動のオーディオレベル調整機能を備える。

カメラとの接続端子にはマルチインターフェースシュー(MIシュー)を採用。ケーブルによる接続や電源供給は不要で、バッテリーレス、ケーブルレスの自由な撮影を可能にした。

デジタルオーディオ伝送対応のカメラと組み合わせた場合、デジタル信号のままカメラに直接伝送でき、劣化のない高音質を実現するという。デジタル伝送に対応するカメラは、α1 / α9 II / α7R IV/ α7S III / α7 IV / α7C/ ZV-E10 / FX3。

デジタルオーディオ伝送非対応のカメラにもアナログ伝送可能で、上記の一部機種を除く現行α7シリーズのほか、α9 / α6000シリーズ(α6000を除く) / RX10シリーズなどはアナログ接続で使用可能だ。MIシューの伝送方式は本体背面のデジタル/アナログ接続の切り替えスイッチで切り替える。

本体は防塵・防滴に配慮した設計を採用。本体サイズは27.4×79.3×81.7mm(幅×奥行き×高さ、ウインドスクリーンと突起部を除く)。

  • ウインドスクリーンを外したところ

  • 側面のフタの奥にはmicroUSB端子がある