トップ10社の多くが業績好調
トップ10社の多くが、売り上げを前年同期比で2桁成長を達成している。中でもAMDとMervellは70%を超す成長率を達成したほか、2021年7月にLion Semiconductorを買収したCirrus Logicも同67%増と買収を行った企業が高い成長率を見せている。
一方、事業成長で業績を伸ばした企業ではNVIDIAが同53%増とトップ。データセンター向けGPUが伸びたことが背景にある。また、トップシェアのQualcommも同52%増を達成している。
トップ10社中、唯一マイナス成長となったのはWill Semiconductorで、携帯電話市場の軟化を受け、IC設計部門の売上高は同9%減となった。
第2四半期以降はコンシューマ向け中心に市場低迷の可能性
多くのファブレスIC企業が、戦略的な合併や買収により、収益を拡大しており、こうした動きは今後も続くことが予想される。そうした中、2022年第2四半期は、世界的なインフレ、ロシアのウクライナ侵攻、中国の都市封鎖などに伴う消費者需要の低迷に加え、季節的なオフシーズンということもあり、コンシューマ向け製品の売り上げ割合が高いファブレスIC企業に不利に働く可能性があるとTrendForceでは指摘している。
これはリスク分散として、製品アプリケーションをHPC、サーバ、データセンター、自動車用電子機器などの市場に広げているさまざまな業界プレーヤーが採用しているM&A戦略からも見て取れることから、TrendForceは、今回ランク外だった米Synaptics(ヒューマンインタフェース専業)、韓LX Semicon(ディスプレイドライバ専業)、台Himax(ディスプレイドライバや家電向けファブレス)といった企業が今後の動向次第ではトップ10に入ってくる可能性があるとしている。