ダイキン工業は6月9日、「エアコンの電力消費と節電に関する意識調査」の結果を発表した。同調査は6月2日~5日、全国の男女526名を対象に、インターネットで実施。合わせて夏場の上手なエアコンの使い方についても公開した。
今年の夏、電力需給がひっ迫する恐れがあることを知っているか尋ねたところ、65.8%が「知っている」と回答した。
電気代上昇によって家計への負担の高まりを感じているか聞くと、78.9%が「感じている」と答えている。
電力需給のひっ迫や電気代の上昇を踏まえ、この夏、昨年よりも省エネ、節電に積極的に取り組みたいか尋ねたところ、90.7%が「取り組みたい」と答えた。
昨年以上に省エネ・節電に積極的に取り組む理由を尋ねると、「家の電気代上昇を抑えるため」(81.3%)という回答が圧倒的に多かった。2位は「電力供給のひっ迫による節電要請に応えるため」(33.3%)、3位は「環境への影響を抑えるため」(29.8%)となっている。
昨年以上の省エネ・節電のために、具体的な取り組みのアイデアはあるか聞くと、67.1%が「ない」と答えた。
家庭で夏の日中に一番消費電力が大きいと感じる電化製品について尋ねると、74.7%が「エアコン」と回答した。2位は「冷蔵庫」(11.4%)、3位は「洗濯機・乾燥機/テレビ」(2.7%)だった。
夏場の日中のエアコンが、家庭の消費電力に占める割合はどのくらいだと思うか尋ねたところ、「3割~4割程度」(49.2%)が最も多く、「1割~2割程度」(28.1%)が続いた。
資源エネルギー庁の調査によると、夏の日中(14時ごろ)の一般家庭における電力消費は、照明や冷蔵庫を抑え、エアコンが最大(58%)で約6割を占めていると言われている。今回のアンケートで、「5割~6割程度」と正解できた人は13.7%と1割強にとどまった。多くの人がエアコンの消費電力を少なく見積もっていることがわかった。
夏場のエアコンを使用する際に、省エネ・節電のための上手な使い方として工夫したいことを聞くと、「設定温度を少し上げる(控えめにする)」(66.3%)が最も多く、「エアコンの運転スイッチを頻繁にオン・オフにしない」(36.9%)、「自動運転(省エネ運転)にする」(34.6%)が続いた。
同社では、上手にエアコンを使う方法として、フィルターの掃除を挙げた。フィルターを一年間掃除しないと約25%の電気代の無駄につながる場合があるといい、「2週間に1回」のフィルター掃除をすすめている。
また、室外機周辺の空気の流れを確保することも大事だという。吸込口や吹出口がふさがれるとエアコンの運転効率が下がり、消費電力が上がって電気代も上がる。そのため、室外機にカバーをかけたり室外機の周辺に荷物を置いたりせず、室外機周辺の風の流れを妨げないようにすることをすすめている。直射日光で室外機の周辺が熱くなる場合は、室外機から1メートルほど離れたところに「よしず」などを立て掛けることも効果的とのこと。
エアコンは電源を入れてすぐの場合、多くの電力を消費するが、設定温度に到達すると室温を維持するための電力は少なめ。そのため、エアコンのスイッチをこまめにオンオフすると消費電力が増加してしまう。多くの場合、30分程度であれば、スイッチを切るよりもつけっぱなしにした方が消費電力を抑えられるという。
なお、定期的に窓開けて換気する場合でも、つけっぱなしにすることをすすめている。同社の実験では、30分に5分の窓開け換気のたびにエアコンの電源を小まめにオンオフにするよりも、エアコンをつけっぱなしにした方が、電気代が1日で約45.7円(1カ月換算で約1,371円)低くなるという結果が出た。
エアコンの風量は「微風」や「弱風」よりも「自動」がおすすめ。風量が少ないと設定温度にするまでに時間がかかり、その分、無駄な電気代がかかってしまうという。