オーディオ・ホームシアター製品を体験できる「OTOTEN2022」が、東京国際フォーラムで6月12日まで開催されています。今回はソニー、ビクター、テクニクス(パナソニック)の各ブースの模様をお伝えします。

  • OTOTEN2022、東京国際フォーラムで開催中

OTOTENは入場無料ですが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、Webサイトから事前登録が必要です。詳細はOTOTEN公式サイトを参照のこと。

立体音響推しのソニー。HT-A9/WH-1000XM5/高級ウォークマンも(ガラス棟6F G610)

ソニーブースは2つの展示エリアに分かれており、片方は独自の立体音響技術を採用したホームシアター製品、もう片方は音質を極めたハイエンドウォークマンや据え置きオーディオを体験可能。どちらにもソニーの開発者がいて、さまざまなセミナーも実施されます。

ホームシアター製品の中では、4個のスピーカーで独自の立体音響体験「360 Spatial Sound Mapping」が楽しめる「HT-A9」の姿が目を惹きました。ここでは83V型有機ELのBRAVIA XR「A90J」、サブウーファー「SA-SW5」の組み合わせによる立体音響デモを体験できます。

  • 4個のスピーカーで構成した「HT-A9」(写真にはフロントの左右2本が写っている)と、83V型有機ELのBRAVIA XR「A90J」、サブウーファー「SA-SW5」(左下)を組み合わせている

  • セミナーエリアを囲むようにHT-A9(写真の四隅)を配置。この4本のスピーカーとBRAVIAで最大12個の仮想スピーカーを生成し、360度のサラウンド空間を楽しめる

  • HT-A9は1本1本がほぼ同じデザイン。インテリアにもなじむ

奥の方では、立体音響技術「360 Spatial Sound Personalizer」を活用したネックスピーカー「SRS-NS7」も試聴可能。4Kテレビ「BRAVIA XR」シリーズの対応機種と組み合わせ、スマホアプリであらかじめ設定して音場をユーザーごとに最適化。ホームシアター製品を置くスペースが取れない人も迫力ある立体音響が楽しめます。

  • ネックスピーカー「SRS-NS7」

  • 筆者の首に掛けてみたところ。大きめに作られていて肩に安定して乗せられるので、装着感は快適だ

5月に発売したばかりのワイヤレスヘッドホン「WH-1000XM5」の体験コーナーもあります。業界最高級のノイズキャンセル(NC)機能や通話性能を追求した製品で、立体音響技術を活用した音楽体験「360 Reality Audio」の認定モデルになっており、BRAVIA XRとテレビ用ワイヤレストランスミッター「WLA-NS7」を組み合わせ、対応コンテンツで360立体音響体験を楽しむこともできます。山本敦氏によるWH-1000XM5と先代WH-1000XM4の比較レビューも別記事で紹介しているので、あわせてご覧ください。

  • ワイヤレスヘッドホン「WH-1000XM5」

音質を極めた製品が並ぶエリアには、超ド級パワードスピーカー「SA-Z1」と、その分解モデルの姿がありました。コロナ禍真っ最中の2020年に発売された製品なので、なかなか実機を見ることが叶わなかった人もいるかもしれません。今回は2022年発売のハイエンドウォークマン「NW-WM1ZM2」や、ノートPCと組み合わせた状態で実機のサウンドを楽しめるようになっていました。SA-Z1の詳細は、海上忍氏によるSA-Z1のレビュー記事もあわせてお読みください

  • パワードスピーカー「SA-Z1」

ハイエンドウォークマン「NW-WM1ZM2」、「NW-WM1AM2」の試聴コーナーや分解モデルの展示もあり、ソニーのハイエンドヘッドホンと組み合わせて試聴可能。会場では、開発者や説明員に熱心に話を聞きにいく人の姿も見られました。

  • NW-WM1ZM2とMDR-Z1Rで試聴可能

  • NW-WM1AM2とMDR-Z7M2による試聴も可能だ

耳をふさがないビクター新完全ワイヤレス(ガラス棟5F G510)

JVCケンウッドブースは展示エリアが2つに分かれており、片方は新しい“プレミアムウッドコーンオーディオシステム”の参考出品をはじめとする、据え置き製品が中心です。ここではもう片方の、ビクターブランドの完全ワイヤレスイヤホン(TWS)などをチェックできるエリアを紹介します。

まずは、大きな注目を集めている耳をふさがない完全ワイヤレスイヤホン「HA-NP35T」(実売11,880円前後/6月上旬発売)。実際に手に取って装着感を試すことができます。

  • ビクター「HA-NP35T」(実売11,880円前後)。ケースは手のひらいっぱいを占める大柄なサイズだった

筆者は初めて実機に触れましたが、イヤーフックで耳にかけてみると装着感は良好。ただし、このイヤーフックは比較的硬質なつくりなので、筆者のようにメガネをかけている人の場合、ものによってはつるなどに干渉するのが気になるかもしれません。

  • 説明員の耳に装着したところ

  • 筆者も実機を試してみた。装着感は良好だが、メガネによってはつるなどに干渉するのが気になるかもしれない

16mmの大口径ドライバーを内蔵しており、音質は良好です。耳穴をふさがず、周囲の音や人の話し声が聞こえるので、音楽を聴きながらでも仕事や家事などをスムーズにこなせそう。IPX4防滴対応なので水回りでも使え、ランニング時も安心して使えるでしょう。

連続再生時間は最大7時間、充電ケースを合わせて約17時間。充電ケースが思った以上に大柄でしたが、持ち運ぶときにケースをしまう場所を確保できるのであれば問題なさそうです。

  • 耳に当たる側はこんな感じ

  • イヤーフックの耳の後ろ側にくる方は太めに作られている

ほかにもノイズキャンセリング機能を搭載し、ビクターの完全ワイヤレスイヤホンとして最小最軽量を実現した新製品「HA-A30T」(実売9,900円前後)も手に取って試せます。こちらはカラバリが豊富で、指でつまめるくらいケースも小さく、幅広いユーザーに適した仕上がりになっていました。

  • ビクター「HA-A30T」(実売9,900円前後)

  • HA-A30Tはケースもコンパクトな仕上がり

ブースの奥では、独自の頭外定位音場処理技術「EXOFIELD(エクソフィールド)」を搭載したワイヤレスシアターシステム「EXOFIELD THEATER XP-EXT1」とDolby Atmosコンテンツによるシアター体験デモが行われています。説明員の案内に従って来場者が自分の聴覚特性を測定し、その効果を体感するという流れで、1回につき3名まで参加可能。体験したい人は早めにJVCケンウッドブースに向かうと良さそうです。

  • EXOFIELDによるヘッドホンでのシアター体験デモの様子

  • ブースには8K対応のハイエンドプロジェクター「DLA-V90R」(288万2,000円)の姿も

テクニクス、7色の「SL-1200」限定モデル(ガラス棟6F G602)

パナソニック テクニクス(Technics)ブランドのブース入口では、限定7色カラバリのDJターンテーブル「SL-1200M7L」(12万円/世界12,000台限定)が来場者を出迎えてくれます。

  • SL-1200M7Lが来場者を出迎える。その奥には、DJパフォーマンスを披露するブースも

1972年の「SL-1200」発売以来、ダイレクトドライブ方式の高音質と信頼性で、クラブやスタジオ、放送局などにおいて評価されてきた定番シリーズの最新機種。DJを生んだストリートカルチャーをイメージした7つの限定カラーを本体に採用しており、ブルー、レッド、ホワイト、ブラック、グリーン、イエロー、ベージュの7色が選べます。

また、ゴールドカラーのトーンアームを装備し、トップパネルには記念モデルを表す「50th Anniversary」の銘とシリアルナンバーを刻印したプレートを備えているのも注目ポイントです。

  • 歴代テクニクスターンテーブルが一堂に会した展示もあった

テクニクスブースでは、コロナ禍の間に発売された製品を含む、オールインワンのオーディオシステムやスピーカーなどの現行機種がズラリとならんでいます。通常は見られない、製品の内部構造を紹介する展示もあり、注目製品を間近で見たり、説明員の話を聞きながらじっくり時間を掛けて楽しめるブース構成になっていました。