JR東海は、乗務員が手書きで作成している乗務報告書の代わりとなる「JR東海乗務報告アプリ」を開発し、6月15日から在来線に導入すると発表した。
乗務報告書は、各列車で発生した事象について、「いつ」「どこで」「何が発生したのか」「どのように対応したのか」などを詳細に記載した書類。現在はファックスで運輸区や指令に送信され、紙で保存されている。
今後は踏切障害物検知、車内非常ブザー、動物による衝撃など、従来の報告事象の中でも発生頻度の高い約7割の事象について、業務用スマートフォンの専用アプリで作成できるようにする。作成を簡略化することで作業負荷を軽減できるほか、報告内容をデータベース化することで、時期、時間帯、発生箇所などの分類ごとに把握・分析できるようになるという。特定の場所で何が起こりやすいのか、乗務員個人ごとの事象経験の有無や頻度の把握・分析も容易になる。
データの具体的な活用法として、乗務員個々の特性に応じ、経験頻度の少ない事象を重点的に訓練することが可能に。乗客から車内空調に関する問い合せがあった場合、車両形式、時期、時間帯など把握し、より適切に空調設定を行えるようにするなど、さまざまな活用を想定している。