セイコーホールディングスは6月10日、同社が保有する銀座四丁目の和光本館の名称を「SEIKO HOUSE GINZA」(セイコーハウス銀座)に改称。5階から屋上までをセイコーのブランド発信の場とし、6月19日までの期間限定でオープン記念イベント「Seiko Harmony -匠の技が奏でる12の音-」を開催する。

  • 和光本館(東京・銀座)が「SEIKO HOUSE GINZA」に改称。写真は2021年6月21日撮影

これまで限定的な利用に留まっていた5階から屋上を再整備し、5階にゲストラウンジ、6階にセイコーハウス銀座ホール、7Fに工房、屋上にスカイガーデンを新設。建物の歴史的価値を生かしながら、屋上の整備やデジタルスタジオの新設なども進め、SDGs活動の発信などを銀座から世界に向けて行っていく。なお、地下1階から地上4階まではこれまでどおり、和光の店舗として営業を継続する。

6階 セイコーハウス銀座ホールで開催しているイベント「Seiko Harmony -匠の技が奏でる12の音-」の会期は6月10日~6月19日の各日10時30分~19時(最終受付は30分前まで。最終日は17時終了)。入場無料だが、事前予約が優先される。

会場では、“セイコーが次の時代につないでいきたい「匠の技」”にまつわる12の音や、それらが重なり合って1つのハーモニーとして聞こえる特別な空間と時間を提供。WONKのメンバーであり、King Gnuなどのレコーディング参加でも知られる音楽家の江崎文武氏が作曲を手掛けており、「聞く人の感性と共鳴しながら、文化の継承と調和を体感できる音のインスタレーションになっている」という。

12の音には、時計が精密に時を刻む音、古の水時計を今に伝える置時計の音、テーラーが優美なラインを切り出す鋏の音のほか、“9.95”の記録を持つセイコー社員アスリート・山縣亮太選手が限界に挑む走りの瞬間など、「匠」を新たな視点でとらえた音も含まれる。これらの「匠の技」ひとつひとつを視覚と聴覚で感じられるようにし、12の音がひとつのハーモニー「Seiko Harmony」として聞こえる没入感のある展示空間に仕立てた。

会場には、グランドセイコー初のコンプリケーションウオッチ「グランドセイコー Kodo」や、銀座の夜空を想起させる青銀河塗をあしらった高級クロック「悠久」などを先行展示する。

  • 銀座の夜空を想起させる青銀河塗をあしらった高級クロック「悠久」を先行展示

会期中、2022年に90周年を迎える時計塔(二代目)を青い光でライトアップ(6月12日まで)。鐘の音もスペシャルバージョンに切り替わり、6月19日までの8時から24時の毎正時に鳴り響くという(最終日は19時まで)。

  • 2022年に90周年を迎える時計塔(二代目)

  • 時計塔のライトアップ(6月12日まで)

さらに、1階のウインドウディスプレイは毎正時に鳴る時計塔の鐘の音と連動して、SEIKO HOUSE GINZAのシンボルカラーであるブルーでデザインされた巨大なレコードが回転する(8時から22時まで。最終日は19時まで)。

セイコーの前身・服部時計店は、1894年に銀座4丁目の角地に進出。建物の屋上には、創業者・服部金太郎の強い希望で時計塔が設置された。その後、関東大震災からの復興の象徴として、新社屋の二代目時計塔が1932年に完成。銀座のランドマークとして長らく親しまれてきた。ちなみに毎年6月10日は「時の記念日」に制定されている。

  • 1階のウインドウディスプレイも特別仕様に(6月19日まで)