6月2日、3Dバイオプリント技術で生体組織と臓器を提供する再生医療企業の米3DBio Therapeuticsは、耳の先天異常である小耳症の患者に対する、3Dプリンタで制作した耳の移植に成功したと発表した。
今回の移植のには、3DBio社の「AuriNovo」と呼ばれる手法が使用された。これは、患者の軟骨細胞を取り出して増殖させ、それを患者の正常な耳にあわせた形や大きさで、生体組織インプラントとして3Dプリントで出力するというもの。患者固有の細胞をもとにした生体組織インプラントとなるので、拒絶反応なども起きにくいという。
現在、米国では、毎年生まれてくる赤ちゃんのうち約1,500人が小耳症だという。実際に移植手術を行ったボニーラ博士は、「全国および世界中の何千人もの小耳症の子供たちを治療してきた医師として、私はこの技術が小耳症の患者とその家族にとって何を意味するのかということに刺激を受けています」と期待を述べている。現在はまだ臨床試験が続いている状況であり、いくつかの懸念も残っているそうだが、今回の移植成功の発表により、今後の進展に注目が集まっている。
ネット上では「いつかはクローン人間も?(゜o゜;」「再生医療の進歩に携わる方々の努力と実際に本人が手術を受けたという勇気に感謝を…」「未来に期待」などの声が寄せられた。