寝具メーカーの西川が、新たなスリープテック商品「Healthyon」(ヘルシオン)を6月中旬より発売します。「温熱治療」も「電位治療」もできる、敷き寝具タイプの製品です。
担当者は「頭痛、肩こり、便秘、不眠症など、慢性的な症状を緩和できます。働き盛りの若い人にも使ってもらえたら」とアピールします。価格はシングルサイズが22万円から。全国の百貨店や寝具専門店、西川公式オンラインショップなどで取り扱います。都内で6月9日に製品発表会が開催されました。
血行不良や肩こりなどを温熱・電位治療で改善
ヘルシオンは、家庭用医療機器の認証を得た商品。やさしく身体を温める温熱治療と、マイナス電位を身体に与える電位治療を交互に繰り返すことで、血行不良、頭痛、疲労、肩こり、胃腸の働き、慢性便秘、神経痛や筋肉痛、不眠症の8つの症状を緩和します。
上位モデルの「ヘルシオンDC」は、シングルサイズ(100✕200cm)が27万5,000円、セミダブルサイズ(120✕200cm)が33万円、70サイズ(70✕200cm)が24万2,000円。オプションとしてカバーシーツを、シングルサイズ6,600円、セミダブルサイズ7,700円、ダブルサイズ8,800円で販売します。
スタンダードモデルの「ヘルシオン」は、シングルサイズ(100✕195cm)が22万円、セミダブルサイズ(120✕195cm)が27万5,000円、70サイズ(70✕195cm)が19万8,000円。オプションとしてカバーシーツを、シングルサイズ6,600円、セミダブルサイズ7,700円、ダブルサイズ8,800円で販売します。
どちらもタッチパネルを備えたコントローラを搭載。電源のオン/オフ、治療モードの切り替え、温度調整などを直感的に操作できます。また「冬コース」、「春・秋コース」、「夏コース」の各ボタンを押せば、季節に応じて温熱・電位治療機能を使い分けられます。さらに、スマートフォン向けの専用アプリも用意されており、インストールすると無線LAN経由で遠隔操作できます。
温熱治療では、身体を温めることで血行を促進します。温泉に入ったときのようにポカポカと身体が温まることで、胃腸の働きも活発化するんだとか。このほか筋肉の疲れがとれ、コリがほぐれるとしています。
一方で、イメージが湧きにくいのが電位治療。ヘルシオンでは、-600Vのマイナス電位をかけることで布団の周りに電界を発生させて身体を治療するそうで、担当者は「皮膚の触覚や感覚受容器を刺激して、血液の循環を良くし、身体の調整機能に働きかけて治療します」と説明しています。
電気代は1日8時間の使用で約10円以下、1カ月では300円以下を想定(利用環境や治療モードにもよります)。また治療の効果については、使用から3カ月ほどで実感できるそう(個人差があります)。耐久年数は8年ほど。ヘルシオンシリーズは洗濯できず、干すこともできませんが、本体内蔵の乾燥機能が布団乾燥機のような役割を果たします。
テレワークや共働きで増える体調の悩み。「若い人にも使って欲しい」
発表会には西川 商品第2部の西村幸祐氏が登壇し、開発の背景について説明しました。
そもそも西川は、西川産業(東京都中央区)、西川リビング(大阪市中央区)、京都西川(京都市下京区)が2019年2月1日に経営統合した企業。これまで3社では独自の敷き寝具タイプの製品を40年間ほど展開し、累計で105万台を販売してきました。
こうした事情を踏まえ、西村氏は「3社の技術を結集して開発した新製品がヘルシオンです。従来製品で好評だった機能を継承し、17,000通のアンケートはがきから抽出した不満点も改善しています」とアピールします。具体的には、製品の軽量化、温かくなる面積の拡大、テクノロジーの搭載、という観点からブラッシュアップしたとのこと。
ターゲット層については「従来製品は50代以上の方の身体の不調を想定していましたが、ヘルシオンは若い人にまでターゲットを広げています」と説明。その理由として、最近は20代~30代といった若年層も身体の不調を感じているため、と話します。「コロナ禍によるテレワークの増加、共働き世代の増加によって、若い人の間にも体調に関する悩みが増えているようです」(西村氏)。
西川では、従来の販売チャネルに加えて、新たな販路も開拓していく構えです。販売目標については、今後1年間で1万5,000~2万台を販売していけたら、と話していました。