コンフリクトという言葉は、会議や商談などでよく使われます。ビジネスパーソンとして知っておきたい言葉のひとつですが、正確な意味がわからない人が多いのではないでしょうか。
本記事では、「コンフリクト」の意味や使い方を例文付きでくわしく解説。また、「コンフリクトマネジメント」についてや、コンフリクトを解決する方法などに関してもあわせて紹介します。
コンフリクトの意味とは
コンフリクトは、「意見の衝突」や「対立」を意味する言葉です。
個人の対立だけではなくグループや組織が対立して確執が生まれている状況を意味する言葉でもあり、ビジネスシーンにて使用される機会が増えてきています。
語源は英語「conflict」
カタカナ語のビジネス用語である「コンフリクト」は、「衝突」や「争い」などを意味する英単語「conflict」を語源としています。
「conflict」は名詞としても動詞としても使用できる単語で、思想の衝突や対立を表す時や、2つ以上のことが相容れない状態を示す時などに主に使用されます。
コンフリクトマネジメントとは
コンフリクトは意見の食い違いや衝突を意味するため、ネガティブに捉えられがちです。
しかし、近年では衝突を組織の改善のチャンスと捉える企業も多く、実際「コンフリクトマネジメント」と呼ばれる、対立を積極的に受け入れ問題解決する手法を取る企業が増えてきています。
ここからは、「コンフリクトマネジメント」のメリットや注意点などを解説します。
コンフリクトマネジメントのメリット
コンフリクトマネジメントの大きなメリットとして挙げられるのが、立場が違う相手への理解が深まるという点です。
対立をそのままにするのではなく、意見交換をして議論に発展させる機会が設けられるため、お互いの立場や役割を理解し、多角的な視点を持てるようになります。
また、社内の風通しが良くなるというのもコンフリクトマネジメントのメリットのひとつです。
これまで対立することを恐れていた人でも発言しやすい雰囲気が生まれるため、社員同士が意思疎通しやすくなったりグループ同士の確執が解消されたりするといった効果があります。
さらに、視点が異なる意見が多く交わされるようになることで、新しいアイデアが生まれるといった効果も期待できるでしょう。
コンフリクトマネジメントのデメリット
さまざまなメリットをもたらすコンフリクトマネジメントですが、正しい知識がないと逆効果になる可能性がある点には注意しなければなりません。
対立における適切なアプローチがされなかったり目的をきちんと理解できていなかったりすると、互いに不快感を覚えるだけとなりさらに対立が悪化してしまうこともあります。
効果的に活用するためにも、研修やトレーニングなどを通し理解を深めた上でコンフリクトマネジメントを用いるようにしましょう。
コンフリクトはなぜ起こる?
社内や組織間などで頻繁に起こりうるコンフリクトはどうして発生するのか、主な原因についてくわしく解説します。
運営上の意見が食い違うため
ビジネスシーンにおけるコンフリクトは、立場や役割の違いから経営方針や実行手段に関する意見が食い違うことで起こるとされています。
例えば、上司と部下であればコストやクオリティなどにおける優先順位が合わなかったり、本部と現場であれば利益とホスピタリティどちらに重きを置くかが異なっていたりすることなどが、コンフリクトの原因として挙げられます。
それぞれの役割や背景が全く異なるため、意見や目標が衝突してしまうのはある意味仕方のないことなのかもしれません。
認識の食い違いや感情の対立が起こるため
立場や役割の違い以外にも、コンフリクトは目標や方針に対する思考・価値観が違っていたり、対立が長期化したことで個人的な好き嫌いが生じたりすることからも起こるといわれています。
初めは立場や背景などが違うことから起こった対立であっても、長期化するうちに好き嫌いや考え方の不一致などの個人的な感情が原因となっていくことは少なくありません。
感情的な衝突はどんどん解決することが難しくなってしまうため、根深い対立となる前に早めに解決策を打ち出す必要があるでしょう。
コンフリクトを解決するポイント3つ
コンフリクトで議論や意見交換をした後は、必ず対立を解決させることが重要です。 そこでここからは、コンフリクトを解決する上での3つのポイントを紹介します。
早急に対応する
意見を交わすことで組織の活性化が期待できるコンフリクトですが、対立が長期化することは必ず避ける必要があります。
お互いの意見がぶつかりいつまでも相容れない状態が続いてしまうと、運営上の議論が次第に個人的な論争や口論などへと変わっていくでしょう。
感情的な衝突を避けるためにも、早い段階で対処することが必要です。
問題点を特定する
コンフリクトは問題点を正しく把握できていないと、対立している相手を責めることにつながってしまいます。
例えば、根本的な原因が社内システムの不備であるにも関わらず、「相手が悪い」とか「向こうの責任だ」などと決めつけてしまうと、問題を解決させることはできないでしょう。
まずは対立の原因が「誰」にあるのかではなく「何」にあるのかを探り、相手の人間性を尊重しながら冷静に問題点を特定することが大切です。
感情的にならない
コンフリクトは、冷静に対処する姿勢で臨まないとなかなか解決できません。
「絶対に自分が正しい」とか「私は悪くない」といった態度で話し合いに応じても、感情的にしか議論できなくなり事態が深刻になるだけです。
自分の主観で物事を判断したり冷静さを失った発言をしたりすることは避け、あくまでも落ち着いてコンフリクトを解決しようとする姿勢を忘れないようにしましょう。
コンフリクトの使い方と例文
ビジネスシーンでは、会議や商談などで相反する意見がぶつかり緊張状態にある時や、双方の考え方にズレがある時などに使う言葉である「コンフリクト」。
具体的な使用場面や適切なフレーズなどを把握するためにも、例文を確認しておきましょう。
<例文>
- 新しいプロジェクトに関するコンフリクトが起こったため、社内会議が一旦中断されることとなった。
- 複数の人間がいる場合、コンフリクトが生まれることはある程度仕方のないことだ。
- 取引先とのコンフリクトが生じる前に、何かしらの対応をしなければならない。
コンフリクトの意味を理解し適切に使おう
コンフリクトは「意見の衝突」や「対立」を意味する言葉で、語源は英語の「conflict」です。ビジネスシーンでは相反する意見がぶつかり緊張状態にある状態を指し、会議や商談などで頻繁に使われます。
ネガティブなイメージを持たれやすいコンフリクトですが、決してマイナスな面ばかりではありません。コンフリクトマネジメントをうまく用いれば社員同士で理解を深め合ったり風通しのいい社風を作り出せたりとポジティブに働くことにつながります。
コンフリクトの意味や、ビジネスシーンにおける役割・解決する上でのポイントなどをしっかりと理解し、適切に使用できるようになりましょう。