子どもの頃、毎年訪れていた田舎のおばあちゃんち。長〜い廊下の先にある古いトイレに行くのが怖くて、姉たちと「トイレは一緒に行く」協定を結んでいました。

あの頃、こんなランプがあったなら、夜中にだって一人でトイレに行けたかも……!?

歩くベッドサイドランプできた。これで夜中に起きちゃってトイレ行くときも怖くない
(@laniusより引用)

いや、逆に怖い! 心臓止まる!

こちらは、ツイ主のlaniusさん(@lanius)が自作した「歩くベッドサイドランプ」です。光るランプの下から生えた脚。まるで蜘蛛のような動きに驚いてしまいます。

この姿に細菌「バクテリオファージ」や、トイストーリーのシドのおもちゃ、アニメ「鬼滅の刃」の那田蜘蛛山などを連想する人が続出。

作品に対する意見については、分かれるところで……

これ好き!

・なにこれほしい
・めっちゃ可愛い
・へこへこ歩くのがかわいい
・イカすぅぅぅぅ!!!
・これは近未来的!
・きもいけどかわいい

怖いです!

・イヤ、どー見ても怖い
・ライトの方が怖いやん…
・怖すぎて漏れる
・夜中トイレに起きた時にコレいたら腰抜かす自信あるw
・いや、むしろ「ぎゃー!」とか叫んじゃいそう
・子供にげとるやんけwwww


みなさんの反応を見る限り、8割が「怖い」派でした(笑)。

作者のlaniusさんにインタビューしてみました。

ツイ主さんに聞いてみた

―― ユーモアあふれる作品ですが、こちらを作るきっかけ、また作る際に参考にしたものはあるのでしょうか?

ありがとうございます。「〇〇に似ている」「〇〇を思い出した」というコメントをたくさんいただいており、とても楽しく拝見しています。

実は参考にした既存ロボットは特にありません。

普段から生活の中で「本来動かないものが動くことによって便利になるシーンはないだろうか」と考えていまして、いくつかの案の中からベッドサイドランプに着目しました。

もともとは「心がある」と感じられるような人工物を作りたいと思ったことがスタートでした。最初は簡単なデジタル生物やペットロボットを作ったり遊んだりしていたのですが、毎回飽きて使わなくなってしまいました。

あるとき、これは人工物に愛着や「心がある」と感じないから使わないのではなく、使わないから心を感じるようにならないのではないかと思うようになりました。そこで飽きに関係なく、日常で使い続けられるような、生活の役に立つ人工物を作ろうと思ったのがきっかけです。

人の役に立つにあたり、もし普段わたしたちの身の回りにある動かないモノが動いたら、便利なだけでなく賑やかで楽しいだろうなあ、そんなものがあふれる家で暮らしたいなあ、などと考えまして、「動いて人の役に立つモノ」のプロトタイピングを始めました。

今回ベッドサイドランプに着目した理由は、ツイートでも表現していますが、もし普段動かないランプが動いたら、人が必要な場所に必要なだけの明かりを提供してくれるし、それだけでなく、暗い中を同伴して歩いてくれる頼もしいパートナーとして「安心感」に寄与できるのではないか、と思いついたからです。

形や脚については、機能や性能の面から必然性のある選択をした結果だと捉えています。例えば、脚は車輪と違って、段差や障害物を回避できるので狭くて散らかった部屋でもうまく使える点が優れています。あとは、やはり車輪などと違って生き物感があるので、愛着だったりその先にある「心」を感じやすいだろうと考えていまして、前述のとおり賑やかで楽しいモノを作るために必要な部品として選んでいます。

―― こちらを作る際に、こだわった部分や苦労した点があれば教えてください。

今回のランプ以外も含めたお話になりますが、こだわっている点としては、「動く家具・家電」として、もともと持っている形や機能を生かして、なるべく最小限の工夫で生活の役に立つシーンがイメージできるものを作ることです。

慣れない「ロボット」を新たに導入するのではなく、日常の中にすでにあるものが気を利かせてくれることで生活が豊かになる方が、使い続けるハードルが低いのではないかと考えています。

動かしたい家具や家電に目星をつけて、そこに接続できるような脚を設計・開発するのですが、形状や重量に制約があるので、いい素材を見つけるのには少し苦労します。また脚には大きな負荷がかかるので、途中で壊れてしまったり、思うように歩けなかったり、適した形になるまで試行錯誤しました。モーターの種類も含めて何度か大きく作り変えています。

―― お子さんたちの反応はどのようなものでしたか?

上の子は慣れてきたこともあり「かわいい」「楽しい」といって触れ合ってくれています。下の子は驚いて逃げてしまいます……。

―― 大きな反響がございますが、率直な感想をお聞かせください。

予想外に多くの方に反応いただいて驚いていますが、賛否含めていろいろなコメントをいただけるのが楽しいです。わたし自身が「こういうものが家にあったらいいのに」と考えて作ったものなので、「かわいい」「ほしい」などポジティブな感想に対しては「やっぱりそうだよね!」と嬉しく思います。


これまでにも、「歩くおもちゃ箱」などを作っては、家族や多くのTwitter民を驚かせてきたlaniusさん。次はどんな作品を生み出すのか、楽しみですね!