NTTドコモ モバイル社会研究所は6月9日、小学生/中学生のオンライン授業について行った調査の結果レポートを公開した。そのレポートによれば、小学生の5割、中学生の6割がオンライン授業を経験しているという。

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この調査レポートは、2021年に関東1都6県の小中学生とその保護者を対象に実施した調査から、オンライン授業の実施状況についての設問などをまとめたもの。

オンライン授業実施率は小学生で5割、中学生で6割超

小中学生がオンライン授業を受けているかどうかを調べたオンライン授業実施率は次のとおり。小学生で5割、中学生で6割超がオンライン授業を経験している。学年があがるほど実施率が高いという結果だ。

  • オンライン授業実施率

    小中学生のオンライン授業実施率

児童の78%が「先生への負担が増えた」と感じる

オンライン授業についての感想を聞いた設問では、良かったことよりも悪かったことのほうが多く挙がっている。

  • オンライン授業の感想(児童)

    オンライン授業の感想(児童)

悪かったこととして78%が「先生への負担が増えたと思う」と回答しており、逆に良かったこととしても「学校・先生からのサポートが十分と思う」(42%)、「先生はオンライン授業を十分にできている」(35%)が挙がっている。オンライン授業をスムーズに進めるために教員が努力したことが児童にも伝わっているようだ。「回線がうまくつながらなかったり、途中で動画がとまったりする」という回答は55%あり、スムーズに授業が進まない場面もあって苦労したであろうことがうかがえる。

また、49%が「学校に教科書やノートを置きっぱなしにでき、通学時の負担が減る」と負担が軽減されたと回答している一方で、逆に「タブレットやパソコンが重く、通学時の負担が増える」という回答も63%ある。このあたりは学校・家庭ごとの教材の扱いによるところも大きいか。「目が疲れたり、肩が凝ったりして、健康が悪化する」という回答は72%で、タブレットを利用することでの疲労を感じた児童は少なくなかったようだ。

「家にいても、学校で授業を受けているように勉強ができる」が42%で、約4割はオンライン授業そのものについても一定の評価をしている。「教室のように、周りに友達や周りの人がいないので、勉強に集中できる(35%)、「オンライン授業では学習の習熟度や理解度、成果がわかりやすくなる」(24%)と、オンライン授業ならではのメリットを指摘する声もあった。

保護者も教員の負担を理解

同様の質問を保護者に対しても行った。次の表が、児童と保護者のそれぞれの回答の比率と、その差。全体として児童と保護者の間にそれほどの違いはないが、いくつかの項目では意識の差があらわれている。

  • オンライン授業の感想(児童と保護者)

    オンライン授業の感想(児童と保護者)

「オンライン授業では学習の習熟度や理解度、成果がわかりやすくなる」については、児童では24.2%だったのに対して、保護者では20.2%。保護者には児童自身ほどの実感はなかったようだ。

「先生はオンライン授業を十分にできている」は保護者のほうが3.2ポイント高く、「先生への負担が増えたと思う」も保護者のほうが4.4ポイント高い。教員の負担は保護者も理解しており、その中で実施されたオンライン授業についても十分に評価していることがうかがえる。通学時の負担については、減る/増えるのいずれも保護者のほうが高い比率になっているが、前述のとおりこれは学校・家庭ごとの状況の違いが大きいだろう。

調査概要

  • 調査名:2021年親と子の調査
  • 調査方法:訪問留置調査
  • 調査対象:関東1都6県・小学生および中学生とその親
  • 有効回答数:500
  • サンプリング:QUOTA SAMPLING、性別・年齢(5歳刻み)・都道府県の人口分布に比例して割付
  • 調査時期:2021年11月