米Googleは6月8日（現地時間）、同社が提供するクラウドコンピューティングサービス「Google Cloud」を用いて、円周率を100兆桁まで算出したと明らかにした。2021年にグラウビュンデン応用科学大学が打ち立てた62兆8,000億桁の記録を大きく上回り、世界記録を更新している。

Googleは2019年にもGoogle Cloudを用いて円周率の算出桁数で世界記録を樹立（31兆4,000億桁）しており、世界記録の達成は今回で2回めとなる。マシンにはGCE（Google Compute Engine）の「n2-highmem-128（Intel Xeon、128 vCPU、864GBメモリ）」を用いており、外向きの100Gbpsネットワークと32ノード（合計64ディスク）のストレージを採用。Terraformでクラスタのセットアップや管理、作業の自動化・最適化を実施した。

  • 計算に用いた構成

計算は2021年10月14日から始まり、 2022 年3月21日に終了した。157日23時間31分7.651秒の時間が経過しており、用意していた663TBのストレージのうち515TBを使用。計算結果はBailey–Borwein–Plouffeという別のアルゴリズムを用いて検証し、100兆桁までの計算が全て正しいことを確認したという。

同社は発表に寄せて、「計算プログラムを実行する5カ月の間、仮想マシンの不具合はなく、82PBのデータを1ビットの誤りもなく正しく読み書きすることができたため、今回の結果はGoogle Cloudの信頼性の高さも示しています。過去3年間、Google Cloudが積み重ねてきたインフラストラクチャや製品の改良が、今回のプロジェクトを可能にしました」と述べている。

実際に計算で使われたスクリプトはGitHubで公開中。発表についてのブログ記事では、小数点以下100兆桁目に至る最後の100桁の数字についても知ることができる。