世代が変われば「常識」も変わります。自分が「当たり前」と思っていたことが若い世代に通じず、隔たりを感じてしまったことがある人も多いのではないでしょうか。あるいは、上の世代の人の言うことが理解できなかった経験がある人もいるでしょう。

今回、1ツイート内で完結する小説を執筆・投稿している方丈 海(@HOJO_Kai)さんの投稿が、8.7万件ものいいねを獲得(6月8日時点)。「ママはどうしてパパと結婚したの?」の質問からはじまった家族の会話が、意外な展開を見せています。

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「ママはどうしてパパと結婚したの?」
「私がレンタル屋でバイトしてた頃、パパは常連さんだったのよ。いつも借りたビデオは最初まで巻き戻してから返してくれた。それで、あぁ そういう気遣いが出来る人と結婚したいなぁ…って思ったの」
幸せそうに語るママに私は更に聞いた。
「巻き戻しって何?」(@HOJO_Kaiより引用)

この投稿に対し、リプライや引用リツイートでは「え…!! ブルーレイとかDVDとかのリモコンに『巻き戻し』ってボタン無いんでしたっけ……?」「この何気ない一言が、心をえぐる……」と、ジェネレーションギャップにショックを受ける人が続出。

「無知ですみません……ビデオの実物ってなんですか……? ビデオって動画のことだと思ってました」「俺(高校生)で理解できるけど今の中学生以下は通じないのか、、てか同級生でも通じない人いそう」など、若年層とみられるユーザーからのリアルな声もありました。

ジェネレーションギャップに衝撃を受けるオチが光るこの小説、いったいどのような経緯で生まれたのでしょうか。このツイートをした方丈 海さんにうかがいました。

「巻き戻しって何?」、投稿者に聞いてみた

――今回の小説を思いついたきっかけを教えてください。

最近、図書館でよく本を借りるのですが、返す時にふと、ビデオレンタル屋さんを思い出したのがきっかけでした。それに連なって「そういえば、今時の子は巻き戻しが通じないという記事を見たな……」と思い出し、この作品に至りました。

――方丈さんにとって「ビデオ」は馴染みのあるものでしょうか?

そうですね。実家では大量のVHSに囲まれて育ったこともあり、ビデオにも巻き戻しにも、違和感がありません。

ただ「ビデオ」という単語自体は、今でも「ビデオ通話」など色んな場面で使われているので、若い人にも違和感がないかもと思いました。同じ単語でも年代によって連想する媒体が異なるのは、少し面白いですね。

――今回の小説には多くの反響が寄せられましたね。

やはり、「巻き戻し」が通じないことにショックを受ける方が多いようで、親近感が湧きました(笑)。実際に「巻き戻し」がわからない方もいらっしゃったようで、多くの方がコメントで教えてあげてる光景にも、和ませていただきました!

あと、「巻き戻して返却するのは、普通では?」という突っ込みもあって、安心しました。書きながら私も「これ普通では……?」と思っていましたので(笑)。


ちなみに筆者は、中学生頃まではまだ普通にビデオを使っていた世代。「巻き戻し」になつかしさを覚えることはあっても違和感はありませんでしたが、平成末期以降の生まれであれば、「巻き戻し」を知らなくても不思議ではありません。この小説にどんな反応をするかによって、ある程度年代がわかってしまうというのは面白いものですね。