欧州で販売されるスマートフォンやタブレット、カメラやゲーム機などの充電端子をUSB Type-Cへ統一する法案について、欧州議会と欧州理事会は暫定的な合意に達した。2024年以降、対象の電子機器に有線の充電端子を搭載する場合はUSB-Cが必須となり、ノートPCも法律発効から40カ月後に対象となる。

欧州連合(EU)の欧州委員会が2021年9月に提出した法案では、USB-Cをスマートフォンやタブレット、カメラ、ヘッドホン、ポータブルスピーカー、携帯型ゲーム機に採用し、充電端子と急速充電技術を統一することを提案。共通化によってユーザーの利便性を高め、さらに新しい電子機器を購入するときに充電器なしで購入可能にすることで、電子廃棄物の削減にもつなげていく。

欧州議会と欧州理事会は、この法案について現地時間6月7日に暫定的な政治的合意に達したと発表。理事会と欧州議会による正式な承認を経て法律として成立する。新規則には移行期間があり、24カ月後の2024年には「ほとんどのデバイスに実装する必要がある」としている。

対象機器には、携帯電話(スマートフォン)やタブレットのほか、電子書籍リーダー、デジタルカメラ、ビデオゲーム機(ゲームコンソール)、ヘッドホン、イヤホン、ポータブルスピーカー、ワイヤレスマウスとキーボード、ポータブルナビゲーションシステムが含まれる。さらにノートPC(ラップトップ)についても、法律発効から40カ月後に新規則の対象となる。

新規則ではこのほか、新製品に充電器が付属するかどうかを示すピクトグラムと、充電性能が分かるラベルの表示も義務づける。充電器の要不要をユーザーが選べるようにし、電子廃棄物の削減にもつなげたい考え。

Appleの現行のiPhoneシリーズや一部のiPadなどは、独自のLightning端子を搭載している。今回の法律が成立すると大きな影響を受け、端子の変更を迫られることになる。

なお、EUは電子機器のワイヤレス充電技術についても、機器間で規格の調和がとれていないとして、今後、ワイヤレス充電の調和と技術開発に基づく相互運用性に取り組んでいく方針だ。