東京商工リサーチは6月7日、2022年3~5月の上場企業「コストアップによる業績影響」調査の結果を発表した。
理由別、最多は「原材料・資材価格高騰」
2022年3月1日~5月31日までの3カ月間に従来業績予想の修正や差異などを開示した上場企業のうち、様々なコストアップが業績を押し下げたと発表した企業は181社。引き下げられた営業損益のマイナス合計は1,794億3,300万円に上った。
コストアップの理由別にみると、最も多かったのは「原材料・資材価格高騰」で71.8%(130社)。次いで「資源・エネルギー価格上昇」が36.4%(66社)、「物流価格上昇」が20.4%(37社)、「為替相場変動」が13.2%(24社)となった。同調査では、「原油価格の高騰が、燃料代だけでなく原材料価格なにも幅広く広がり、1社で複数の理由を挙げるケースが多い」と分析している。
業種別では、製造業が67.4%(122社)で最多。「企業数が多いうえに原材料・資材価格、物流コストの高騰などがあらゆる製造現場に広がり、影響を受けた」という。以下、サービス業が9.9%(18社)、卸売業が9.3%(17社)と続いた。
年間売上高(連結決算)では、100億円以上500億円未満が最も多く41.9%(76社)。続いて100億円未満が20.9%(38社)、500億円以上1,000億円未満が17.1%(31社)となり、売上高500億円未満が62.9%(114社)を占めた。
上場区分別では、大手中心の東証プライム(73社)より、中堅や新興が多い東証スタンダード(97社)の方が多い結果に。同調査では、「経営基盤が強固な大手より、中堅・新興の企業ほど今回のコストアップの影響を強く受けているようだ」と推測している。