e-Bikeの人気が盛り上がるなか、街乗りならば小回りの利くミニベロも良さそう。さらに折りたたみできたら収納や輪行の可能性も広がって最高!

そんなニーズを全部満たすe-Bike、tern「Vektron(ヴェクトロン) S10」の試乗レビューをお届けします。

街乗り向きのミニベロに電動アシストを搭載

自転車通勤を検討している人、ミニベロはいかが? ミニベロとは車輪の小さな自転車のこと(おおむね20インチ以下のもの)で、小径車とも呼ばれています。もともと自転車レースのために開発されたロードバイクと比べると、乗る時のファッションもそれほど選びません。小回りも効いて、車体が低めなら乗り降りもラクラク。

そんなミニベロ、最近は電動アシストが付いたモデルも出ています。今回は、tern(ターン)が手掛ける電動ミニベロ「Vektron(ヴェクトロン) S10」を紹介します。しかもこのモデル、なんと折りたたみ機能付きなんですよ。

パワフルに走る「スポーツ自転車の進化系」

こちらがternの「Vektron S10」(2020年モデル)。注目して欲しいのは、スポーティーでおしゃれなデザイン。

電動アシスト付き自転車というと、チャイルドシートのついたいわゆるママチャリタイプなど、機能性に特化したものをイメージしがちですが、最近はしゃれたデザインの自転車も増えています。

小柄でかわいらしさも感じるデザインながら、タイヤはかなり太め。小径車ですが、路面をしっかりグリップし、安定した走行を実現してくれます。

ブレーキは、油圧ディスクブレーキを採用。少ない力でブレーキを効かせられ、雨の日などでもしっかり制動力が働く利点があります。手のひらにフィットする「エルゴグリップ」のハンドルも握りやすくていい感じ。ミニベロですが、がっつりと走れそうな仕様が揃います。

オプションでツーリング車や子乗せ車にも変身!

「Vektron S10」は拡張性の高さも特徴。さまざまなオプションを付け替えて、1台を家族でシェアする使い方も可能です。

  • チャイルドシートを付けて子乗せ仕様にすれば、お迎えやお出かけにも使えそう

後部リアラック(荷台)にチャイルドシートを付ければ子乗せスタイルに。チャイルドシートは、Thule社の「Yepp Nexxt Maxi」もしくは「Dash RM」が装着できます。

  • パニアバッグを付ければ、ツーリング仕様に

またパニアバッグを取り付ければツーリング仕様にも変身。通勤・通学だけでなく、休日のちょっとしたおでかけやサイクリングなど、用途に応じてオプションを付け替えることで活躍の幅がぐっと広がりそうです。

また特に注目したいポイントは、折りたたみができること。フレームを中央で2つに折って、ハンドルを倒すとかなりコンパクトになります。

車体の重さは19.8kg。いやー、これなら軽々持ち上がるね! という重さではないものの、タイヤをコロコロ転がしながら運べます。これは電車やクルマに持ち込んでの輪行も楽しそう。

ボッシュのドライブユニットが強力アシスト

そして、走行をパワフルにアシストするドライブユニットは、ドイツのボッシュ製「Active Line Plus」を採用。クルマやオートバイでいえばエンジンに当たる重要な部分です。

「Vektron S10」の電動アシストモードは、エコ、ツアー、スポーツ、ターボの4段階。オフを含めれば5段階から選べます。

都心でも、平坦な道、坂道、信号の多い繁華街など、地形はさまざま。障害物がない場所では、スポーツモードで走れば気分爽快。走りながら直感的に操作できるため、道路状況に合わせて何度もギアチェンジしながら走るのも楽しみの一つです。

しっかりアシスト&小回りが効いて楽しい!

電動アシストの実力を試すなら、なんといっても坂道。そこで、千代田区九段の周辺を走ってみることに。

東京メトロ東西線九段下駅の発車メロディーは爆風スランプの曲『大きな玉ねぎの下で』。「九段下の駅をおりて坂道を♪」とあるように、ここ九段は都内でも屈指の坂の多いところ。

交差点からすぐに上がる急坂を、編集部員Aが挑戦。アシストのモードは、少し強めの「スポーツ」を選択して、手動でギアを変えつつ上っていきます。乗った感想を聞くと「漕ぎ出しが軽く、少ない力でスイスイ進みます。ストレスなく上れて、自分の脚力がアップしたように感じます(笑)」とのこと。

では、平地はどうでしょうか? 今回は自転車通行が認められている歩道で走ってみました。

「タイヤが小さく小回りが利くので、思った通りに走れて気持ちいいですね。どのモードでも、ほぼ自分の力がいらないくらい軽いです」。

坂道はもちろん、平地もスイスイ走れる「tern Vektron S10」は街乗りにぴったり。ガチのスポーツ志向のロードバイクも良いですが、都心で働き休日は遊ぶアクティブなビジネスパーソンにはこんなミニベロが似合いそう。派手すぎないシックなカラーも江戸好みの渋さや粋を感じさせ、東京の街によく合っています。

(DATA)「tern Vektron S10」2022年モデル
価格:399,300円
※2022年モデルはリアラック・フェンダー・チェーンガードをセット販売
※今回のレビューで使用したモデルは2020年モデル。またベル、ペダルはオプションを使用