のし袋を人に渡すときには、表書きの名目、名前など手書きが必要な箇所があります。しかし、手書きで文字を書くのがあまり得意ではないという人もいるでしょう。特にのし袋は毛筆が基本とされているので、なおさら気が引けてしまいますよね。

この記事では、のし袋に手書きしたくない人向けに、印刷で対応する方法があるのかについて紹介していきます。印刷以外にも手書きをせずに済む方法を紹介しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。

  • のし袋の印刷について紹介していきます

    のし袋の印刷について紹介していきます

のし袋の印刷のやり方

早速、のし袋への印刷は可能なのか、どのような方法があるのかについて紹介します。

のし袋の印刷には宛名印刷ソフトやフリーソフトが便利

のし袋の印刷のやり方として、まず宛名印刷ソフトやフリーソフトを使う方法があります。

はがきや封筒への印刷に特化した有料の宛名印刷ソフトでは、のし袋用の表書きの名目や名前を入力するための機能がついていることがあります。もし、すでに何らかの宛名印刷ソフトを利用している人は、のし袋への対応が可能かチェックしてみましょう。

また、同様のフリーソフトもあります。「のし袋の印刷のためだけに、わざわざ有料のソフトを買うのは面倒」「もっと手軽に使えるソフトがいい」という人は、フリーソフトを探してみましょう。

ワードやエクセルなどの無料テンプレートもある

のし袋用のワードやエクセルのテンプレートも、無料のものを含めインターネット上に複数公開されています。ワードやエクセルであれば、使い慣れているという人も多いはず。テンプレートを使えば文字を入力するだけで簡単に、のし袋にきれいな文字を印刷できるでしょう。

  • 宛名印刷が可能なソフトなどを使うことによって、任意の文字を入力できます

    宛名印刷が可能なソフトなどを使うことによって、任意の文字を入力できます

のし袋の家庭用プリンターでの印刷方法

宛名印刷ソフトやテンプレートを活用して、表書きの名目や名前が入力できたら、家庭用プリンターで印刷してみましょう。

家庭用プリンターでのし袋本体に直接印刷する方法

家電量販店などで販売されている家庭用のプリンターでも、長形3号や長形4号などの封筒サイズ対応のプリンターは少なくありません。また、使用しているプリンターで印刷可能な封筒サイズ以外の印刷をする場合は、個別の設定でサイズ指定をしましょう。

しかし、のし袋の形状や厚みなどによっては、プリンターが詰まるなどトラブルにつながるおそれもあります。必ず事前にプリンターの説明書などを確認し、印刷可能なのし袋の種類を調べて、対応しているのし袋を購入するようにしましょう。

参考として、封筒タイプののし袋本体に、表書きなどを印刷する際の手順の一例を紹介します。

  1. 用紙の種類を選択する
    印刷設定で、封筒を印刷するための用紙設定をする
    (「封筒」や「普通紙」など、プリンターによって異なります)。
  2. 用紙サイズを設定する
    使用するのし袋のサイズに合ったサイズを選択します。あてはまるものがない場合は「ユーザー定義サイズ」などで、自分でサイズ設定を行います。
  3. のし袋をプリンターにセットする
    のし袋の上下や表裏をよく確認してください。セット可能枚数もプリンターによって異なるため、一度に複数印刷する際も事前に確認しておきましょう。心配な人は、同じサイズに切った紙などを使って、テスト印刷をしておくと安心です。

のし袋の下側から給紙するタイプのプリンターの場合、印刷時に「180度回転」の設定が必要になることもあります。使っているプリンターの設定や方法をよく確認して印刷しましょう。

家庭用プリンターでのし袋の短冊を印刷する方法

のし袋の中には、表の中央に短冊を使っているタイプもあるので、その場合は短冊のみを印刷してもいいでしょう。

和紙など好みの用紙を選んで印刷できる他、1回の印刷で複数枚作ることもできるので便利です。自宅のプリンターが封筒の印刷に対応していないという場合も、短冊が使われているタイプののし袋を選んで短冊のみを印刷すれば、手書きせずに済みますね。こちらも、宛名印刷ソフトやテンプレートなどを活用しましょう。

また短冊の印刷の場合も、プリンターが対応している用紙の種類などを、事前にしっかりと確認するようにしましょう。

なおその他にも、表書きの名目や名前を入力し、のし袋自体を印刷するという方法もあります。印刷したら、はさみやのりを使って組み立てる形です。こちらもインターネット上にテンプレートが公開されているので、探してみるといいかもしれません。

  • のし袋に直接印刷する方法や短冊を印刷する方法などがあります

    のし袋に直接印刷する方法や短冊を印刷する方法などがあります

自分で手書きしたくない場合のその他の対処法

「自宅にそもそもプリンターがない」「印刷の設定などが面倒くさそうで、他の方法も知りたい」といった人のために、その他の方法もご紹介します。

  • 代筆を依頼する
    身近な家族や友人に字のきれいな人がいれば、代筆をお願いしてみてはいかがでしょうか。もし、身近に頼める人がいないという場合でも、代筆の依頼を受けてくれる有料のサービスなどもあります。興味のある方は、利用を検討してみましょう。

  • のし袋用のスタンプを利用する
    のし袋用の名前スタンプも販売されています。ご自身の好みの書体を選べる商品もありますよ。よく使う名目のスタンプもあわせて購入してもいいでしょう。

  • お手本をなぞる
    さほど厚くない紙でのり付けされていないタイプののし袋、または短冊であれば、お手本として印刷した紙などを下に敷き、上からなぞるという方法もありますね。

  • 毛筆や手書きに自信がない人も、さまざまな対処法があります

    毛筆や手書きに自信がない人も、さまざまな対処法があります

のし袋の基本

最後に、のし袋のそもそもの説明をします。しっかりと基本を押さえたうえで、のし袋の印刷にトライしてみましょう。

のし袋の意味

のし袋とは、お金を入れて人に贈るための袋のことです。特に結婚式で使うものを「ご祝儀袋」、弔事で使うものを「不祝儀袋」「香典袋」ともいいます。

のし袋の「のし」とは、袋の表面の右側に書かれた飾りのことで、漢字では「熨斗」と書きます。伸ばした(のした)干しアワビを和紙で包んだものがモチーフとなっており、昔から縁起物として扱われてきました。 なお、弔事用などのしが描かれていないものについても、便宜上「のし袋」と呼ぶことがあります。

のし袋にはさまざまな種類がある

のし袋の種類はさまざまで、結婚式のご祝儀袋や弔事に使う香典袋の他にも、謝礼や寸志に使われるタイプなどがあります。

のし袋には「水引(みずひき)」と呼ばれる飾りヒモがついてることが一般的ですが、目的により水引の色や結び方などの組み合わせが異なります。水引によって、込められた意味が異なり適した使用シーンも違うため、注意しましょう。

慶事に使用されるのし袋の水引の色は赤白や金銀などです。弔事の場合には白黒や黄白、双銀などの水引が使われます。なお、1万円以下の金額を贈る時は、水引が印刷されたものを用います。

水引の結び方には主に3種類あり、結婚や弔事など二度はあってほしくないシーンには一度結ぶとほどけない「結び切り」が使われることが多いです。

結び切りの一種である「あわび結び」は、両端を引くとさらに固く結ばれることから、「末永い付き合い」という意味を持つとされます。こちらも結婚式の他、葬儀、謝礼や餞別、お見舞いなどにも用いられます。

一方「蝶結び」は何度も結び直せることから、何度あってもいいイベント、例えば出産や昇進、進学などに使われることが多いです。

前述の弔事に加え、お見舞い用には、表の右上にのしの飾りがないものを選ぶなどのマナーもあります。使う目的に合わせて、適したのし袋を選ぶようにしましょう。

※のし袋の基本についてもっと詳しく知りたい場合はこちらへ

のし袋の表書きの名目や名前は、印刷することも可能

のし袋は、家庭用のプリンターを使って文字を印刷することが可能です。のし袋に直接印刷する方法もあれば、短冊のみを印刷する方法もあります。フリーソフト、ワードやエクセルのテンプレートなどを使えば、簡単に作成・印刷ができるでしょう。

「手書きで文字を書くのは自信がない」という人でも、結婚式やお葬式などでは、のし袋の用意が欠かせません。この記事で紹介した方法を参考にしつつ、のし袋への印刷に挑戦してみてくださいね。