人生の中で大きな買い物をすることが、誰でも数回あります。中でも「住宅」は最も大きな買い物といってもいいでしょう。長い期間、毎日快適に過ごせるかどうかは大問題です。絶対に失敗はしたくないですね。
今回は、マイホームを検討している人に向けて、住宅のプロの立場から「こんな家は買わない方がいい・こんな家は建てない方がいい」と思う住宅の特徴をあげてもらいました。念入りに下調べをしていることと思いますが、情報量は多ければ多いほどいいもの。現在マイホーム購入を考えている人、将来はマイホームを持ちたい人、賃貸派の人にもぜひ、参考にしてほしいです。
※当アンケートはマイナビニュース会員登録情報にて、職種が「住宅関連(不動産や建築など)」の方を対象に配信しています。
Q. マイホームを検討している人に向けて、専門家の立場から「こんな家は買わない方がいい・こんな家は建てない方がいい」と思う住宅の特徴をあげられますか?
はい……52.8%
いいえ……47.2%
Q. 「こんな家は買わない方がいい・こんな家は建てない方がいい」と思う家の特徴について教えてください。(自由回答)
住環境・立地の問題
「立地。崩れる恐れがある場所。公道に面していない土地の家などは、やめておくべき。」(女性/43歳/東京都/建設・土木/事務・企画・経営関連)
「地盤の弱いところ。低地」(男性/61歳/千葉県 /インテリア・住宅関連/事務・企画・経営関連)
「崖やハザードマップで指摘が挙がっている場所、元が田んぼ、盛り土した場所などは、地盤が緩いため、建物が傾くリスクがあります。」(男性/45歳/東京都/不動産/専門職関連)
昨今は雨の多い季節でなくても、体験したことのないような集中豪雨があります。その度に、避難しなくてはいけないリスクのある場所はできるだけ避けたいものです。いつ起こるかもしれない地震も心配です。
建物の使い勝手・住みやすさ
「リフォームを考えないで設備や部屋割りを想定したような家。」(男性/63歳/愛知県/建設・土木/営業関連)
「家の中の動線が整っていない。」(男性/30歳/ 埼玉県/不動産/その他)
「四角くない家。平面的に三角や円を使っている家。断熱の悪い家。遮音性の悪い家。」(男性/59歳/愛知県/建設・土木/建築・土木関連技術職)
家族構成によっても間取りなどは違ってきますが、やはり、家族にとって使いやすい家、使いずらい家はあるようです。将来、家族構成が変わることも考慮しておくべきかもしれません。また、こだわりが強すぎて、特注製品が多い家は、維持管理に苦労するのでお勧めしないという意見もありました。
住環境・地域の問題
「隣の家との距離が狭い。」(男性/37歳/愛媛県/建設・土木/技能工・運輸・設備関連)
「近隣の家が近すぎる。川の近く。スーパーにあまりにも近い。」(女性/36歳/群馬県/建設・土木/事務・企画・経営関連)
「隣近所の治安を調べてからにした方が良いと思います。」(男性/44歳/福岡県/建設・土木/建築・土木関連技術職)
隣にどんな人が住んでいるか知らない……。マンションやアパートではあるあるかもしれませんが、簡単に引っ越せない分譲マンション・一戸建てとなるとそうも言っていられないでしょう。隣人トラブルが起こらないようにするには、何気なく自治会のことなど聞くふりして、隣人チェックするべきという意見も。
こんな業者には注意!
「契約を急かす」(男性/61歳/千葉県/不動産/営業関連)
「施工実績のない『少ない』メーカー」(男性/49歳/ 東京都/建設・土木/事務・企画・経営関連)
「できれば建売は購入しないほうが無難な選択だと思う。もし購入するのであれば工事中の施工写真の提出を望まなければならないと思う。」(男性/60歳/神奈川県/建設・土木/建築・土木関連技術職)
「木造在来工法についてですと、施主に構造設計図と耐力壁の図面を、このご時世でしっかりと説明できない、端折る工務店は駄目ですね。」(女性/51歳/長野県/設計/建築・土木関連技術職)
意外だったのは、建売物件が不評だったことです。また、安価でも、曰く付きの物件は、家を建てるために複雑な手続きや工事が必要になり、後々厄介だとか。
そのほかこんな意見も……
「交通の便が悪い。隣家との距離が狭い。近くの川や沼があり水害のおそれがある。工事業者が信用できない。景観や周囲の環境が悪い。住宅以外の店舗や工場、飲み屋街がある。」(男性/56歳/ 宮城県/建設・土木/販売・サービス関連)
「1)隣人に変な人がいる場所 2)公共の交通機関が不便な場所 3)基幹道路に面した場所 4)収納に工夫がない家」(男性/61歳/三重県/建設・土木/建築・土木関連技術職)
「屋根の構造が入り角構造が多くみうけられる家は雨漏りの可能性が将来あるので、極力やめたほうがいい。」(男性/65歳/愛知県/建設・土木/建築・土木関連技術職)
隣の家との距離が近いことに注意したい理由には、音の問題だけでなく、将来外壁を修繕したいときに足場が組めなくなるという注意もありました。
まとめ
ここに挙げたのはあくまでも、住宅関連職に就く方々がアンケート調査で答えてくださった個人的な見解です。しかし、住環境や立地、間取り、業者・メーカーなどが、住宅購入にあたって重視しておきたいポイントであることは確か。住宅購入を検討している方は是非参考にしてみてください。
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調査時期: 2022年5月26日〜29日
調査対象: マイナビニュース会員のうち、不動産、建築・土木、インテリア・住宅関連、建設コンサルタント、設計の職に就いている方
調査数: 250名
調査方法: インターネットログイン式アンケート
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