通知は届くけれど、WEBページを表示しようとすると延々読み込み状態が続く、ストリーミングアプリを起動できない、オンラインゲームが始まらない...可能性はいくつか考えられますが、原因は「iCloudプライベートリレー」かもしれません。

iCloudプライベートリレーは、通信内容の暗号化をおもな目的としたiCloud+のサブスクリプション(有料プラン契約時)に含まれるセキュリティ機能です。この機能を有効にすると、外部からそのiPhoneのIPアドレスを確認できなくなるため、行動内容や現在位置が漏えいする可能性は低くなります。

2022年5月現在、iCloudプライベートリレーはベータ版という位置付けですが、iCloud+ユーザの相当な割合が利用しているようです。しかしベータ版であり、不具合が潜んでいる可能性は否定できません。iCloudプライベートリレーを有効化したあとは、トラフィック(通信内容)が複数のサーバを経由するようになり、しかもそのサーバはパートナー企業のものも含まれます。経路のどこかで問題が生じれば、うまく通信できなくなる可能性があるのです。

実際、iCloudプライベートリレーが原因と推測される通信トラブルに遭遇したことがあります。そのときはニュースアプリやLINEなどの通知は届くものの、アプリを起動してもコンテンツを表示できない、WEBページも表示できなければメールも届かない、という状況に陥りました。Wi-Fiをオフにしてインターネットへの接続をモバイル回線だけにしても状況は変わらず、試しにiCloudプライベートリレーをオフにしたところ、何事もなかったかのようにインターネットからのデータが受信できるようになったのです。

公式発表がないため、トラブルの原因を突き止めることはできませんが、iCloudプライベートリレーがベータ版の間は「ひょっとして?」という思い浮かべるスタンスのほうがよさそうです。

  • iCloudプライベートリレーがベータ版の間は、ひょっとして何か起こるかもしれません