高校生の就職を支援するジョブドラフトの運営と企業の高卒採用支援を行うジンジブが、2022年卒の高卒採用活動の振り返りと、2023 年卒の採用募集人員の増減や入社後のフォローに関する調査報告を公開した。調査は4月13日~4月22日、企業の新卒採用担当者を対象にインターネットにて行われた。有効回答数は540人。

高校生の就職活動は一人一社ずつの応募や短期間での応募先確定など、学校を介して行われる「学校斡旋」が一般的。高い内定率やきめ細やかな進路指導がある一方で、求人情報解禁から応募まで約2ヶ月という短期間で応募企業を決めなければならない点や、就職活動前のキャリア形成の期間も十分になく、自己分析や企業情報の収集が不十分なことで、就活時のミスマッチや、入社後の社会の接続でのギャップが大きいなどが要因の「入社後の早期離職」が課題視されているという。

  • ジンジブ「2022年卒の高卒採用活動の振り返り、2023年卒の採用募集人員の増減や入社後のフォローに関する実態調査」

「1年以上高卒採用を行っている」と回答した採用担当者に、2023年卒の求人募集人数の増減について質問したところ、「増やす(35%)」「変わらない(49.3%)」と、8割以上の企業が積極的に高卒採用活動を行うことが分かった。昨年の同時期に行った調査と比較すると、「増やす」が18%増、「変わらない」が8.4%増と採用意欲が高まっているそう。業界別では特に運輸業、製造業、建設業での採用募集人数の増加がみられた。

また昨年と比較し求人募集人数を「増やす」理由として、「若手人材の採用に力を入れるため(70%)」「業績向上における事業拡大のため(50%)」「高卒人材が自社に合っていると感じたため(49%)と続き、約半数の企業が、若手人材の中でも高卒人材に魅力を感じて求人募集人数を増やしていることが見受けられる。

さらに高卒人材が自社に定着するためにどんな課題があるかという質問では、「配属後のOJT・OFFJT(38.1%)」「高校生と接点を取る機会が少なく採用時のミスマッチが起きている(33.9%)」「入社後の社会人としてのマインドセットが足りない(32.5%)」など、採用担当者が入社後の育成やフォローへの課題と、採用時のミスマッチの両方に課題を感じていることがわかる。

なお、高卒人材に対するイメージについては「魅力的に感じている(25.2%)、「どちらかと言えば魅力的に感じている(34.1%)」と、約6割の採用担当者が肯定的に捉えていた。