名刺交換では、訪問した人から訪問先へなど、立場が下の人から立場が上の人へ手渡すのが基本です。

しかし、逆になる状況もよくあることで、名刺交換に慣れていない人はどう対応すればいいか戸惑ってしまうこともあるでしょう。いざ名刺交換しようとして対応に困らないよう、相手から名刺を先に出された場合の対応方法を知っておきたいですよね。

この記事では、名刺交換で先に出された場合の対応をご紹介します。取引先などと名刺交換する機会があるなら役立つ内容ですので、ぜひご一読ください。

  • まずは名刺交換の基本手順をおさらい

    名刺交換で相手から先に出された場合の対処法を解説する記事です

まずは名刺交換の基本手順をおさらい

名刺交換の先か後かを考える前に、まずは名刺交換の基本手順を押さえておく必要があります。ここでは、名刺交換の基本となる手順を見ていきましょう。

相手の正面に移動

名刺交換は立って行うのが基本です。応接室に通されるなど相手とテーブルを挟んでいる場合でもテーブル越しには名刺交換を行わず、テーブルを挟まない位置へ移動します。机の横に移動し、相手の正面で名刺交換を行いましょう。

ただし部屋が狭く移動しても名刺交換するスペースがない場合などは例外的に、テーブル越しに名刺交換を行うこともあります。その際は「テーブルの上から失礼します」など、一言添えるといいでしょう。

立場が下の人から名刺を差し出す

名刺交換では基本的に、立場が下の人から立場が上の人へ向けて名刺を差し出します。立場が下の人から相手に近づいて両手で名刺を持ち、「A社の〇〇と申します」と名乗りながら、名刺を差し出しましょう。

訪問者の場合も、立場が下の人に含まれます。

役職が上の人から渡していく

1対1の名刺交換では順番に迷う必要はあまりありませんが、ビジネスでは複数人で名刺交換を行うこともよくあります。その際は、相手の役職の高い人から順番に名刺を渡して、交換していきましょう。

自社のメンバーが複数いる時は下記のように、上司が名刺交換した後に担当者が名刺交換します。

1.自社の上司から相手の上司へ
2.自社の上司から相手の担当者へ
3.自社の担当者から相手の上司へ
4.自社の担当者から相手の担当者へ

名刺交換の順番における基本的な考え方として、押さえておきましょう。

名刺の受け取り方

名刺を差し出した後は、相手の名刺を受け取ります。その際、両手で受け取る点に注意してください。名刺を持つ際、相手の会社のロゴや名前などを押さえないよう気をつけ、余白を持つようにしましょう。

もし相手の名刺を見て読み方がわからなければ、その場で確認してください。

名刺を同時交換する方法

名刺交換では、名刺を同時に交換することもよくあります。その際、下記のような手順となりますので押さえておきましょう。

1. 訪問者側から会社名と名前を名乗る
2. 双方が名刺を相手が読める向きにして右手で差し出し、相手の左手にある名刺入れの上へ置く
3. 右手を受け取った名刺に添えて両手で持つ
4. 受け取った名刺を胸の高さに置き、読み方などを確認する

名刺交換の基本的な方法として、覚えておきましょう。

  • まずは名刺交換の基本手順をおさらい

    名刺交換の基本的な手順を紹介しました

名刺交換で相手から先に出された場合の対応

自分が訪問者あるいは立場が下にあたる場合であっても、相手から先に名刺を差し出されることもあります。いざという時に慌てないために、ここでは、名刺交換で相手に名刺を先に出された場合の対処法を見ていきましょう。

まずは名刺を受け取る

名刺交換で相手から先に名刺を差し出された場合でも、慌てずに対応しましょう。まずは「頂戴いたします」と一言添えて、出された名刺を両手で受け取ってください。

相手を待たせないよう、すぐに受け取りましょう。

一言添える

ビジネスマナーとしては、名刺を出すのが遅れても問題ありません。ただし、立場が上の人から先に名刺を出された時には、「恐縮でございます」などと一言添えて受け取ると丁寧です。

自分が名刺を出す際には、「申し遅れましたが」と一言添えてから会社名や名前を名乗るといいでしょう。

相手の名刺より低い位置から差し出す

受け取った名刺は、相手の分身と同じだと意識して扱いましょう。名刺交換で先に名刺を出された時には、相手から出された位置よりも低い位置から差し出すと謙虚で丁寧な印象を与えられます。立場が上の人から名刺を受け取る場合には、特に注意してください。

名刺の向きに注意

名刺交換で立場が上の人から名刺を先に出されたら慌ててしまうかもしれませんが、基本マナーに気をつけながら、落ち着いて渡しましょう。特に間違いがちなのが名刺の向きです。相手が読みやすい方向へ向けて、両手で名刺を持って差し出してください。

  • 名刺交換で相手から先に出された場合の対応

    名刺交換で相手から先に出されても受け取ってから落ち着いて差し出しましょう

名刺交換時に避けるべき注意点

名刺交換はビジネスにおける基本マナーです。そのため、相手に対して失礼にならないよう、注意すべきポイントは多いです。

特に名刺交換で先に出された場合は、焦ったり慌てたりしながら受け取ると失礼な言動をしてしまう可能性がありますので、落ち着いた対応を心がけましょう。

ここでは、名刺交換時に避けるべき注意点をご紹介します。

名刺を忘れない

名刺交換において最も避けるべきなのが、名刺を忘れたり、不足させたりしてしまうということです。名刺交換を行う予定があるなら、あらかじめ必要な枚数より多めに名刺を準備しておき、渡せるようにしておきましょう。

忘れてしまったり不足させてしまったりした場合は、帰社後にお詫びの言葉を添えて名刺の郵送を早急に行いましょう。

相手の顔を見ない

名刺交換では会社名と名前を名乗りながら、名刺を渡すのが基本マナーです。下を向いたまま名刺交換するのは失礼ですので避けましょう。

すぐにしまわない

受け取った名刺をすぐにしまうのはNGです。商談や打ち合わせが続いているうちは名刺入れに乗せてテーブルの上に置いておきましょう。

話が終わって相手が名刺をしまうタイミングで、自分も名刺をしまいましょう。その際「失礼いたします」と添えてからしまうと、より丁寧な印象を与えられます。

テーブル越しに渡さない

会議室などに通された場合、相手の正面に着席することが多いです。そのままテーブル越しに名刺交換をすればスムーズかもしれませんが、ビジネスマナーとしてはNGですので注意してください。

会議室が狭い場合などの例外を除き、相手の横に移動して、正面から名刺を両手で持って差し出しましょう。

ポケットや財布から出さない

名刺交換で渡す名刺は、きれいな状態であることが求められます。汚れや折れなどがある状態の名刺や、不潔な印象を与える名刺を渡すのはNGです。

予備の名刺をポケットや財布に入れておいた場合も、あらかじめ名刺入れに移しておきましょう。

また、名刺入れを入れる位置にも注意が必要です。ズボンの後ろポケットなど名刺入れごと変形しやすい場所に入れるのは避けてください。

  • 名刺交換時に避けるべき注意点

    できるだけいい印象を与えられるよう名刺交換時に注意すべき点を紹介しました

名刺交換で相手から名刺を先に出された場合も落ち着いて対応しましょう

名刺交換では、立場が下の人から立場が上の人へ先に名刺を差し出すのが基本です。

ただし相手から先に名刺を差し出された場合も、慌てずに両手で受け取りましょう。その後「申し遅れましたが」など一言を添えてから自分の名刺を渡してください。

名刺を後から渡す場合、相手の名刺より低い位置から差し出すことや、相手が読みやすい向きで差し出すなど、細かい点に注意しながら渡しましょう。

名刺を渡すのが後になってしまっても、ビジネスマナーとしては問題ありません。慌てることなく丁寧な対応を心がけながら名刺を受け取って、「申し遅れましたが」と一言添えて渡すようにしましょう。