格安スマホ・格安SIMの「mineo」を展開するオプテージが、スマートホームIoTの取り組みを本格化します。同社はリンクジャパンと資本業務提携を結び、スマートホームIoT事業を全国展開していく方針を明らかに。mineo渋谷(東京都渋谷区)に開設された、最先端のスマートホームIoTを体験できるショールームを見てきました。

  • オプテージ×リンクジャパンによるスマートホームIoT事業がスタート。写真は、オプテージ執行役員の土岐尚氏(左)、リンクジャパンCEOの河千泰進一氏(右)

スマートホームIoTでできること

オプテージとリンクジャパンが提案するのは、利用者のスマートフォンやタブレットにインストールしたワンアプリによって、戸建て住宅やマンション各戸(専有部分)の家電から共用部の設備にいたるまで、一括で操作・管理できるソリューション「Home Link」です。

  • 「Home Link」では、すべての機能をワンアプリで操作できるように

通信インフラを保有するオプテージと、スマートホームIoTのプラットフォーマーであるリンクジャパンは、Home Linkの取り組みを通じて、ハウスメーカーやディベロッパーといった顧客に対して、提案、見積もり、発注、工事、保守までワンストップでサービスを提供していくとします。

担当者は「戸建てにもマンションにも導入いただけます。施工が簡単なので、新築物件だけでなく、既存の物件でもお使いいただけます」と説明します。例えば、賃貸マンションのオートロックを改修するとき新たにHome Linkを導入してもらう――といったケースもよくあるんだとか。

渋谷のショールームは、物件の管理会社、施工業者、設備関係者などの内覧を想定。部屋には50台以上のホームIoTデバイスを用意しました。エアコン、テレビ、照明はもちろん、カーテンやベッドも、そしてエントランスの扉や宅配ボックスまで、システムと連携しています。日常のあらゆるシーンが便利になるHome Link、実力の一端を垣間見ました。

  • 渋谷ショールームの様子

一例として、アイリスオーヤマのカメラ付きスマート冷蔵庫と連携すると、外出先からも冷蔵庫の中身が確認できるように。これは冷蔵庫内のカメラが撮影した画像をアプリでチェックできる仕掛けです。

  • アイリスオーヤマのスマート冷蔵庫と連携。買い物中に「あれ? 玉子はあと何個残ってたっけ……」と確認したいときって、ありますよね

パラマウントベッドの「Active Sleep BED」と連携すれば、朝、身体を起こしたときに照明がつき、カーテンが開き、エアコンが動き始める――といった設定も登録できます。

  • Active Sleep BEDとの連携イメージ

そしてマンション共用部のシステムとも連携できるのが強み。美和ロックのスマートキーとの連携では、エントランスの解錠、共用ラウンジの予約なども行えるようになります。

  • エントランスの開閉を操作

このように、業種業態の壁を超えたIoT製品がそろいました。それぞれの機器に最適な方法(有線、赤外線、Wi-Fi、Bluetooth、ZigBeeなど)で連携します。担当者は「各メーカーの方々にも内覧に来ていただいておりますが、皆さんに『ここまで色んな製品を体感できるショールームはこれまでにない』と評判です」と胸を張ります。

  • こちらはケーブルレスのスマートリモコンeRemote Pro。利用者増につながらず悩んでいた各メーカーも、Home Linkに参加することで「利用が広がる」と期待を寄せます

  • スマートホームIoTは年齢を問わず、あらゆる層からニーズが高いそうです。スマートスピーカーに話しかけずに済むアナログボタンは、高齢者に喜ばれているんだとか

このほか、賃貸物件では「セルフ内覧サービス」も展開します。例えば、予約システムと連携することで人的コストを削減、スマートロックで遠隔施錠・解錠して鍵の管理を簡略化します。場合によっては、内覧者が手持ちのスマートフォンに届いたワンタイムパスワードで施錠・解錠することで、不動産会社や管理会社の立ち会いが不要になるケースも。

夏の暑い日など、内覧者の到着前に管理会社がエアコンを動かしておけば、部屋の印象が良くなるかもしれません。セルフ内覧サービスは7月に物件テストを開始し、8月にサービスインする見込みです。

関西エリアではインターネット光回線サービス「eo光」と一緒にHome Linkを展開するオプテージですが、関西以外のエリアではプロバイダにこだわらず展開していく方針。先の担当者は「今後も提携パートナーを増やし、消費者の暮らしをスマートホームIoTで便利にしていきます」と語りました。