ハイセンスジャパンは、同社の2022年の薄型テレビ新製品・新CM発表会を6月2日に開催。ミニLEDと量子ドット搭載の4Kフラッグシップ「U9H」シリーズと、4K液晶の「U7H」シリーズを発表しました。会場には新CMに出演する俳優・綾野剛さんが登場し、新CM「見えないものまで映し出す」編が披露されました。

  • ハイセンスが新製品・新CM発表会を開催

  • 4Kフラッグシップ液晶テレビU9Hシリーズ、4K液晶U7Hシリーズを発表

  • 俳優の綾野剛さんが登場

ミニLED×量子ドットで画質高めた「U9H」、豊富なサイズの「U7H」

既報の通り、ハイセンスU9Hシリーズは、75/65V型の2サイズで展開する4K液晶テレビです。同社は今回、新製品の有機ELテレビを発表していないため、名実共にU9Hシリーズが4Kフラッグシップになります。明るく高コントラストなミニLEDバックライト、そして色純度と広色域で有利な量子ドット技術と、4K液晶テレビとして最高峰の技術を結集しています。

U7Hシリーズは85/75/65/55/50/43V型の幅広いサイズラインナップで、直下型LEDを搭載。両シリーズとも液晶パネルは120Hz倍速対応で、視野角の広いADSパネルを採用しています(U7Hシリーズの85/65/50/43V型はVAパネル)。

【お詫びと訂正】初出時、U9H/U7HシリーズのどちらもADSパネル採用としていましたが、U7HシリーズでADSパネルを採用しているのは75/55V型の2機種で、85/65/50/43V型はVAパネルでした。お詫びして訂正します(6月3日 8:20)
  • 4KフラッグシップモデルのU9Hシリーズは75/65V型の2サイズ

  • U7Hシリーズは85/75/65/55/50/43V型を展開。会場では3サイズを展示

U9Hシリーズで搭載しているミニLEDバックライトは、2021年から各社で導入が始まったもので、従来のLEDバックライトより明るく、細かなエリアも制御可能。ハイセンスはピーク輝度を自社比で1.5倍とアピールしています。バックライトの分割数は正確には非公表ですが、数百以上はあるとのことです。

さらに、バックライト制御技術には「ローカルディミング Pro」と名付けた、ミニLEDに適合した緻密なエリア制御技術を導入。引き締まった黒と、従来以上の明るさのメリハリが効いた画質を実現するとしています。

  • ミニLEDによる高輝度でかつ高コントラストを実現。ADSパネルで視野角も広い

U9Hシリーズのもうひとつの特徴は、量子ドット技術の採用です。以前から一部メーカーで採用されていた量子ドットは、光波長変換によって色を作り出します。U9Hシリーズでは、バックライトの青い光から赤緑青の三原色に直接変換、高輝度のまま高純度の色再現を可能にしました。これにより、U9Hシリーズは映画制作で用いられる色域であるDCI-P3カバー率約97%となっています。

このように、4K液晶テレビを構成する高画質技術の最上位の仕様を集めたモデルがU9Hシリーズなのです。

  • 色純度も高く明るくクッキリした映像が特徴

TVS REGZAと共同開発の「NEOエンジンPro」全機種で搭載

薄型テレビの画質を語る上では、高画質エンジンも重要です。U9H/U7Hシリーズでは、新エンジンとなる「NEOエンジンPro」を搭載。気になるのはハイセンス傘下のTVS REGZA(レグザ)との関係ですが、「NEOエンジンPro」でも協力を継続しています。

  • TVS REGZAと共同開発した「NEOエンジンPro」を搭載

「NEOエンジンPro」は1チップ構成で、レグザの2021/2022年モデルに搭載されているものと同一のチップです。U9H、U7Hシリーズではシステムソフトウェアも先日発表されたレグザの2022年モデルと同じく一新されていて、発売ではハイセンスが先行する形となります。

  • 発表会では「日本基準 品質」の開発体制と、「世界基準 量産」という生産体制が紹介された

  • ハイセンスの国内シェアは現在10%で、目標は12%。世界シェアは4位

「NEOエンジンPro」には、AIネット映像高画質処理、新技術となるAI放送映像高画質処理、AIオート画質調整、新・美肌リアリティの機能を搭載。以前、レグザの画質を担当していたエンジニアも現在ハイセンスジャパンに在籍しており、人的な意味でも近い関係を継続しています。

  • 地デジ放送、ネット動画、AIオート、美肌それぞれに高画質技術を投入

U9Hシリーズのサウンド面では、「2.1.2立体音場スピーカーシステム」の搭載も特徴です。実力最大出力は合計70Wで、メインスピーカー2基に加えて、サブウーファー1基、そして画面上部に立体音場用イネーブルドスピーカーを2基搭載という意味です。立体音響のDolby Atmosもサポート。イネーブルドスピーカー搭載の多チャンネル構成は日系メーカーの上位機でも多く、国内外のトレンドにも追従しています。

  • U9Hシリーズのフロントスピーカー。背面にはサブウーファーも搭載

  • 本体上部にはイネーブルドスピーカーを備える

VIDAAプラットフォームを搭載。リモコンには9つのダイレクトボタン

U9Hシリーズは動画プラットフォームVIDAAを搭載し、多彩な動画配信サービス対応も特徴としています。Netflix、YouTube、Disney+、Amazonプライムビデオ、AbemaTV、Hulu、dTV、U-Next、DMM.com、スカパー!オンデマンド、Paravi、RakutenTVに対応。さらにリモコンには9サービスへのダイレクトボタンを搭載しています。なお、このリモコンはBluetoothリモコンで、細菌の増殖を抑える抗菌仕様(SIAAマーク取得)です。

  • リモコンのダイレクトボタンは9サービスに拡大

U9Hシリーズでは、音声操作機能「VIDAA VOICE」にも新たに対応しました。VIDAAとはハイセンスがグローバルで展開しているスマートTV機能の名称ですが、日本で販売されているハイセンス製のテレビは先に触れた通りTVS REGZAと共同開発した独自プラットフォームのため、ブランド名を統一しつつも中身は別モノ。音声操作機能の「VIDAA VOICE」は、ハイセンスのグローバル機から移植する形で搭載されました。音声認識エンジンはGoogleが公開している技術がベースで、日本語にも対応しています。

さらにゲーミング向けには、HDMI 2.1規格のVRR/ALLMに対応。FreeSync認証にも対応しています。ゲームモードProの機能により、4K/120p入力に対して遅延時間約0.83msという低遅延仕様です。

このほか、U9HシリーズはBluetoothにも対応していて、テレビ音声をワイヤレスヘッドホンなどに送信する機能もあります。また、スマホとのスクリーンシェアとして、Android向けにはMiracast、iOSにはAiPlay2(アップデート対応)を提供。こうした接続性はグローバルブランドらしい取り組みです。

新CMの綾野剛さん「驚くところが沢山」

新製品・新CM発表会に参加した報道陣がいっせいにカメラを向けていたのは、やはり新CMに出演する俳優・綾野剛さんの登場でした。

  • ハイセンス テレビ製品の新CMにも出演する、俳優の綾野剛さん

発表会の会場で、完成した新CMをハイセンスU9Hシリーズで初めて見た綾野剛さんは、「僕も色々と見させていただいて、驚くところが沢山ありました。撮影現場でこれまで”色”、”解像度”の一言でとどまっていたところが、きちんとした黒、赤というように、“色彩”はもっといけるんだなと」と語り、やはり新モデルの色彩に感動したそうです。

  • 自身が出演する新CMのメイキング風景を前に、撮影現場の体験談を語る綾野剛さん(中央)

ハイセンスがFIFAワールドカップカタール2022公式スポンサーになっていることもあり、スポーツ観戦についても話題に挙がると、「僕はもともとスポーツを見るのが大好きなので、本当に嬉しいですね。スポーツ中継って状況や事象だけでなく、カメラが捉えるレンジが広がって、選手の感情や表情まで伝わってきますよね」とコメント。

  • ステージ上でW杯の試合映像を視聴する一幕も

ステージ上で実際に綾野剛さんがハイセンスU9HシリーズでFIFAワールドカップの映像を鑑賞した後のコメントでは、「本当にスゴイですね。鮮やかなのにチカチカもしていないじゃないですか。これはもう感動ですね」と、U9Hシリーズの画質を的確に伝えていました。

なお、発表会ではハイセンスの新製品、綾野剛さん共にメディアからの質疑応答に答える時間は設けられず、フォトセッション後そのまま幕を閉じました。