JR東海は、東海道新幹線の降雨運転規制に関して、線路から離れた場所を発生源とする土石流に備えるため、土砂災害の発生危険度の把握に優れた指標である「土壌雨量指数」を用いた運転規制を6月1日から導入予定と発表した。

  • 東海道新幹線に新たな降雨運転規制が導入される

東海道新幹線では、沿線等に設置した59カ所の雨量計を用い、降雨量が規制値に達した場合に徐行・運転見合わせ等の運転規制を実施して安全を確保している。一層の安全確保を目的に、「土壌雨量指数」を用いた運転規制を導入することとなった。

雨量計による運転規制は、現在、「時雨量」「連続降雨量」「10分間雨量」の3つの指標によって行われており、「時雨量60mm以上」「時雨量40mm以上+連続降雨量150mm以上」「連続降雨量300mm+10分間雨量2mm以上」のいずれかの場合、東海道新幹線の運転を見合わせている。

これらの規制に加え、土石流が発生した際に東海道新幹線の運行に影響を及ぼす恐れのある箇所を対象に、気象庁が配信する「土壌雨量指数」を用いた運転規制を導入。過去の経験雨量等をもとに設定した「土壌雨量指数」の数値により、運転見合わせや徐行を行うとのこと。「土壌雨量指数」は、降った雨が土壌中に水分量としてどれだけ溜まっているかを数値化した指標で、各地の気象台等が発表する大雨警報(土砂災害)や土砂災害警戒情報等の判断基準に用いられている。