シャオミから5Gスマートフォン「Redmi Note 11 Pro 5G」が発売されました。「Redmi Note 11」「Redmi Note 10T」に続いて、「Redmi」シリーズでは早くも今年3機種目。家電量販店/一部MVNOのほか、シャオミのスマートフォンとして初めて、楽天モバイルでも取り扱われています。価格はシャオミのオンラインストアで44,800円、楽天モバイルで42,980円となっています。

  • Redmi Note 11 Pro 5G

    約6.67インチ、フルHD+の有機ELディスプレイは、リフレッシュレート最大120Hzをサポート。メモリーは6GB、ストレージは128GBで、最大1TBまでのmicroSDに対応しています

5Gに対応し、チップセットにはミッドレンジ向けのクアルコム製「Snapdragon 695 5G」を採用。このチップセットは本機以外でも、「Xperia 10 IV」や「AQUOS sense6s」など、今夏に向けて発売されるミッドレンジモデルに多く採用されています。その意味ではライバルは多いと言えるかもしれません。

シャオミはグローバルメーカーですが、日本向けにはFelicaや防水など、ユーザーの二ーズに応えるカスタムを加えた製品を提供しており、最近では日本のユーザーの声を製品開発に活かす「Xiaomiモノづくり研究所」を発足させたばかり。「Redmi Note 11 Pro 5G」にもFelicaが搭載されていて、おサイフケータイが使えます。一方で残念ながら防水には未対応。防水・防塵性能はIPX3/IP5X相当と防滴レベルです。多少の雨くらいなら大丈夫かもしれませんが、水ぬれには注意が必要です。

  • 背面

    背面は指紋がつきにくい、つや消しのガラス素材を採用。すべすべとした触り心地がかなり気持ちいいです。カラーはこのグラファイトグレーにポーラーホワイト/アトランティックブルーを加えた3色。楽天モバイルではグラファイトグレー/ポーラーホワイトの2色が販売されています

ディスプレイは約6.67インチ、フルHD+(2,400×1,080)の有機EL。大画面に分類されるサイズですが、ベゼルの細さもあってそこまでの大きさは感じません。ただ、ディスプレイサイズの近い「Redmi Note 10T」(約6.5インチ)と比べると、手にしたときの印象は少々がっちりしています。背面や側面がラウンド状の「Redmi Note 10T」に対し、こちらは背面、側面ともにフラットな一枚板のような形状だからでしょう。サイズはH164.19×W76.1×D8.12mm、重さ202g。幅も厚さもスリムですが、角のあるデザインなので握りやすさについては好みが分かれそうです。

  • 「Redmi Note 10T」と「Redmi Note 11 Pro 5G」

    「Redmi Note 10T」(左)は背面からサイドにかけてゆるやかにラウンドしていますが、「Redmi Note 11 Pro 5G」(右)はフラットな形状となっています

  • リフレッシュレート設定

    リフレッシュレートはディスプレイの設定から変更。標準は60Hzですが、120Hzに切り替えられます

  • 右側面

    生体認証は指紋認証と顔認証が利用可能。右サイドの電源ボタンが指紋認証センサーとなっているため、電源を入れる1つの動作でロック解除ができます

  • 上部

    上部にはヘッドフォン端子が搭載されていて、有線のヘッドフォンが使用できます

  • 底部

    底部。USB Type-CのコネクタとSIMカードスロットが並んで配置されています

  • SIMスロット

    nanoSIMと背中合わせにmicroSDカードがセットできる仕様になっています

  • eSIM対応

    楽天モバイルで販売されることもあり、eSIMにも対応しています

シャオミはでは「Redmi」シリーズを、「フラッグシップ並みのユーザー体験を手頃な価格で提供する」シリーズと位置づけています。「Redmi Note 11 Pro 5G」のフラッグシップ並みのユーザー体験の1つ目はカメラ。フラッグシップモデル「Xiaomi 11T Pro」と同じ画素数となる、約1億800万画素(F値1.9)の超高解像度カメラが搭載されています。このメインカメラを筆頭に、約800万画素(F値2.2)の超広角カメラ、約200万画素(F値2.4)マクロカメラの3眼構成。パンチホール型のフロントカメラは、約1600万画素(F値2.4)です。

  • カメラ部

    約1億800万画素のメインカメラだけ大きく出っ張っていて、カメラ部が2段になっています

画素数が高いとその分だけ処理に時間がかかりそうですが、9ピクセルを1つにまとめて使用する「9-in-1 ビニングテクノロジー」という技術が使われていて、標準の「写真」モードの解像度は1億800万画素÷9で、実際には1,200万画素の写真になっています。ピクセルをまとめて光を多く取り込める分だけ明るく撮れるしくみで、室内での料理や夜景もかなりきれいに撮れます。

  • 食事シーンの撮影例

    「写真」でAIをオンにしておけば、食事など自動的にシーンを認識して最適な設定で撮影ができます

  • ポートレートモードの撮影例

    「ポートレート」モードで撮影。ストローが背景に溶けるようなことはなく、自然なボケ味です

  • 夜景モードの撮影例

    「夜景」モードでは、シャッタースピードを遅くして明るい写真が撮れます

次の4点は、0.6倍(超広角)から等倍、2倍、10倍までデジタルズームで拡大してみましたもの。もとが1億800万画素あるので、デジタルズームで拡大してもしっかり精細さが感じられます。

  • 0.6倍

    0.6倍

  • 等倍

    等倍

  • 2倍

    2倍

  • 10倍

    10倍

1億800万画素そのままの高解像度の写真を撮りたいときは、「その他」のメニューから「108M」モードが選択できます。ただしこのモードではやはり処理の際の負荷が大きいのか、通常の「写真」モードに比べると、連続してシャッターを切るのにややもたつく感じがありました。保存される画像データが大きくなるだけでなく、明るさもやや暗くなります。「写真」モードのようにAIによるシーンの自動認識も使えないので、どうしても高解像度で残したいというシーンでなければ、あまり出番はないかもしれません。

  • 「108M」モードの設定

    高画質な「108M」モードは、その他のメニューから選択。メニューは入れ替えやカスタマイズが可能です

次の作例は、「写真」モードと「108M」モードで撮り比べたもの。「108M」の方が暗くなりますが、拡大すると細部までしっかり写っています

  • 「写真」モードの撮影例/大樹

    「写真」モード

  • 「108M」モードの撮影例/大樹

    「108M」モード

  • 「写真」モードの撮影例/川べり

    「写真」モード

  • 「108M」モードの撮影例/川べり

    「108M」モード

  • マクロモードへの切り替え

    「マクロ」モードへの切り替えはサブメニューから行います。花の写真などを頻繁に撮る人にはちょっと面倒なUIです

  • マクロの撮影例

    マクロの作例。「マクロ」モードをオンにするとカメラが切り替わります

「Redmi Note 11 Pro 5G」における、もうひとつの「フラッグシップ並みのユーザー体験」は、67W対応の急速充電です。バッテリー切れの状態から、15分で50%、42分で100%の充電ができるとのこと。ありがたいことに、67WのACアダプターも同梱されています。実際にこのアダプターを使って充電してみましたが、ケーブルをつなぐと電池残量を示す数字が小数点以下まで細かく表示されて、みるみる充電されていく様子がわかります。急速充電後はさすがにほんのりと端末が温かくなりますが、冷却しながら急速充電を行うしくみになっているというだけあり、熱くなるようなことはありませんでした。

そもそもバッテリーが5,000mAwhと大きくて電池持ちも良く、リフレッシュレートを常時120Hzに設定などという状態でなければ、2日間くらいは割と普通に使えてしまいます。もしバッテリー切れになっても、前述のように短時間ででサクッと充電できるので、電池残量をあまり気にしなくて済みます。このストレスフリーは、かなり大きなメリットだと思います。

  • 付属品一式

    付属品一式。同梱の67W ACアダプターはプラグが収納できないタイプ。付属のクリアケースには、USB Type-Cのコネクタをカバーする、キャップもついています

  • 充電の様子

    みるみる充電されてく様子が見られて、なかなか楽しい。付属のACアダプター、ケーブルでなくても、PC用に使用している65Wのアダプターとケーブルで同様に充電できました

ただ、同梱のACアダプターは持ち歩くには少し大きいので、PC用に小さなACアダプターを持っていれば、それを使うのも良さそうです。筆者は普段Ankerの65WのACアダプター「Anker PowerPort III」を持ち歩いているのですが、これとPC用のUSB Type-Cケーブルの組み合わせでも、同梱のACアダプター同様に急速充電ができました。

  • Geekbench 5
  • 3DMark
  • PCMark for Android
  • 「Redmi Note 11 Pro 5G」のベンチマークテストの結果。左から「Geekbench 5」「3DMark」「PCMark for Android」を試した

「Redmi Note 11 Pro 5G」は約1億800万画素のカメラ、67Wの急速充電というフラッグシップ並みの機能を備え、太陽光下でも見やすい、大画面の有機ELディスプレイを搭載し、さらにおサイフケータイも使えるなど、コストパフォーマンスも含めて、満足度が高いスマートフォンです。筆者は特に、無駄がなく質感の良いデザインと、電池残量の呪縛から解放される急速充電機能が気に入りました。唯一引っかかるのは防水性能。付属のケースである程度カバーできそうとはいえ、これからの梅雨にシーズンを考えるとちょっと残念ではあります。