インターネットは、デジタル・オーディオ・ワークステーション(DAW)「ABILITY 4.0 Pro」と「ABILITY 4.0 Elements」の販売を開始した。

  • DAW「ABILITY 4.0 Pro/Elements」

「ABILITY 4.0 Pro」と「ABILITY 4.0 Elements」はMIDIシーケンスの作成、オーディオ・レコーディングをはじめとしたサウンドデザイン、ミキシングからマスタリングまで制作のフローを統合したWindows用のデジタル・オーディオ・ワークステーション(DAW)である。

バージョン4.0の追加機能は以下の通り。

  • ノートエクスプレッションエディタ
    ノート(音符)ごとにコントローラの入力・編集ができるノートエクスプレッションエディタが搭載された。ノートの移動やペースト時にはノートに設定されたノートエクスプレッションがそのまま紐づいて移動、ペーストされる。入力可能なコントロールは、Pitch Bend、Control Change、Channel After Touch、Poly After Touch、VST3 Note Expressionの5つ。
  • ノートエクスプレッションエディタ

  • 「MODO DRUM 1.5 SE」は従来のJazzy、Studioに加えてBrit Custom、Metal、Silverが追加され、計5種類のドラム・キットを収録

  • ソフトウェア音源、エフェクトの増強
    自社開発の16パート・GM2対応マルチティンバー音源「AMS」はサンプラー/オシレータ―のハイブリッド音源による高品位な410音色・11ドラムセットを内蔵。MASTER OUT/OUTPUT1-16のパラアウトが可能。「Pro」では伊IK Multimediaのフィジカル・モデリングによるサウンドの生成とサンプリング技術によるカスタマイズを実現するドラム音源「MODO DRUM 1.5 SE(20,990円相当)」と、ギター/ベース用アンプ&エフェクト・モデリング・ソフトウェア「AmpliTube 5 SE(20,990円相当)」が追加されている。
  • 自社開発の16パート・GM2対応マルチティンバー音源「AMS」

  • 「MODO DRUM 1.5 SE」は従来のJazzy、Studioに加えてBrit Custom、Metal、Silverが追加され、計5種類のドラム・キットを収録

  • 「AmpliTube 5 SE」は19種類のSTOMP、13種類のAMP、14種類のCAB、9種類のSPEAKER、5種類のMIC、14種類のRACK、6種類のROOMと、合計80種類のギア・モデルを収録

  • 柔軟な画面構成ができるようになったワンウインドウモード
    従来は、ミキサー、スコアなどのエディタの表示位置が固定だったが、最大4分割の表示エリアのどこにでも表示、ドッキングが行えるようになった。スコアや、ピアノロール、ミキサー、任意のウインドウをメイン位置に表示が可能になり、より見やすいレイアウトでの作業画面を構築できる。
  • 最大4分割で任意のウインドウを表示できる

  • MIDIトラックのオートメーション作成に便利なVコントローラ
    各ソングファイル(プロジェクトファイル)ごとに4台のVコントローラを使用可能。MIDIコントロールチェンジとPITCH BENDを送出し、MIDIトラックのオートメーションやVSTのLearn機能で設定されたMIDIコントロールを使用して、VSTパラメータをMIDIトラックのオートメーションとして記録できる。
  • 各ソングファイル(プロジェクトファイル)ごとに4台のVコントローラを使用可能

  • ソングエディタの操作性が向上
    オートメーションではMUTE ON/OFF、各SENDのON/OFFを追加可能に。MIDIトラック、AUDIOトラックの各トラックごとにトラックディレイを設定できるようになっている。また、ウェーブエディタを開くことなく、オーディオ編集メニューからゲイン変更、ノーマライズ、リバース行えるようになった。タイムコンプレッションモードをサポートし、オーディオデータの終端をマウスでドラッグして、伸縮後の長さを可視化しながら50%~200%の伸縮率でタイムコンプレッションが実行できる。MIDIトラックについては、ロールバーの幅が広げられ、同時にコントロールごとに設定した異なる色の縦線でコントロールの値を表示してくれる。
  • タイムコンプレッションモードをサポート

  • MIDIトラックでは、コントロールレーンを同時に開くことなく、入力したコントロールを視覚的に確認できるようになった

  • ピアノロールエディタの操作性が向上
    Note Expression表示の採用で、ピアノロールエディタ画面のロールバー上にコントロールの表示が可能になった。最大32分割までをサポートする分割コマンドも装備し、入力済みのノートを選択し、分割数を入力すると一度にノートの分割が行える。分割カーソルモードでは、ノート上の任意の位置でクリックすればノートが分割される。トラックカラーで描画するモードに加え、ベロシティ値に応じて描画色を替えるモードも追加。これにより、ロールバーを見るだけで視覚的にベロシティ値が確認できるようになった。ロールバー上には音名表示が可能となったので、ピアノロール画面左端の鍵盤表示部分から離れているロールバーも単独で音名の確認ができる。さらにストリップチャートで選択ノートのみベロシティを表示・編集するモードをサポートしている。
  • Note Expression表示

  • ノート分割機能

  • ベロシティ値に応じたロールバーの色分け表示

  • ロールバー上での音名表示

  • ストリップチャートでベロシティ表示時に、トラック内の全ノートあるいは選択ノートのみベロシティを表示・編集対象にするかモードの切り替えが可能

  • MIDIトラック編集にシャッフル機能を追加
    選択した音符データ(演奏データ)のリズムをシャッフルやイーブンに変更可能。シャッフルする割合の指定やヒューマナイズでノートオンのタイミングとゲートタイムをランダマイズできる。
  • シャッフル機能を利用してのMIDIトラック編集が行えるように

  • MUSIC XMLファイル/AAFファイル対応
    MUSIC XMLファイルに対応。これにより楽譜作成・印刷や各種楽譜ソフトウェアとデータ交換、楽譜のオンライン配布が行える。また、AAFファイルに対応したことで、オーディオデータの配置、VOLUME/PAN情報を異なるDAW間でやり取りできるようになった。

  • 4台までのコントロールサーフェスの同時使用に対応
    ミキサーのフェーダーやPANなどのツマミやノブを画面上でマウスで操作することなく、実際のハードウェアのように扱えるコントロールサーフェス(フィジカルコントローラー)を最大4台まで同時使用できる。なお、ロケータ(PLAY/STOPなど)やトラックに関係のないコントロールはどのサーフェイスからでも操作が行える。

  • 4台までのコントロールサーフェスの同時使用に対応

  • AUDIOミキサー/AUDIOミキサーインスペクターの操作性が向上
    位相を反転する「Phase」スイッチ、ステレオ入力をMONO(L=R)にする「MONO」スイッチ、ON/OFFできる「PAN」スイッチ、レベルメーターをRMS(Root Mean Square Value)モードにする「RMS」スイッチ、OUTPUTトラックに、ディザリング処理をして歪みノイズを軽減する「Dither」スイッチを新搭載。さらに設定したエフェクトのコピー、ペーストに加え、切り取りをサポートする。
  • Phase」スイッチ、「MONO」スイッチ、「PAN」スイッチ、「RMS」スイッチなどを追加

  • 設定したエフェクトの「切り取り」をサポート

  • ブラウザ型式によるVSTプラグイン選択が可能に
    従来のメニュー形式に加え、ブラウザ形式をサポート。ブラウザ形式では検索も行え、VST毎にカテゴリーの変更も可能になっている。

動作環境は以下の通り。

  • 対応OS:Windows 11、Windows 10(64/32bit)、Windows 8.1(64/32bit)
    すべて日本語版OSのみ対応で、バンドルのIK Multimedia SampleTank 4 SE/MODO DRUM 1.5 SE/AmpliTube 5 SEは64bit版のみで使用できる
  • CPU:Intel/AMDデュアルコアプロセッサー以上
  • メモリ:8GB以上
  • インストールに必要なディスク空き容量:ABILITY 4.0 Pro:60GB以上、ABILITY 4.0 Elements:5GB以上
  • ハードウェア:16bitステレオオーディオインターフェース(機能)、Windowsドライバもしくは ASIO(1.0/2.0)対応で使用するサウンドフォーマットに対応したオーディオインターフェース(ASIO対応オーディオインターフェースを推奨)
  • 音楽CD作成:CD-R/RWドライブ、Windows Media Player 11以降(推奨:12以降)が必要
  • インターネット接続環境:インストールプログラムのダウンロード、アクティベーション、製品登録、アップデート用

「ABILITY 4.0 Pro」の価格はパッケージ版が59,400円、ダウンロード版は45,100円。アカデミック版は41,800円、パッケージのクロスアップグレード版は38,500円、ダウンロード版のクロスアップグレードは30,800円。「ABILITY 4.0 Elements」の価格は、パッケージ版が36,300円、ダウンロード版は26,950円。アカデミック版は24,200円、パッケージのクロスアップグレード版は24,200円、ダウンロード版のクロスアップグレードは12,980円。アカデミック版は購入時に学生/生徒/教職員証の呈示が必須。クロスアップグレードの対象製品は同社オンラインショップを参照いただきたい。なお、同社オンラインショップでは発売を記念して、2022年06月30日15時までの期間限定で「ABILITY 4.0 Pro」と収録の「LinPlug VSTインストゥルメント」の専用拡張サウンドセット(10種類)」を1パッケージにした「ABILITY 4.0 Proスペシャルパック」を20セット限定で販売している。価格は49,555円。

なお、2022年4月11日以降に下記製品の「初回アクティベーション」をしたユーザーは無償アップグレードの対象となる(ただし、ダウンロード版での提供のみ)。

  • ABILITY 4.0 Proへの無償バージョンアップ対象商品
    ・ABILITY 3.0 Pro通常版(パッケージ版・ダウンロード版)
    ・ABILITY 3.0 Proアカデミック版
    ・ABILITY 3.0 Proクロスアップグレード版
    ・ABILITY 3.0 Pro バージョンアップ・優待販売版(バージョンアップ・優待販売でABILITY 3.0 Proを購入したユーザー)

  • ABILITY 4.0 Elementsへの無償バージョンアップ対象商品
    ・ABILITY 3.0 Elements通常版(パッケージ版・ダウンロード版)
    ・ABILITY 3.0 Elementsアカデミック版
    ・ABILITY 3.0 Elementsクロスアップグレード版
    ・ABILITY 3.0 Elementsバージョンアップ・優待販売版(バージョンアップ・優待販売でABILITY 3.0 Elementsを購入したユーザー)