シスコシステムズは5月27日、「ハイブリッドワークに関するグローバル調査」の結果を発表した。ハイブリッドワークが世界各国の社員のウェルビーイング、ワークライフバランス、パフォーマンスの向上に役立っていることが明らかになった。

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同調査は2022年1~3月、南極大陸を除く27ヵ国の28,000人の正社員を対象に実施したもの。それによると、世界全体で約60%、日本では約40%の社員が仕事の質が向上し、生産性が向上したと感じているという。

全体の約76%がリモートでも職場にいるのと同様に職務を果たせると感じており、会社が将来的にハイブリッドワークに対し「十分な準備が整っている」と考える社員は4人に1人にとどまった。

ハイブリッドワークのウェルビーイングに与える影響を、感情、経済、精神、身体、社会の5つのカテゴリーで質問したところ、78%がハイブリッドワークやリモートワークによりウェルビーイングの様々な側面が改善されたとしている。

また、 オフィスから離れた時間を過ごすことでワークライフバランスが向上したと回答した社員は79%で、勤務スケジュールがより柔軟になったこと(62%)や通勤時間が大幅に短縮あるいはまったくなくなったこと(53%)がその要因となった。在宅勤務により64%が週4時間以上、26%が週8時間以上を削減できたという。

節約できた時間は優先して「家族、友人、ペットとの時間」に費やしたいという回答が45%。また、全体の73%、日本では51%がリモートワークにより家族関係が改善し、全体の51%、日本では29%が友人との絆が深まったとしている。

リモートワークで出費を削減できたことで経済的ウェルビーイングが向上したと感じているという回答が76%で、平均節約額は週150ドル強(年換算約8,000ドル)。87%が燃費や通勤費を節約のトップ3に挙げ、食費や娯楽費が74%と続いた。リモートワークにより体力が向上した(68%)、リモートワーク時には運動量が増えた(71%)でハイブリッドワークは食習慣にもよい影響があると回答した社員は68%にのぼった。

ウェルビーイングの様々な側面が改善されたことから、どこでも仕事ができるようになり、満足度が高いと回答したのが82%。ハイブリッドワークによりストレスレベルが下がった(55%)、ハイブリッドワークではよりリラックスしてプレッシャーのない環境で働ける(29%)、ハイブリッドワークの柔軟性がストレス軽減の要因になっている(27%)となった。一方で、ハイブリッドワークやリモートワークでマイクロマネジメントが増加したとの回答が半数以上(55%)となっている。

ハイブリッドワークのメリットは明確で、71%が今後リモートとオフィス勤務を組み合わせたハイブリッドワークモデルを希望し、20%は完全なリモートワークを望んでいる。なお、オフィスでのフルタイム勤務を希望する社員はわずか9%であった。

一方で、半数以上の回答者が、完全リモートワークの社員はリモートとオフィス勤務を組み合わせて働く社員と比較して同僚(59%)や会社(57%)との関わりが難しくなると回答。世界全体で71%がリモートワーク時の生産性について上司の信頼を得ているとしているが、日本ではわずか41%であった。同僚のリモート勤務について信頼できると考えている社員の割合は全体の59%であった。

ハイブリッドワークを本当の意味でインクルーシブにするには、会社が文化や考え方を再考する必要があるという回答は73%で、ハイブリッドワークに対応するために社員が望んでいるのは、勤務時間の柔軟な定義および社員の健康やワークライフバランスを重視すること(ともに60%)であった。

62%が接続に関する問題が日常的に発生することがリモートワーカーのキャリアを制限していると考えている。このため在宅勤務にはネットワーク基盤が重要であるとの回答が84%となったが、会社が適切なネットワーク基盤を整備していると回答したのは68%であった。

ハイブリッドワークの安全性を確保するためにサイバー セキュリティが重要であるという回答は78%で、適切な対策を講じているとの回答は65%であった。ハイブリッドワークに伴うサイバーリスクを全社員が理解していると考えている回答者は62%に過ぎず、68%は経営陣がリスクを理解していると考えている。