BSフジのドキュメンタリー枠『サンデードキュメンタリー』(毎週日曜12:00~)では、認知症受刑者の実態を追った『忘れてはいけないこと~認知症受刑者が問いかけるもの~』(岡山放送制作)を、29日に放送する。
刑期10年以上の受刑者400人余りを収容する岡山刑務所。半数以上が無期懲役の受刑者で、殺人など命を奪う生命犯が大半を占めている。近年、塀の中では高齢化が深刻な状況になっている。
対応するため、去年11月に養護工場を整備した。体の老化が著しい高齢受刑者を集め、ダンボールを使った緩衝材作りやフルーツの保護ネット作りが行われていた。簡単な作業だが、途中で作業が分からなくなってしまう受刑者もいた。中には介助が必要な受刑者もいる。介助するのもまた受刑者だ。トイレの介助を受刑者が2人がかりで行う姿も見られた。高齢化に伴い、施設の整備、医療、食事の準備など刑務所側も対応に追われている。
中でも特に深刻な問題になっているのが受刑者の認知症だ。法務省が2015年に全国で行った認知症を調べる簡易検査では、60歳以上の受刑者のうち、認知症傾向のある受刑者は約14%、全国に約1,300人いると推計されている。岡山刑務所には現在、予備軍を含め認知症受刑者が約20人いるという。
刑務所の本来の目的は受刑者に罪を償わせ、社会復帰させること。しかし、認知症受刑者に対しては、認知症をケアしつつ、同時に贖罪と更生を行わなければならない。刑務所で今、何が起きているのか――。