米Broadcomは5月26日(現地時間)、VMwareとの間で発行済株式をすべて買い取る契約を締結し、同社を買収すると明らかにした。取引額は約610億ドル(約7.7兆円)におよぶとされており、VMwareが抱える80億ドルの負債もBroadcomが継承する。
VMwareは仮想化技術で業界をリードする企業。「ソフトウェアで定義されたデータセンター」を生み出したほか、ネットワークとストレージの仮想化でも主導的な役割を果たし、現在ではアプリケーションの近代化、クラウド管理、セキュリティなどあらゆる側面でポートフォリオを揃えたデジタル基盤を形成している。Dellが2016年に親会社のEMCを買収して傘下に入っていたが、2021年にはスピンオフして独立していた。
今回のBroadcomによる買収により、Broadcomの一部製品がVMware製品としてリブランドされて市場に展開される点がポイント。BroadcomのCEOであるHock Tan氏は、「当社の主要な半導体およびインフラストラクチャ・ソフトウェア事業を、エンタープライズソフトウェアの先駆者かつ革新的な企業と組み合わせることにより、インフラストラクチャ技術のリーディングカンパニーとして顧客に提供できるものを再定義することができました。VMwareの優れたチームが Broadcomに加わることで、イノベーションの文化を共有し、両社の株主を含む関係者にさらなる価値を提供できることを期待しています」と述べている。