小説や漫画、アニメの世界で「フラグ」という言葉が登場することが多々あります。「フラグを回収する」「フラグを立てる」といった文章で見聞きすることが多いですが、意味がよくわからない方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、「フラグ」の意味や語源・由来、「フラグを立てる」「フラグ回収」の意味についてもご紹介します。
また、「フラグ」の類語や例文も解説。さらに、「フラグ」を使った代表的な言葉である「死亡フラグ」の英語表現、メール機能の「フラグ」についてもご紹介しますので、ぜひ目を通してください。
「フラグ」とは
ここでは、「フラグ」の意味を解説します。語源・由来もあわせて確認してください。
「フラグ」とは簡単に「伏線」や「前触れ」のこと
「フラグ」とは簡単に、「伏線」「予測」「前触れ」のことを指す言葉です。小説や映画、漫画、アニメなどで、その後の展開が予測できる登場人物の行動や出来事が起きたときに「フラグが立った」という表現で使われます。
物語だけではなく、日常生活やSNSでも「伏線」「予測」「前触れ」を感じたときに「フラグ」が使われます。
「フラグ」の種類
「フラグ」には、さまざまな種類が存在します。その一部をご紹介します。
■死亡フラグ
「フラグ」が使われる言葉の中でも、代表的なのが「死亡フラグ」です。小説・映画・漫画・アニメなどで下記のようなシーンがあると、登場人物がこの後危険な状態になったり死亡したりすることが多いので、「死亡フラグ」と呼ばれています。
- 戦いが終わったら結婚することを決意する
- 戦地で恋人の自慢をする
- 脇役が恋人や家族への手紙を主人公に託す
- 脇役が自分の宝物を主人公に託す
上記のような場面で発生するのが「死亡フラグ」です。
■生存フラグ
「生存フラグ」は通常ならば死亡するような状況で、奇跡的に生きていたときに使われる「フラグ」です。
- 「これを受けると無事では済まない」といわれる必殺技をくらったとき
- 登場人物が崖などの高所から落ちて、「この高さでは生きていないな」と他の登場人物が見下ろしたとき
上記のシーンがあると、死亡したと思われていた登場人物が生きており、物語の終盤で再登場することも多いことから「生存フラグ」といわれます。
■負けフラグ
「負けフラグ」は、戦いで負けることが予測できるときに使われます。主に圧勝している側が次のような行動・言動を取ったときに発生します。
- 余裕のある態度をみせる
- 自分の勝利を確信する
- 勝利の言葉を口にする
有利な状況で登場人物が上記のような態度をとると、急に失速したり逆転負けしたりする展開になることが多いです。
■恋愛フラグ
「恋愛フラグ」は、その後恋愛関係に発展することを示す「フラグ」です。同じものを取ろうとして、お互いの手が触れるシーンがあったときなどで使われます。主に少女漫画やアニメで目にする機会が多くなります。
「フラグ」の語源・由来
「フラグ」の語源は、日本語の旗を英語で言い換えた「flag(フラッグ)」からきています。しかし、物語や日常生活、SNSで使われるようになった「フラグ」の語源・由来はプログラミング用語からといわれています。
プログラミング用語の「フラグ」は、「特定の処理が実行される条件」を意味します。例えば、プログラミングによって制作されているゲームは、プレイヤーが操作した条件が成立すると、物語が展開したり次の分岐点が発生したりします。
「フラグを立てる」「フラグ回収」の意味
「フラグを立てる」とは
「フラグを立てる」「フラグが立った」とは、「条件がそろい、その後の展開が確定した」という意味です。例えばスポーツ漫画の試合のシーンなどで、圧勝しているチームが余裕の態度になり勝利を確信した言葉を放った場合、「負けフラグが立った」ということになります。
「フラグ回収」とは
「フラグ回収」とは、フラグが立った状態から予想通りの展開になることを表します。例えば漫画などで、登場人物が戦いを終えたら結婚することを決意をする「死亡フラグ」が立った際に、予想通りその登場人物が後々の展開で死亡してしまうと、「フラグ回収」がされたことになります。一方で、フラグが立ったのにも関わらず、その通りにストーリーが展開しなかった場合は「フラグを折る」という表現をします。
「フラグ」の使い方・例文
ここでは、「フラグ」の使い方をご紹介します。「フラグ」は、「フラグを立てる」や「フラグを回収する」、「フラグを折る」などの表現で使用されます。次の例文を参考にしてください。
・終盤の戦闘シーンで復活したキャラに驚きを隠せない。生存フラグはどこだったのか読み返すことにする
・主人公が自分の恋愛フラグを折りまくる漫画がドラマ化された
・「この前一緒に飲んだ子からLINEが来たんだよね。」「それ恋愛フラグじゃない?」
・仕事は時間内に終わらないし、上司は夕方から出前を頼むし…これは残業フラグの予感だ
「フラグ」の類語・言い換え
ここでは、「フラグ」の類語・言い換えをご紹介します。類語・言い換えは主に3つです。
セオリー
英単語の「theory」の日本語読みです。
物語などで「セオリー」が使われるときは、「統計的に確率が高いといえる展開」という意味で使用されることが多いです。
パターン
英単語の「pattern」の日本語読みです。
上記の意味から、「こう言ったらこうなる」や「とある行動をするとこの結果になる」という典型的な型として使われます。
伏線
「伏線」は「ふくせん」と読む言葉です。
意味2: その後の展開がうまくいくように、前もってさりげなく用意しておくこと
「死亡フラグ」の英語表現
ここでは、「〇〇フラグ」の中でも小説やアニメ、漫画で登場することが多い、「死亡フラグ」の英語表現をご紹介します。
意味: 死相が出ている
意味: (人や物事を破滅などの悪い方向に)運命づける
「英語表現2」で紹介している「doomed」は、この単語だけで絶望的や命運が尽きるなどを表現できます。そのため、この英語表現を使うと次のような英文になります。
英文: That supporting character is doomed.
意味: その脇役キャラに死亡フラグが立ちました。
メール機能の「フラグ」は目印の役割を果たす
スマホやパソコンのメール機能を使用するときにも「フラグ」という言葉を目にします。メールの「フラグ」とは、目印の役割を果たす機能のことです。
iPhoneやドコモ、au、Outlookなどのメールアプリには「旗(flag:フラッグ)」をモチーフにしたアイコンがあり、それを押すことでメールに目印を付けることが可能です。「フラグ」を付けたメールだけを表示できるため、大事なメールによく使われます。
Gmailは上記のアプリとは違い、スター(星マーク)や重要(矢印マーク)のアイコンを該当するメールに付けることで、他のメールとの差別化がはかれます。
「フラグ」の意味と使い方を把握しましょう
「フラグ」とは簡単に、「伏線」「予測」「前触れ」のことを指します。小説や漫画、アニメ、映画、ゲームのストーリー上で、この先の展開がおおかた予想できてしまうような出来事や、登場人物の行動が発生したときに使われます。
予想できる出来事が現れたとき、「フラグを立てる」や「フラグが立った」などの言い方をします。最近は物語の中だけではなく、日常会話やSNSでも使用される言葉です。「死亡フラグ」「生存フラグ」「負けフラグ」「恋愛フラグ」など、行動様式にあわせて「〇〇フラグ」と呼ぶこともあります。
iPhoneやドコモメールなど、メール機能に登場する「フラグ」は、目印の役割を果たすこともあわせて覚えておきましょう。「フラグ」の類語や例文も参考にして、使い方を把握してください。