米Googleは5月24日(現地時間)、「ストリートビュー」が15周年を迎えたと発表した。共同創業者のラリー・ペイジ氏のアイディアから誕生し、2007年にサンフランシスコ、ニューヨーク、ラスベガス、マイアミ、デンバーの街並みからスタート。日本では2008年に提供が始まり、現在100を超える国や地域をカバーしている。15年間でストリートビューカーは、地球400周以上に相当する1,600万キロ以上を走行し、1,700億枚以上の画像を撮影した。

15周年のプレスリリースを通じて同社は、新しい小型ストリートビュー・カメラと、「タイムマシン」機能のモバイルへの拡大を発表した。

これまでGoogleは収集したいイメージの種類に合わせてカメラシステムを設計していたが、新しいカメラはモジュール式で、例えばLiDARのような部品を組み合わせるなど、撮影目的に合わせて柔軟にカスタマイズできる。ストリートビューカーと同じ解像度、処理能力を備えながら、重さが約6.8キロで容易に持ち運べるぐらいコンパクト。ルーフラック付きのあらゆる自動車に取り付けられ、プラグインハイブリッド車や電気自動車と組み合わせた持続可能なソリューションを実現しやすい。現在は試験運用中で、来年の本格導入を予定しており、ストリートビューカーとTrekker、そして新カメラの3つで世界の変化をより詳細に記録していく。

タイムマシンは、2007年まで遡って過去のストリートビュー画像にアクセスでき、時間による変化を確認できる機能。これまでデスクトップのみの提供だったが、AndroidアプリとiOSアプリにも追加される。スマートフォンでストリートビュー画像を表示し、情報カードを引き出して利用する。

近年Googleは、ストリートビュー画像の収集とAIによる分析をGoogleマップの更新に役立てている。例えば、新しい店やビジネスの追加、レストランの営業時間のアップデート、速度制限情報の更新など。過去3年間でAIによって250億回以上のマップの更新を行ったとのこと。街の変化をよりすばやくGoogleマップに反映させている。

今年後半には没入感のある3Dマップ「Immersive View」の提供を開始する。これは5月にGoogle I/Oで発表した機能で、何十億ものストリートビューと航空写真をAIを用いて合成し、その場にいるようなリアルなマップ表現を実現する。ロサンゼルス、ロンドン、ニューヨーク、サンフランシスコ、東京などの表示で利用できるうようにし、その後ほかの都市にも拡大していく。