orobianco(オロビアンコ)と聞くとイメージするのは例の主張するリボン。昭和のオジサンからすると、ファッション誌『LEON』などの、クラシコイタリアを思い出させるブランドです。

サラリーマンが手に持つ姿を電車でよく見かけますが、実は最近様子が違う? 同ブランドのカバンを日本で扱う、エースの2022秋冬内覧会で新たな一面を発見したので紹介したいと思います。

  • エース「2022秋冬内覧会」

    エース「2022秋冬内覧会」

オロビアンコの自転車用バッグ

テレワークの浸透など「働き方の多様化」が進む中、自転車通勤する人も増えていますよね。アパレルメーカーも、自転車通勤に適したジャケットやパンツを発売し、また機能性をうたうスーツも珍しくありません。

実は今回、オロビアンコも自転車での利用を想定した「LUGANO(ルガーノ)」という新作バッグを9月中旬よりリリースするのです。

あの「ザ・イタリア」というコテコテなブランドが自転車利用とは意外。同社で広報PR担当を務める森川泉さんに誕生した経緯を聞きました。

  • 自転車での利用を想定した「LUGANO( ルガーノ)」シリーズのボディバッグ(左)、トートバッグ

    自転車での利用を想定した「LUGANO( ルガーノ)」シリーズのボディバッグ(左)、トートバッグ

――意外な組み合わせのシリーズですね。

森川さん: 昔からオロビアンコを知っていたり、使っていたりする30代以上の方にはそうかもしれません。ただ、最近の調査では若い世代の方は「時計」からオロビアンコを知る人が多いようです。

マジか、これがジェネレーションギャップって奴か、、泣く。

こうした背景もあり、スポーティーでカジュアルな製品も出していると森川さんは説明します。

こうして、通勤やオフの日のサイクルシーンを想定して生まれた本シリーズからは、ボディバッグ、トートバッグ、バックパックの3アイテムが展開。機能面では「左右両方からアクセスが可能なユーティリティポケット」「背中側から正面に引き寄せるのに便利なサイドループ」などが共通して備わっています。

  • 背中側から正面に引き寄せる「サイドループ」

また、左右どちらでも持ちやすい「左右に分かれたトップハンドル」がボディバッグとバックパックに、鍵やイヤホンを収納できる「チェストポケット」がバックパックに付いているのです。

  • デザインのアクセントにもなる「左右に分かれた」トップハンドル

  • カラビナなども取り付けできる

  • チェストポケットに小物を収容できる

機能面でかなり充実している印象ですが、森川さんによると、例えばワンショルダーバッグなど自転車を「まったく意識していなかった」訳ではないが、今回は開発時点からその想定だったと話します。

例の「イタリア国旗のトリコロールリボン」も同系色を採用しているので、遠目から見るとオロビアンコと気付かないかもしれませんね。個人的にはリュックよりトートバッグ派なので、そちらを使ってみたいと思いました。

ちなみにトートバッグも肩掛け用のストラップが通常のものより太くなったり、短くしたりできるので、メッセンジャーバッグのように体に密着させることができる仕様ですよ。

  • サイドのポケットは自転車に乗っていても荷物が落ちないようにジップに変更

  • 通常版(例のリボン)と比較するとかなり印象が異なる

キレイ目用のカバンも登場

次に目を引いたのが、前持ちビジネスリュック「ガジェタブル」の新作。同社を代表する製品ですが、今回は本体素材にレザーを初めて採用し、ファッション性を高めた「ガジェタブルDPL」が8月下旬より発売されます。

  • 本体素材にレザーを採用した「ガジェタブルDPL」

  • 両側は高強度コーデュラバリスティックナイロンを採用

ただ、レザーはどうしても色移りが気になるところ。そこで両側は高強度コーデュラバリスティックナイロンを使うことで切り替え。15.6inchPC対応の「リュック大」(4万9,500円)、15inchPC対応の「リュック小」(4万7,300円)の2タイプが用意されています。

なお、通常のガジェタブルにはある胸元の「チェストベルト」はあえて外し、「キレイ目に使ってもらうよう仕上げています」と森川さん。

昨今はカジュアル一辺倒の流れですが、こうしたファッション性と機能性を両立したモデルは新鮮ですね。

  • 通常版(左)と並べると「違い」がよく分かる

通勤時の動画も快適に見れる

また、同じ前持ちリュックから「フロンパックR」も第3弾として登場。これは「電車内で邪魔になりにくい」を念頭に置いて開発され、フロント上部ポケットを開くとスマートフォントレイとして使えるのが特徴です。

  • フロント上部ポケットを開くとスマートフォントレイとして使える

  • 通勤電車で活躍しそうな仕様

前持ちに適したスリムデザインで、上部の傾斜が足元を見やすく設計されています。最近は通勤中に動画をスマホで見る人も多いので、車内で両手が使えるのはありがたいですよね。

ちなみに、このバージョンから「取り付け場所をいい位置」にできるバーが用意されていて、スマホのサイズや自分の好みでスマホの置き場所を調整できます。

「最初はスマホをはめ込みできるような造りも検討しましたが、危険な『歩きスマホ』を助長しかねないので、あくまで立ち止まって見るのによい具合の仕様にしています」と森川さん。

やはりメーカーの開発者はさまざまな状況を想定しないといけないので、小さな仕様変更でも幾多の試行錯誤が行われているのでしょうね。

  • マジックテープで取り外し可能

こちらは13.3inchPC対応「リュック小」(2万4,200円)、14inchPC対応「リュック中」(2万6,400円)、15.6inchPC対応「リュック大」(2万8,600円)の3タイプが用意されています。

この他にも、スニーカー通勤する女性に向けた新作ビジネスリュック「サルティー」など幅広いラインアップがそろっているのも、今回の新製品の特徴かもしれませんね。

  • スニーカー通勤する女性向けの「サルティー」

テレワーク、在宅勤務など働き方の多様化が進み、同時に通勤用のバッグもさまざまな機能を持つタイプが出ています。今回紹介したものも含め、働くシーンに応じた「自分のお気に入り」を探してみてください。