転職が当たり前となりつつある昨今、「転職を意識している」という20代、30代の方も多いのではないでしょうか。まだたくさんの挑戦ができる20代、これまでの社会人経験を生かせる30代ですが、転職するとしたら、どのような資格を持っていると有利なのでしょうか。
この記事では、20代、30代が転職の際に有利になる資格を3つ厳選し、解説しています。現在転職を検討している方、転職のために資格取得を考えている方は、ぜひご覧ください。
20代、30代の転職が有利になる3つの資格
就職してから比較的日の浅い20代、ある程度の社会人経験を持つ30代では、転職市場においての求められ方が多少異なります。
20代ならポテンシャルを評価され、未経験の業種でも歓迎されることがあるでしょう。一方の30代には、即戦力となる経験やスキルが要求されます。そのため、特に新たな業界に飛び込む際には、それらをカバーするための資格を持っておくと役立つでしょう。もちろん20代でも、資格は専門的能力のアピールとなります。
どのような資格が有利かは転職先にもよりますが、ここでは、あらゆる業界で通用する「TOEIC」、IT業界で有利な「ITストラテジスト」、そして、不動産・金融業界などで使える「宅地建物取引士」の3つの資格について解説しましょう。
<TOEIC>
「TOEIC」は日本で最も知名度の高い英語試験ですので、一度は名前を耳にしたことがあるでしょう。少しおさらいすると、TOEICとは「Test Of English International Communication」の略で、日常生活やビジネスにおいての実践的な英語力を測定するテストです。 グローバル化の進展により、近年では、外資系以外でも英語を重視する企業が増えています。「上場企業における英語活用実態調査2013年」(一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会)によると、75%の企業が英語を使用しており、70%の企業が採用時にTOEICのスコアを参考にしているといいます。このデータは少し古いものですので、現在、ビジネスにおいて英語が求められる場面はさらに増えているでしょう。
転職においては、TOEICがハイスコアであることを応募の条件としている企業も多くあります。英語力があれば国際部門も視野に入りますので、転職先の選択肢が広がるでしょう。さらに、TOEICのスコアが高いほど年収も多くなる傾向にあるため、スコアを上げておくメリットは大きいはずです。
また、英語力がそこまで問われない仕事でも、TOEICがハイスコアであれば、「努力して成果が出せる」というアピールにもなります。もちろん、TOEICがハイスコアなだけで必ず採用につながることはありませんが、英語力があって困ることはないため、どのような業種・職種に転職するか決めかねている人にもおすすめの資格です。
なお、TOEICは転職以外でも役立ちます。仮に転職せず今の会社にとどまったとしても、今後の昇進・昇給に良い影響を与えてくれる可能性もあるため、取り組んでおいて損はないでしょう。
<ITストラテジスト>
IT業界への転職には、「ITストラテジスト」をおすすめします。ITストラテジストとは、ITの技術を活用して事業戦略や業務改善計画に参画する、エンジニア系上級職の一つです。ITストラテジストには、ITの技術のみならず、ビジネスや経営に関する知識も求められます。
ITストラテジストは2009年から開始された国家資格ですが、「IT系国家試験の中でも最高峰」と言われるほど難関です。その試験の難易度は、司法書士試験や税理士試験と同程度かやや易しいくらいですので、難しさにおおよその見当がつくでしょう。
近年のITストラテジスト試験の合格率は、15%前後。合格は簡単ではありませんが、取得していれば、高度なIT知識、スキルがあることの明確な証明となるでしょう。転職に有利となるほか、選ぶ仕事の幅も広がります。
DX時代を迎え、優秀なIT人材には多くのニーズがあります。IT業界でハイキャリアを目指したい方は、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
<宅地建物取引士>
不動産業界、また、金融業界への転職で有利となるのが、国家資格である「宅地建物取引士(宅建士)」です。宅建士は主に、「宅地建物取引業者」である不動産会社などに勤務します。
宅建士には、宅建士でなくては行えない「独占業務」がいくつかあり、そのうちの一つがお客さんに対して行う「重要事項」の説明です。重要事項とは、不動産の所有者や広さ、手付金やキャンセルの際の取り決めなど、物件や取引条件に関するさまざまな情報を指します。
不動産の専門知識を持たないお客さんが不当な契約によって不利益を被らないよう、宅建士はこうした重要事項の説明を契約前に行うのです。不動産会社ではこうした業務が必須のため、不動産取引の専門家である宅建士のニーズは、非常に高いといえます。
このように不動産会社を中心に活躍が期待できる宅建士ですが、試験の合格率は15~17%ほどです。出題範囲も広いため、学習には根気が必要でしょう。ただし、宅建士はさまざまな企業で通用します。複数の業界で使える資格を取得したい方は、ぜひ目指してみましょう。
キャリアアップに生かせる資格を取ろう
資格は、自分の持つスキルや知識を客観的に示したい時、とても役に立ちます。転職に資格は必須ではなく、特に30代の場合、これまでの経験や転職先での即戦力が重視されますが、それでも、資格がアピールポイントの一つになることは間違いないでしょう。
自分の転職活動に合う資格はどれなのか見極め、取得を目指すからには、必ずキャリアアップに生かす覚悟で取り組んでいきましょう。