写真詐欺ーーそれは「写真では美味しそうに見えた料理が実際はひどくショボかった」といったケースで使われる言葉で、平たく言えば実物が写真を下回っている現象のことだ。 逆写真詐欺ーーそれは写真詐欺とは反対で、実物が写真を上回っているケースを指す。その代名詞的な存在が「コメダ珈琲」である。
先日、コメダ珈琲が新たに発売した期間限定メニュー「コメ醤チキンカツパン」もまた、例に漏れず壮大な逆写真詐欺をかましていたので、今回はその程度とともに味についてもレビューしていきたい。おのれコメダ、謀ったな……!
コメダ珈琲がファンを増やし続けるワケ
コメダ珈琲は名古屋発祥の喫茶チェーンだ。もともとは東海を中心に展開していたが、今や首都圏を始め、全国あちこちに店舗を拡大。その数はなんと900店舗を超えている。すごいぜ、コメダ。
その人気の理由はさまざまだが、最近の大手カフェチェーンが軒並みセルフサービスを徹底しているのに対し、コメダは店員さんが卓で注文を取り、食事や飲み物を運んでくれるフルサービススタイルを採用。店内は昔ながらのレトロ喫茶然としており、木を基調としたウッディな作りで、妙に居心地がいい。
Wi-Fi環境も整っていて、コンセントを借りられる席も多いからリモートワークにも最適だ。もちろんコーヒーも美味いし、ドリンクも食事もメニュー表よりビッグサイズな“逆写真詐欺”の常習犯としてネットを騒がせている。もういろんな部分がすげぇぜ、コメダ!
はい出た逆写真詐欺!「コメ醤チキンカツパン」が美味い!ただし……
さて、いつまでもすげぇすげぇ言っていては何も始まらないので本筋に戻そう。逆写真詐欺の検証と新メニューのレビューである。
今回のターゲットはこれ。「コメ醤チキンカツパン」だ。ジャジャジャ醤!の出囃子(?)からも、商品に対する自信がうかがえる。「やや辛め」と書かれているうえに、全体的なデザインが炎をモチーフにしているっぽいので、そこそこピリ辛めな商品なのだろう。
ドリンクはコーヒーでいいかな……あっ。
クリームソーダか。いいね。なんか懐かしいし、コメダっぽい。よし、これだ。
待つこと数分。まずはクリームソーダが到着。これは……
メニュー表の感じだとソフトクリーム部分がまぁせいぜい2段程度に見えるけど、これは完全に3段はある。というか、普通にソフトクリームを頼んだときに出てくるソフトクリームの量である。さっそく飛ばしてきたな、コメダ!
続いて「コメ醤チキンカツパン」も到着。こ、こいつは……!!
デカイ!めちゃくちゃデカイ!!
そして、なんかワンパクなメニューになってしまったな。まぁいいんだけど、食べ切れるかな。写真だとどれくらいデカイかわかりにくいかもしれないが、手で持ってみれば少しは伝わるはずだ。よいしょっ。
ご覧の通り、一切れがハンバーガー1個くらいのデカさ!一皿でハンバーガー3つ分くらいはある。2~3人でシェアできる量だが、特に注意書きはなかった。「これがコメダの平常運転ですけど何か?」という声がどこからともなく聞こえてきそうだ。っていうか、こんな草鞋のように大きなチキンカツ、どうやって調達したんだ?何にせよ、立派な逆写真詐欺の現行犯である。お腹が減っていたからめちゃくちゃ嬉しいぞ!
さて、味のほうも確かめてみよう。パクッ。
おお~。なるほど。カツは“ザクッ”というよりは“サクッ”としたクリスピー感が心地いい。肉は鶏の胸肉だろう。脂肪分は少ないがとても柔らかく、噛めば噛むほど味が出てくる。
味付けのほうはピリ辛で、醤の奥深いコクが感じられる。ちなみに、醤とは中国特有の調味料や香辛料を使ったタレやソース、ペーストなどの総称。辛めのソースが染みたシャキシャキのキャベツがチキンカツの味を一層引き立ててくれる。パンもふわっふわでクオリティが高い。うん、美味い。美味いぞ!
ん?あれ……?なんか、2口、3口と食べているうちに、辛みがじわじわと襲ってきたぞ……?
か、か、辛ぇ。かなり辛いぞ!?このソース、ボディブローのようにじわじわと辛さが効いてきた……!
ぬうぉぉ、か、辛い……。いや、そりゃ蒙古タンメン中本の北極ほどではないが、これはピリ辛の範疇ではない。激辛とは言わないが、かなりスパイシーで、舌をヒリヒリとした刺激が襲ってくる。辛い!だが美味い!食べる手が止まらない。ああ、でも辛い!汗が吹き出してきた……!
クリームソーダを頼んでおいて本当によかった……。辛さに耐えられなくなったらソフトクリームをパクッ。多少の回復を経てまたコメ醤チキンカツパンをガブリ。ヒーヒー言いながらもこのルーティンで完食!ごちそうさまでした!あー、満腹。お腹がはち切れそうだ。
注意書きにあるように、確かに辛い物が苦手な人は避けたほうがいいかもしれない。ん? “やや辛めの商品です”って、“やや”なんてレベルではないと思うが……それでも辛い物が好きな人からすれば、病みつきになる辛さと旨みがあったのは間違いない。これはリピートしたくなる味である。次回は2人で分けて食べることにしよう。
ということで、コメダ珈琲の期間限定商品も安定の“逆写真詐欺”で、味は辛党を納得させるハイクオリティだったとまとめたい。ぜひ一度お試しあれ!