サラダにスープに炒め物にと、冷蔵庫にあると何かと便利なキャベツ。しかし、「キャベツには栄養はない」と思っていませんか。実はキャベツにはビタミンやミネラルといった栄養素がしっかり含まれており、しかも低カロリー&低糖質でダイエットにうれしい野菜だといえます。

今回は、キャベツの栄養素と効能についてくわしく解説します。栄養を活かすための調理のコツや、おすすめレシピなども紹介しますので、ぜひ毎日の食卓に取り入れてみてください。

  • キャベツの栄養と効果・効能を紹介します

キャベツの栄養素とカロリー

キャベツに含まれる栄養素は以下の通りです。主な栄養素の効果・効能はこのあとで紹介します。

<キャベツ>※可食部100gあたり
エネルギー: 21kcal
水分: 92.7g
・たんぱく質: 1.3g
・脂質: 0.2g
・炭水化物: 5.2g
・食物繊維: 1.8g
・β_カロテン: 49μg
・葉酸: 78μg
・ビタミンK: 78mg
・ビタミンC: 41mg
・カリウム: 200mg

キャベツのカロリーはどのくらい?

上記の数値のとおり、キャベツのカロリーは100g当たり21kcal。キャベツは標準的な大きさで1個当たり1~1.5㎏ほどなので、1個丸ごと食べてもカロリーは200~300kcalほどの計算になります。ちなみに、ごはん茶碗1杯のカロリーは約230kcalです。

以下に、主要な野菜のカロリーを比べてみます。

<カロリー>※生、可食部100g当たり
キャベツ: 21kcal
きゅうり: 13kcal
レタス: 11kcal
ほうれん草: 18kcal
青ピーマン: 20kcal
じゃがいも: 51kcal
枝豆: 125kcal

キャベツは野菜のなかではとくに低カロリーというわけではありませんが、それでも21kcal。あまりカロリーについては気にする必要はないといえます。

  • キャベツは水分が多いので「栄養ない」と思われがち

キャベツの栄養素の効果・効能

キャベツに含まれる栄養素にはどのような効能があるのでしょうか。くわしく紹介します。

ビタミンU(キャベジン)

キャベツの栄養素のなかで代表的なものが、ビタミンU。別名をキャベジンと言われ、胃酸の分泌を調整したり、胃の粘膜を修復したりするとされています。同じ名前の胃薬もありますよね。とんかつにキャベツが添えられているのは、理にかなっているといえます。

ビタミンC

ビタミンCは抗酸化ビタミンと言われ、老化の原因となる活性酸素を取り除くとされています。ほかにもコラーゲンの生成を促して健やかな肌につなげたり、免疫力を上げたりする作用があります。

食物繊維

食物繊維は腸内環境を整え、便秘などの症状を改善するとされています。

葉酸

葉酸は造血作用のあるビタミンです。代謝にも関わっていることから、体の発育にも大切だとされています。妊婦の方の摂取が推奨されている栄養素です。

カリウム

カリウムは体の余分なナトリウムや水分を排出する作用があり、高血圧やむくみなどの症状を予防するとされています。

  • 「とんかつに千切りキャベツ」は理にかなった食べ方

キャベツの芯にも栄養はある?

キャベツの芯、捨てているという方もいるでしょう。しかし、キャベツの栄養素のなかには、葉よりも芯のほうが多く含まれているものもあります。

固そうに見える芯ですが、そぎ切りにして炒め物やスープに加えるとおいしく食べられます。ただし、煮込みすぎると特有のくさみが出てしまうので、加熱は食感が残る程度にとどめるとよいでしょう。

キャベツの栄養素を活かす食べ方

キャベツの主な栄養素のビタミンUやビタミンC、カリウムなどは水溶性のため、水に溶けだす性質があります。パリッとさせるために水にさらすことがあるかもしれませんが、できるだけ短時間にとどめましょう。また、スープにしたときは栄養素が溶け出ているので、具だけでなくスープも飲むのがおすすめです。

キャベツの栄養は加熱するとどうなる?

キャベツの栄養素には水溶性のものがあると触れましたが、加熱によって壊れてしまうものもあります。そのため一番のおすすめは生で食べることです。

ただ、生だとそこまで多くの量のキャベツを食べることはできません。たっぷり食べるには加熱してかさを減らすのが効果的。その際の加熱はできるだけ短時間に、シャキシャキ感が残る程度にとどめるようにしましょう。

  • キャベツの栄養素には水や加熱に弱い性質をもつものも

キャベツの栄養素を活かすおすすめレシピ

キャベツの栄養素を効率よくとれる、おすすめのレシピを紹介します。ぜひ今晩のメニューに取り入れてみてください。

  • モリモリ食べられる! 「簡単やみつきサラダ」
    手でちぎったキャベツに、ごま油、鶏ガラスープの素、ごま、にんにく、塩などを加えて和えるだけで出来上がり。ごま油の香ばしさや鶏ガラのうまみがあとを引き、生でもたっぷり食べられます。

  • 加熱して甘みアップ! 「キャベツと塩昆布のあえもの」
    ひと口大にちぎったキャベツはラップをして電子レンジで数分加熱。その後、塩昆布を加えて和えるだけ。昆布のうまみでおつまみにもぴったりの一品になります。加熱すると水分が出やすくなりますが、しぼると栄養素が流出してしまうので注意しましょう。

キャベツのおいしさが長持ちする保存方法

キャベツを丸のまま保存する場合は、保存袋に入れ、キャベツが呼吸できるようにゆるく口を閉じて保存します。芯をくり抜き、しめらせたキッチンペーパーを詰めておけば、みずみずしさが長持ち。キッチンペーパーは2~3日おきに交換するようにしましょう。カットしたキャベツは切り口が空気に触れないよう、ラップでしっかりと密閉します。

  • キャベツは栄養を活かすため、加熱を控えめにするのがおすすめ

「キャベツに栄養ない」はうそ? 低カロリーでも栄養しっかり!

キャベツは水分がたっぷりで低カロリー。そのため「栄養がない」と思われがちですが、ビタミンやミネラル、食物繊維などの栄養素を含んでいます。

なかでもキャベジンとも呼ばれるビタミンUの含有量は、野菜のなかでもトップクラス。ビタミンUは胃の粘膜を保護する効能などがあるので、とんかつに千切りキャベツが添えてあるのにもうなずけますね。

低カロリーながら、ビタミンやミネラルを含むキャベツ。ダイエットにも最適の野菜といえそうです。