読売テレビでは、「色素性乾皮症(しきそせいかんぴしょう)」に立ち向かう家族の姿を伝えるドキュメンタリー特番『太陽と海陽』を25日(10:25~※関西ローカル)に放送する。
静岡県浜松市に住む新貝海陽(しんがいうみひ)くん(1)は、生後2カ月で、紫外線を浴びると皮膚がんが発症する「色素性乾皮症(しきそせいかんぴしょう)」だと診断された。日中に紫外線を少しでも浴びると顔中が水膨れとなり、火傷のような症状が出るため、どんなに暑い夏でも防護服を着る必要がある。通気性が悪く高温多湿で呼吸が苦しくなったとしても、防護服を着なければ病気の進行が早まってしまう。現在も治療法は見つかっておらず、6歳ほどで身体機能の低下や難聴が始まり、多くは20歳までに寿命を終えると言われている難病だ。
遺伝から始まるこの病気に、両親は運命をすぐに受け入れられなかった。「健康な体に産んでやれなかった」という後悔がずっと胸に残っていると話すのは、防護服を手作りする母親の真夕さん(34)。父・篤司さん(38)は「何がなんでも息子の病気を治したい。将来、防護服を着ないで、太陽の下を思いっきり飛び回ることができるようにしてあげたい」と強く願っている。
休日は川や海に出かけるアクティブな家族だったが、海陽くんの病気が判明してからは日中の外出を控えるように。専門家のいる浜松医大に通院するほか、セカンドオピニオンを得るために神戸大学や大阪医科薬科大学などにも通う。
「海陽」という名前には、海を照らす太陽のように輝く人になってほしいという両親の願いが込められている。リビングには、海陽くんが生まれた日に撮影された朝陽の写真が。数少ない難病ゆえ治療法は確立されていないが、現実と向き合い、完治を信じ走り続ける家族の姿から「親が子に抱く愛情の深さ」を伝える。