ビジネスパーソンを悩ます不調のひとつが、時や場所を選ばず襲ってくる頭痛。なかなか治まらないしつこい頭痛は仕事の集中力も低下させるが、「頭痛だけでは気軽に休めない」のがビジネスパーソンのつらいところだ。
最新のパーソナルトレーニングがSNSで注目を集め、ストレッチの本も数多く出版する柴雅仁先生に、オフィスでできる気軽な頭痛の解消法を教わった。
■疲れ目からくる頭痛は、こぶしでグリグリマッサージ
脳梗塞など大変な病気が潜んでいる場合を除けば、一般的な「頭の痛み」はほぼ緊張型頭痛です。緊張型頭痛は頭が締めつけられるような痛みで、身体的・精神的ストレスが関連していると考えられています。
目の疲れによる筋肉のこわばりから起きるものも多く、最近ではスマホやパソコンの使い過ぎが大きな原因になっています。そこで手っ取り早いのが、目の疲れを解消するマッサージです。
手を拳の状態にして、眉毛の骨の真ん中辺りにあるツボを押します。骨全体をぐっと上に押し上げて力を入れてグリグリすればOK。さらに眉頭から眉尻まで同じようにマッサージします。
上に押し上げるのは、パソコン作業などで下向きになっている目の骨を引き上げるためです。こうすると目がぱっと開き、すっきりとした感覚が得られます。
目が疲れるとこめかみやおでこといった側頭部の筋肉も固まるので、ここをほぐすのも効果があります。指で押すと均等に力が入らず疲れてしまうので、これも拳で行ってください。
顔の上部から側頭部にかけてまんべんなく筋肉をマッサージしていきます。オフィスでのちょっとした空き時間に手軽にできるマッサージです。
■目をいたわるアイケアでストレスも解消
目の疲れから来る頭痛を解消するには、目をあたためて筋肉をゆるめてあげるのも効果的です。目を何かで覆うだけでもOKで、オフィスでできる簡単なセルフケアは、温かい手を目にあてることです。
このとき大事なのは「やさしい手」をつくること。不思議なもので、あまり好きではない相手に触れるときは無意識に手がこわばり、相手にもその緊張が伝わります。自分の身体も同じです。
おだやかな気持ちで両手をゆっくりこすり合わせて温めたあと、愛情一杯に子どもをあやすお母さんのようなイメージで両手を目にあててください。
■「天気痛」をやわらげる耳引っ張りマッサージ
最近では雨や風の日など、天気によって頭痛が起こることも知られてきました。気圧が急激に下がると、交感神経が活発になり、血管を収縮させ、痛みを感じる神経を刺激します。その結果、頭痛が起きやすくなるのです。
特に耳の内側、内耳には気圧を感じとるセンサーがあるので、ここを刺激してあげると急激な頭痛も収まりやすくなります。
両手を使って両耳を根元から中指と人差し指で挟み、前後に5回ずつ動かします。、頭の筋肉がゆるみ、血流が改善するので緊張型頭痛にも効果的です。