民放キー局の役員人事が18日、出そろった。制作畑で名を馳せたの名物プロデューサーたちが、次々に登用されている。
フジテレビジョンは、『とんねるずのみなさんのおかげです』で初代演出やプロデューサーを務め、現在は共同テレビ社長の港浩一氏が社長に就任(6月28日付)。『オールナイトフジ』から『夕やけニャンニャン』、『みなさん』シリーズと、とんねるずとその躍進とともに歩み、木梨憲武がものまねする「小港さん」のモデルとしても知られる。部下やタレントからの信頼が厚く、2000年からバラエティ制作の管理職となり、バラエティ制作担当局長、常務取締役などをへて、15年から共同テレビ社長を務めてきた。
社長という形で7年ぶりとなるフジテレビ復帰を果たすことに、出身部署である第二制作部を中心に期待の声が高まっているが、メディア環境が大きく変わった中でどう手腕を発揮するのか。なお、転出した関係会社から同局に社長として復帰するのは、BSフジから17年に就任した宮内正喜氏(現・会長)以来となる。
TBSテレビは、V6の『学校へ行こう!』やTOKIOの『ガチンコ!』などを立ち上げた合田隆信氏が取締役に就任(6月21日付)。『ガキバラ!』『USO!?ジャパン』といったジャニーズアイドルのバラエティに加え、『さんまのからくりTV』『うたばん』なども担当した。
2004年に編成へ異動すると、10年以上にわたりTBSで番組を持っていなかったダウンタウンとの関係再構築に尽力し、『ドリームマッチ』『リンカーン』、そして現在の『水曜日のダウンタウン』につながった。デジタルコンテンツ制作部長、制作一部長、編成局長、TBSホールディングス執行役員などをへて就任となる。
テレビ朝日は、大ヒットシリーズドラマ『ドクターX ~外科医・大門未知子~』のプロデューサーとして知られる内山聖子氏が取締役に就任(6月29日付)。1995年からドラマプロデューサーとして活躍し、『ドクターX』シリーズ以外でも、『交渉人~THE NEGOTIATOR~』『ナサケの女~国税局査察官~』『リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~』、松本清張原作ドラマなどで米倉涼子とタッグを組んできた。
2020年に役員待遇に昇進し、現在もビジネスソリューション本部コンテンツ編成局スペシャルプロモーション・ドラマ担当として、『家政夫のミタゾノ』でエグゼクティブプロデューサーを務めるなどドラマ制作に携わるが、取締役就任後はドラマ担当が外れ、スペシャルプロモーション担当のみとなる。
なお、『クイズ世界はSHOW by ショーバイ!!』『マジカル頭脳パワー!!』などを手がけた日本テレビの小杉善信副会長は、6月29日付で退任する。