黒島結菜が主演を務める連続テレビ小説『ちむどんどん』(NHK総合 毎週月~土曜8:00~ほか)は、16日に放送された第26回で東京・鶴見編がスタート。この回では、12日の放送に続き、ヒロイン・比嘉暢子(黒島)の兄・賢秀(竜星涼)が所属するボクシングジムのトレーナー役として本宮泰風、会長役として具志堅用高が登場した。2人の起用について、制作統括の小林大児チーフプロデューサーに話を聞いた。

  • 『ちむどんどん』安里会長役の具志堅用高

昨日5月15日に本土復帰50年を迎えた沖縄を舞台にした本作は、個性豊かな沖縄の4兄妹の本土復帰からの歩みを描く50年の物語。自身も沖縄出身の黒島が、沖縄本島北部のやんばる地域で生まれ育ち、沖縄料理に夢をかけるヒロイン・比嘉暢子を、兄・賢秀役は竜星涼、姉・良子役は川口春奈、妹・歌子役は上白石萌歌が演じている。

16日放送の第26回から東京・鶴見編がスタート。ちょうど50年前、本土復帰を迎えた直後の1972年5月、「東京に行き、料理人になりたい」という夢を見つけた暢子(黒島)は、料理人になるために東京へ。2カ月前から東京暮らしを始めていた友人・前田早苗(高田夏帆)とともに銀座のレストランの西洋料理を訪れ、「でーじまーさん!(すごくおいしい)」を連発しながら料理を味わった。

そして、プロボクサーになってKOデビューを果たし、大金を比嘉家に送って来て借金返済に貢献した兄・賢秀(竜星)がいるボクシングジムを訪問。だが、本宮泰風演じるジムのトレーナーから「比嘉は逃げた」と告げられ、また、デビュー戦の相手はお腹を壊していたから圧勝できただけで、第2戦では一方的に殴られ試合途中でリングを降り、翌日消えたと説明された。さらに、比嘉家に送ってきたお金は会長に泣きついて前借りしたもので、ジムのメンバーからもお金を借りていたことを知った暢子は衝撃を受ける。

任侠シリーズ『日本統一』の主人公・氷室蓮司役で知られ、ボクシング経験者である本宮の起用について、小林氏は「出ていただければボクシングジムっぽくもありますし、お芝居もすごく信頼できる。贅沢な起用ですが、暢子がお兄ちゃんを頼って上京してきたと思ったら事情が変わってしまうという非常に大事なシーンでもあるのでお願いしました」と説明した。

具志堅演じるボクシングジムの会長は、暢子に向かって「賢秀に伝えてくれ。人生のリングでは簡単にダウンするな」と、伝言として名言を言い放ち、独特の存在感を放った。

具志堅は、小林氏も関わっていた2001年度前期の連続テレビ小説『ちゅらさん』にも出演しており、朝ドラ出演は21年ぶり2回目となる。

小林氏は「具志堅さんは、どこかでぜひこの番組にご参加いただきたいと思っていました。せっかくボクシングジムの場面があるのであれば、そこでご参加いただけると番組としてすごく本意だなと。沖縄の方も非常に喜んでいただけると思ってキャスティングし、ご快諾いただきました」と述べ、「誰よりも黒島さんがお喜びになったと思います。とても喜んでいらっしゃいました」と黒島の反応も明かした。

今後も、沖縄出身者の出演は予定されているという。「すぐにということではありませんが」とのことなので、物語が進んでいった先での登場を楽しみに待ちたい。

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