読売テレビのドキュメンタリー特番『みいちゃんのお菓子工房 ~場面緘黙症(ばめんかんもくしょう) 少女の夢~』が、18日(10:25~※関西ローカル)に放送される。

  • 『みいちゃんのお菓子工房 ~場面緘黙症 少女の夢~』より=読売テレビ提供

滋賀県近江八幡市に住む“みいちゃん”こと杉之原みずきさん(14)は、場面緘黙(ばめんかんもく)症という不安症がある。家では話すことができるが、人前に出ると極度の緊張や不安によって話すことができなくなり、自宅を一歩出ると動くことができない「緘動(かんどう)」という症状が出ることも。場面緘黙症の中でも重い部類と診断され、療育手帳2級を取得し、今は野洲市にある特別支援学校に通っている。手も洗うことができず、トイレにも行くことができないため、登校は週に1回、わずか1時間だけだ。

場面緘黙症だと分かったのは、小学校の就学前検診。学校には毎日通っていたが、水を飲むことができない、給食を食べられないという日が続き、4年生で不登校になった。

そんなときに出会ったのがお菓子作り。家族も驚く早さで上達し「自分のお店を持ちたい」という夢を抱くようになった。隠れた才能をサポートしたい、娘の居場所を作ってあげたいと考えた両親は、自宅の近くに「みいちゃんのお菓子工房」をオープン。みいちゃんはお菓子作りをしているときには、取材のカメラ前でも動くことができるようになった。だんだんと自信をつけていく一方、店内での接客や買い出しはできず、母・千里さん(49)は、自宅を一歩出ると何もできないみいちゃんの状況や将来を案じている。

みいちゃんのケーキはSNSなどで話題となり、予約は2カ月待ちの人気店に。東京パラリンピックの聖火ランナーにも選ばれ周囲の期待は大きくなるばかり。ところが、みいちゃんはいつしか負担を感じるようになっており、昼夜逆転の生活に陥ってうつ病と診断された。

小学生の500人に1人とも言われる場面緘黙症。数少ない研究者の1人、長野大学の高木潤野教授のもとには、全国から毎週のように相談者が訪れる。母・千里さんから、みいちゃんの様子を聞き取った高木教授は「まずは、今あるみずきさんの負担を取り除くことから始めましょう」とアドバイス。昨年のクリスマスケーキの受注を、例年1日に10個だったものを3個まで減らすなど、みいちゃんが自分のペースを取り戻すことができるようサポートを始めた。場面緘黙症を乗り越えて「ケーキでみんなを笑顔にする」という夢を叶えるために。

みいちゃんと家族のありのままの日常を伝え、社会がどう向き合い、支えていくべきなのかを考える。