LASSIC(ラシック)が運営する、「場所に依存しない働き方」を推進・支援する情報を発信するWEBメディア「テレワーク・リモートワーク総合研究所(テレリモ総研)」はこのほど、「テレワークによる睡眠時間の変化 2021年度版」を公開した。

同調査は2021年9月27日〜9月30日、全国20歳〜65歳のテレワーク/リモートワークを経験したことがあるワーキングパーソン男女1,035名を対象に、インターネット調査にて実施した。

  • テレワークを行うことで浮いた通勤時間の代わりにどのように時間を使うようになったかを2020年度と2021年度で比較

仕事環境をテレワークに切り替えたことにより、多くの人がメリットとして感じているのが「通勤時間がなくなる」ということではないか。通勤時間がなくなったことで、どのような時間の使い方が可能になったのだろうか。

今回は、テレワークを行うことで浮いた通勤時間の代わりにどのように時間を使うようになったかを2020年度と2021年度で比較し、その中でも前年度と比べて特に変化のあった「睡眠」について、テレワークによる睡眠時間の変化について考察した。

はじめに、世間の仕事環境がテレワークに移り変わりつつあった2021年、通勤時間が減ったことで何をしているかについてアンケートを実施した。

  • 「寝る」の項目は男女ともに3割越えに。健康につながる時間の使い方が増加

以前のアンケート結果に比べて「ワークアウト」と回答した人が1割近く増えており、テレワークの長期化で体を動かしたり、鍛えたりすることで体力維持、健康促進を意識する傾向が高まっていることがわかる。また、今回から新たに「寝る」「家族との会話」といった項目を追加したところ、男女ともに「寝る」との回答が3割を超えた。

テレワークに切り替えたことで減った通勤時間を「睡眠」に費やしている人が多いという結果が出たということは、テレワークによって1日の睡眠時間が増えていると判断していいのだろうか。睡眠時間の変化に関するアンケート結果を参考に考察した。

  • 45%以上がテレワークになる以前より睡眠時間を多く確保できている

2020年の調査では、34.5%が「睡眠時間が増えた」と回答していたが、今回の調査ではさらに1割増え、45.2%となった。半数には届かなかったものの、45%以上がテレワークになる以前より睡眠時間を多く確保できているようだ。通勤がなくなって浮いた時間を「睡眠」に充てられるようになったことで、1日の睡眠時間も増えていると言えそうな結果となっている。

今回、通勤時間の代わりにどのように時間を使うかについて調査したところ、浮いた時間を「睡眠」に充てている人が多く、結果としてテレワークが1日の睡眠時間も増やすのに有効であるということが示された。さらに前回と今回のアンケートを比較し、「ワークアウト」と回答した人が増えていることもわかった。

テレワークをしていると移動が減ることから運動不足になりがちだ。だが、テレワークが普及した結果、コロナ禍の一時的な避難措置としてでなくテレワークを継続するケースが増えたことで、運動不足になりやすいことを前提に、意識的に運動不足を解消しようという行動に繋がっていると予想することができる。オフィスワーク時よりも本格的に体を動かすようになったという声もあがっている。

睡眠不足も運動不足も、仕事だけでなく健康被害に直結する重要な問題。テレワークによって通勤時間がなくなる代わりに「睡眠」や「ワークアウト」などに時間を費やせるようになることで、健康問題の解決や健康増進つながる可能性を感じさせる結果となった。

テレリモ総研では、「睡眠不足や運動不足に悩む方にとっても、テレワークへの切り替えはこれらの問題を解決する兆しになるのではないでしょうか」と指摘している。