日常生活において使用する機会が多い「露呈」という言葉。職場などで「問題が露呈した」などのフレーズを聞いたことがある人もいるでしょう。しかし、詳しい意味や使い方を理解できていますか?
今回は、露呈の意味や読み方、使い方などを例文つきで解説。また露呈の類語や対義語、英語表現などもあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
露呈とは
まずは露呈の読み方や、基本的な意味を確認していきましょう。
露呈の読み方
露呈は「ろてい」と読みます。「露」には「あらわになる」や「さらけだす」という意味が、「呈」には「しめす」や「あらわす」という意味があります
露呈の意味
露呈の意味は「隠れていた事柄が表に出ること」や「さらけ出すこと」です。
露呈はいい意味で使える?
露呈は原則として、隠しておきたかったことがあらわになったときなどに使います。
ビジネスシーンでも日常生活でもよく見聞きする言葉ではありますが、あまりいい意味で使えるフレーズではないことをしっかりと理解しておきましょう。
露呈の類語
露呈には、状況や場面によって言い換えをすることができる表現や類語がいくつかあります。
知っておくとビジネスシーンなどで役に立つ場合が多いため、代表的な言葉の使い方や例文などを確認しておきましょう。
露見(ろけん)
秘密や悪事などが表に現れることや、ばれることなどを意味する「露見」という言葉。
「隠れていたことがあらわになる」というニュアンスを持つため「露呈」の類語となりますが、その使い方には違いがあります。
露呈と露見の違い
具体的には、「露呈」が単に隠しておきたかった事柄が明らかになるという意味で使う一方で、「露見」は悪事や陰謀などがばれるというニュアンスで使う言葉となります。
「彼の罪が露見した」や「陰謀が露見する」といったように、悪い事柄に限定して使用するため、文脈や状況によっては「露呈」と言い換えられないケースがあることを覚えておきましょう。
発覚(はっかく)
隠していた事柄などが明るみに出ることを意味する「発覚」。
「不正が発覚する」などのフレーズからもわかるように、悪事や陰謀などが他人に知られた場合に使われます。
本人が隠そうとしていない事柄や喜ばしいことに対して使うと誤用になるため、意味や使い方を理解しておくようにしましょう。
暴露(ばくろ)
「暴露」は、「悪事や秘密などをあばいて明るみに出す」という意味です。
「隠しておきたかった事柄があらわになる」というニュアンスを持つため「露呈」の類語となりますが、使い方には多少異なる部分もあります。
具体的には、「露呈」が「物事が勝手にあらわになる」という意味合いで使われる一方、暴露は「誰かが秘密や悪事を明らかにする」というニュアンスで使われる言葉となります。
文脈によっては言い換えられないこともありますので、注意するようにしましょう。
摘発(てきはつ)
悪いたくらみやよくない行為などを公表するときに使う「摘発」という言葉。
明るみに出ることを意味するため「露呈」とニュアンスが似ていますが、「摘発」は「世間や社会に公表する」という意味合いがより強い表現です。
具体的には脱税や政治汚職など、社会的な不正行為について発表するときに「摘発」がよく使われます。
暴く(あばく)
「暴く」は、「人が隠していることや気づかないでいることを公にする」という意味の言葉です。「正体を暴く」や「不正を暴く」などのように使用します。
「露呈」の類語の中では「暴露」に近い言葉ですが、前述した意味のほかに「土を掘って取り出す」や「切り開く」などの意味があることも覚えておきましょう。
晒す(さらす)
「晒す」はたくさんの意味を持つ言葉です。
「日光に晒す」や、「危険に身を晒す」といった形で使われるように「難しい事態に身を置く」という意味を持つほか、「広く人目に触れるようにする」という意味があり、この意味で使われる場合が「露呈」の類語となります。
例えば、「醜態を晒す」とか「恥を晒す」のように使用します。
ばれる
「秘密や隠し事などが明るみに出る」という意味の「ばれる」。日常生活でもよく使う言葉なので、なじみがある人も多いのではないでしょうか。
「ばれる」には、ほかにも「釣り針でかかった魚が途中で逃げる」や「相談などがまとまらず破れる」といった意味もあるため、あわせて覚えておくといいでしょう。
露呈の対義語
露呈の意味を正しく把握するためには、対照的な意味を持つ言葉を確認しておくことも有効な方法です。
ここからは露呈の代表的な対義語を紹介しますので、言葉が持つニュアンスをしっかり理解しておきましょう。
隠蔽(いんぺい)
事の真相などを故意に隠すことを意味する「隠蔽(いんぺい)」。
都合が悪いことをあえて隠すときに使う言葉で、さらけ出すことを意味する「露呈」の対義語となります。
例えば、「事実を隠蔽する」とか「証拠を隠蔽する」などの形で使われます。
隠匿(いんとく)
「隠匿(いんとく)」は、何かを隠していることや心の中に持った罪悪などを意味する言葉です。
見つかると困るものを人目に触れないように隠すというニュアンスのため、「露呈」の対義語といえるでしょう。
秘匿(ひとく)
「秘密にして隠しておくこと」を意味する「秘匿(ひとく)」。
「こっそり隠す」や「秘密にする」というニュアンスが強く、「情報を秘匿する」などの形で使われることが多い言葉です。
露呈の使い方
ニュースや新聞、ビジネスシーンなどでよく見聞きする露呈という言葉。
多くの場合「露呈する」の形式で使われますが、「露呈された」のように受動態で使われることも少なくはありません。
適切に使用できるよう、例文で使い方を確認しておきましょう。
露呈を使った例文
・彼は注目されている選手だったが、先月の大会でスタミナがないという弱点を露呈してしまった
・上層部の汚職が露呈したため、社内改革が行われることとなった
・彼女の本性が露呈するのは時間の問題だ
・しっかりと再調査した結果、相手側のミスが露呈された
・今回の選挙では、国の分裂が際立って露呈された
「露呈」の英語表現
仕事で英語を使ったり外国人の知り合いが多かったりする人の中には、露呈の英語表現を知りたい人もいるでしょう。
「露呈」は、「さらすこと」を意味する英単語「exposure」や、「暴露」や「発覚」という意味の「disclosure」などで表現できます。
例えば、「不正な収益の露呈」といいたい場合は「the disclosure of dishonest profits」となります。
また、「明らかにする」や「あらわにする」という意味の動詞「reveal」を使うことでも「露呈する」というニュアンスを表現できますので、あわせて覚えておきましょう。
露呈の意味や類語をわかりやすくまとめました
露呈は「ろてい」と読み、「隠れていた事柄が表に出ること」や「さらけ出すこと」を意味する言葉です。
混同しやすい類語に「露見」がありますが、「露見」は「悪い事柄や隠していたことなどが明らかになる」というニュアンスですので、文脈や状況によっては言い換えられない場合もあります。
露呈のほかの類語や対義語、英語表現なども覚えておき、日常生活やビジネスシーンなどで正しく使えるようにしましょう。