「ダブスタ」はダブルスタンダードを略した言葉で、ネット上でよく使われます。本記事ではダブスタやダブルスタンダードの詳しい意味や、日常生活・ビジネスシーンでの具体例の他、例文を交えた使い方を紹介します。

由来や類語、対義語、英語表現もまとめました。

  • ダブスタの意味

    ダブスタの意味や由来、例文の他、類語や対義語も解説します

ダブスタ(ダブルスタンダード)の意味とは

早速、ダブスタの意味をご紹介します。

ダブスタの意味は二重規範のことで、多くの場合は矛盾がある

ダブスタは英語の「ダブルスタンダード(double standard)」を略した言葉です。「ダブスタ」と略した形では、主にネットを中心に使われています。

ダブルスタンダードの意味は以下の通りです。

意味1: 「仲間内と部外者」や「国内向けと外国向け」のように、対象によって異なった価値判断・基準を使い分けること

意味2: 異なる二つの基準・規範・指針が併存している様子

「ダブルスタンダード」は日本語で「二重基準」や「二重規範」とも表現されます。

「ある人にはこう求めるのに、他の人には別のことを求める」「同じ組織内で、ある人からはこう言われ、別の人からはこう言われる」などの状況のことで、多くの場合は矛盾しており、不公平である、一貫性がないといったネガティブな意味合いで使われることが多い言葉です。

  • ダブスタとは

    ダブスタは「ダブルスタンダード」を省略したネットスラングです

ダブスタの具体例

具体的にどういう状況をダブスタというのか、具体例を見ていきましょう。

例えば、同じことをしても、男性がしたか、女性がしたかによって評価の基準が異なることはダブスタの代表例といえるでしょう。親が男の子供にだけ「男の子は泣いちゃだめよ」と叱り、女の子供が泣いてもおとがめなし、といった状態です。

また、女性は家事育児ができて当然とされ、できなければ批判される、一方男性はできないのが当然で、できれば称賛されるといった状態のこともダブスタといえます。

あることをして、課長からは怒られたのに、部長からは褒められた、などの場合も、同じ組織内で異なる基準が併存している、つまりダブスタであるといえるでしょう。

このような状況につながる言動をすると、不公平、一貫性がなくどうすればいいかわからない、といった印象を相手に与えてしまうでしょう。

ダブスタの使い方・例文

ダブスタの使い方をご紹介します。次の例文を参考にしてください。

・ダブスタな上司の方針に対し、部下たちは混乱している
・弱い立場の人には厳しく自分には甘い人のことを「ダブスタ系〇〇」という
・とあるタレントはテレビでダブスタとも取れる発言をして批判を受けた
・政府が指針を示した感染症対策を守っていない政治家の行動が、国民からはダブスタに見えている
・某国の大統領は、軍の攻撃に関する発言を対象国によって変えるので、ダブスタだと批判を受けている
・同じことをして先週は褒められたのに、今日は叱られるとは、まさにダブスタだ

  • ダブスタの使い方・例文

    ダブスタの例文を参考に使い方を覚えましょう

ダブスタの由来・語源

ダブスタの由来・語源は英語の「double」と「standard」からなっています。「standard」は「標準・基準」という意味を持っています。そこに「二重・2倍・同じ物事が二つ重なる」という意味の「double」がついているので、「二重基準」「二重規範」という意味になります。

ネットスラングとして略語が広く使われるようになったといわれる

「ダブルスタンダード」が初めて「ダブスタ」と省略された時期や経緯は明確にはわかっていません。しかし、ダブスタはインターネット黎明期(れいめいき)とされる2000年代前半にはすでに使用されていました。そこから、広く一般的に使われるようになったきっかけはネットの力だといえるでしょう。

特に、政治家の発言や行動に二つの異なる基準が見えたときなどに、ネット上で多くの「ダブスタ」との批判の声が上がっています。

ダブスタの類語・言い換え

ここでは、ダブスタの類語・言い換えをご紹介します。次の3つの類語・言い換えを見てみましょう。

二枚舌(にまいじた)

意味: 矛盾したことをいうこと。うそをつくこと

朝令暮改(ちょうれいぼかい)

意味: 命令や政令がひんぱんに変更されて一定ではないこと
「朝に出した命令が夕方にはもう改まっている」という故事からできた言葉

二律背反(にりつはいはん)

意味: 二つの相反する命題・推論が、同じくらいの合理性・妥当性を持っていること
または自己矛盾に陥ること

  • ダブスタの類語・言い換え

    ダブスタの類語・言い換えも覚えておきましょう

ダブスタの対義語

ダブスタの対義語も併せて確認してください。次の二つが該当します。

インテグリティ(integrity)

意味1: 誠実・正直・完全無欠

意味2: コンピューターのシステムやデータの整合性・一貫性・完全性・無矛盾性のこと

首尾一貫(しゅびいっかん)

意味: 最初から最後まで一つの態度や方針で貫かれていること
態度や方針がずっと同じで変わらないこと

  • ダブスタの対義語

    ダブスタの対義語には「態度・方針がずっと変わらない」という意味の言葉が当てはまります

ダブスタの英語表現

ダブスタは英語の「ダブルスタンダード」を略した言い方なので、英語表現は「double standard」になります。使い方は次の英文を参考にしてください。

英文: Disadvantaged by an unfair double standard
(不当なダブルスタンダードによって不利益を被る)

英文: That politician was disqualified by his double standard statement
(あの政治家はダブルスタンダードな発言によって失脚した)

  • ダブスタの英語表現

    ダブスタを英語で表現したいときは「double standard」を用いて英文を作ります

ダブスタとはダブルスタンダードの略で、二重基準という意味のネット用語

ダブスタは英語の「ダブルスタンダード(double standard)」を略した言葉です。意味は「『仲間内と部外者』のように対象によって異なった価値判断・基準を使い分けること」や「異なる二つの基準・規範・指針が併存している様子」です。

具体例をもとに実際にどのような状況のことをいうのか、イメージをとらえましょう。

ダブスタの類語・言い換え、対義語は複数あります。この機会に覚えておくといいでしょう。ダブスタの英語表現「double standard」を使った英文やダブスタを使用した例文も参考にして、ダブスタについて理解を深めてください。