MMD研究所は5月13日、スマートフォンのOS別シェアについての調査レポートを公開した。日本のスマートフォンユーザーの44.1%がiPhoneを利用しているという結果だ。
日本のスマホユーザーの4割以上がiPhone
18~69歳の男女10,000人を対象として主に利用しているスマートフォンを調査したところ、OS別ではiPhone(iOS)が44.1%、Androidが51.5%、その他が4.4%だった。
年代別では若年層ほどiPhoneユーザーが多く、最もシェアの高い10代女性では84.1%に達した。20代女性や10代男性でも7割を超えている。60代では男女ともに6割以上がAndroidユーザーと真逆の結果が出ているが、これは各社のシニア向け端末がAndroidベースであることなども影響しているだろう。
iPhoneはTouch ID搭載機種が上位、Androidはトップ3に人気集中
iPhoneユーザーの利用機種を集計すると、最も多かった機種はiPhone SE(第2世代)。17.6%と、2位のiPhone 8に7%以上の差を付けた。機種数の多いAndroidについてはシリーズ別に集計した結果、トップ3はAQUOSシリーズ(28.3%)、Xperiaシリーズ(21.1%)、Galaxyシリーズ(13.5%)。4位のarrowsシリーズ(6.4%)にダブルスコアを付けており、トップ3に人気が集中している状況がわかる。
現在使っている機種のおおよその利用年数は、1年~2年未満が27.3%で最多。3年以上の長期利用者も2割を超えている。
「単体購入」「一括1円」はどれだけ知られている?
後半は少し話題を変え、スマートフォンの販売施策に関する内容だ。
まず、スマートフォンの単体購入について認知度と購入経験を調査した。単体購入とは、携帯キャリアが扱う端末を回線契約を伴わずに購入するというもの。政府や総務省が競争促進を名目に「通信と端末の完全分離」を進める過程で、近年義務化された販売方法だ。
キャリアショップで端末のみ購入できることを知っていた人は39.0%。実際に単体購入をした経験がある人は18.0%に留まった。代理店のビジネス構造など販売現場の実情から積極的に案内されることはないという背景もあるが、購入経験者は認知している人の半分以下しかいないことを考えると、あえてセット購入ではなくそのような購入方法を選ぶ必要性を感じない人も多いのではないだろうか。
次に、「この1カ月で、スマートフォンが『一括1円』などで販売されていることを見聞きしたか」を聞いた。調査時期から考えると、3月中旬から4月中旬にかけての1カ月を指しており、家電量販店などで大幅値引きが見られた年度末の商戦期にあたる。
結果としては36.1%の人がニュース、店頭、友人経由など何らかの形で見聞きしていた。この数字を多いととらえるか、少ないととらえるかはそれぞれだが、「競争環境の公正化」を掲げた電気通信事業法改正などの動きによって、スマートフォンを極端に安い価格で購入する方法はここ数年で影をひそめており、表立って復活してきたのはごく最近の話だ。「一括1円」が復活していることに早くも1/3程度の人が気付いているというのは、安さに敏感な消費者が多いとも受け取れる。
調査概要
- 調査期間:2022年4月21日~4月24日
- 有効回答:10,000人
- 調査方法:インターネット調査
- 調査対象:スマートフォンを所有する18~69歳の男女