JR東日本は13日、新型砕石輸送気動車GV-E197系(電気式気動車)と事業用電車E493系(交直流電車)の量産先行車による性能試験や技術的検証が完了し、量産車を新造して老朽化した機関車・貨車の置換えを行うと発表した。2023年度から順次、運用開始する予定となっている。

  • 新型砕石輸送気動車GV-E197系(提供 : JR東日本)

GV-E197系とE493系の量産先行車は2021年に新造。性能試験や技術的検証が行われてきた。量産車は量産先行車の仕様を踏襲しつつ、コストダウンを図った車両となる。

GV-E197系は、砕石輸送や砕石散布作業用のほか、非電化区間の車両の入換作業、回送車両等の牽引用にも使用される。砕石を搭載する車両(ホッパ車 / GV-E196形)を含む6両編成を6編成、牽引用の車両(牽引車 / GV-E197形)を2両新造するとのこと。E493系は車両の入換作業や回送車両等の牽引用に使用され、2両編成を1編成新造する。

  • GV-E197系は牽引車GV-E197形とホッパ車GV-E196形からなる(提供 : JR東日本)

  • 事業用電車E493系(提供 : JR東日本)

置換えによる効果として、GV-E197系は編成の両端に運転台を有することから、方向転換時の機関車の付替え作業が不要となり、安全性が向上して効率的な砕石輸送が可能になる。駆動システムや操縦方法を電車・気動車と統一することで、機関車固有の操縦方が不要になる高架もあるという。

機関車は多くのメンテナンスを要する複雑な構造となっていたが、置換えによって最新の電車・気動車と同様の構造になるため、省メンテナンス化も実現する。具体的には、腐食に強いステンレス製の車体の採用、シンプルな構造であるボルスタレス台車の採用(GV-E196形を除く)、VVVFインバータと誘導電動機の採用、GV-E197系において変速機や推進軸など機械部品の使用を大幅に削減したことを挙げている。