オフ・ブロードウェイ・ミュージカル『Forever Plaid』の公開ゲネプロが13日に東京・よみうり大手町ホールにて行われ、川平慈英、長野博、松岡充、鈴木壮麻が登場した。
同作はスチュワート・ロス脚本によるオフ・ブロードウェイのミュージカルコメディで、1990年の初演以来、アメリカ各地で上演された。1964年のアメリカでフランシス(川平慈英)、ジンクス(長野博)、スパーキー(松岡充)、スマッジ(鈴木壮麻)の4人は男性4声によるコーラススタイルのグループを結成するが、ビッグショーに出演できるというチャンスを前に事故で全員即死してしまう。しかし果たせなかった想いと様々な天空の条件が奇跡を起こし、実現できなかった自分達のライブステージを成功させるべく、再び4人が地上に舞い戻ってくる。
2013年に翻訳版初演、2016年に再演、さらに2020年に再再演を予定していたものの新型コロナウイルスの影響で中止に。川平は「絶対再演があると確信していました。当然の結末になって嬉しいです」と喜ぶ。長野は「稽古途中で終わってしまって、ぜひ再再演という形でやりたいと思ってたんですけど、まだこういう状況の中で、このタイミングでできるとは思ってなかった。多分みなさんいろんなリスクもある中で来てくださるのも嬉しいですし、エンタメって必要だなと思ってもらえるようになったらいいな」、松岡は「こういう状況になってしまったことでいろんなものが失われて『Forever Plaid』も一瞬失いかけたけど、強い気持ちがあれば取り戻すことができる。この先も何が起こるかわからないということは覚悟しながら、それでも諦めないという思いでステージに1本1本立っていきたいと思っています」と意気込んだ。
鈴木は「2020年の4月9日、その日にみんな自分の荷物を稽古場から持ち帰って、あの時の虚無感がずっとどこかにあったんですけど、再再演の機会を無事にいただくことができて、そこがリセットされるわけではないんですけど、あの楔の刺さった感情がちょっと和らぐということが自分としては嬉しいなと思いました」と心境を吐露し、「1回1回、稽古ももしかしたら今日で終わっちゃうかもしれないと思いながらしてきているので、感慨深いです。今日も千秋楽なんじゃないかというくらい気持ちが昂ってて」と感極まった様子。「すごいきちゃってて。人生って瞬間瞬間の積み重ね繋がりだとこの現場ですごく感じるんですよ。そこが愛おしいし皆さんに感謝を伝えたいです」と感謝を述べる。
さらに川平が4人について「中止が決定してから会うことはなかったんですけど、一瞬にしてブランクが消えました。2年前の中止になった日も『昨日だったよね』みたいな感じでナチュラルな感じでブレンドしたよね」と振り返っていると、鈴木が目頭を押さえる。3人は鈴木の元に集まり、ぎゅっと抱きしめあっていた。
年月での変化を聞かれると、川平は「まあやっぱ、年取ったね。9月で還暦なんですけど、そこらへんはいい意味でいぶし銀的な……」と語り、今年50歳になる長野は「この年で、出演者で末っ子ってなかなかないんですよ」と苦笑する。長野はV6が解散して新たな舞台となるが、鈴木が「V4!」、川平が「FP4」と4人のグループ名を考えると、「V4とかV7とか、何百回も言われてるんですよ」とバッサリ。一方で公演はファイナルということだが、川平は「ファイナル2というのがあるかもしれない」と言い始め、松岡から「詐欺!」とつっこまれる。川平は「年齢的にもキツくなってきた。できることならシニアチームとヤングチーム、2チームくらいあっても面白いけどね。昼はヤングチームで夜は僕たちがやるみたいな」と意欲も見せつつ、「有終の美を飾ります」と宣言した。
東京公演はよみうり大手町ホールにて2022年5月14日~31日、神奈川公演はやまと芸術文化ホール メインホールにて6月2日、宮城公演は名取市文化会館 大ホールにて6月5日、山形公演はやまぎん県民ホール 大ホールにて6月7日、大阪公演はサンケイホールブリーゼにて6月11日〜13日、広島公演はJMSアステールプラザ 大ホールにて6月16日、久留米公演は久留米シティプラザ ザ・グランドホールにて6月18日~19日、金沢公演は本多の森ホールにて6月23日、愛知公演は刈谷市総合文化センター アイリス 大ホールにて6月25日~26日、東京凱旋公演は有楽町よみうりホールにて6月30日。